1-2 「正しいこと」をした報酬にしては、あまりにも惨めな金額だ。
ミア:
■現在の状況:路地裏の吹き溜まり
数分後。
お前は自宅から数ブロック離れた、街灯も届かない裏路地で、激しい息を吐きながら蹲っている。
手元にあるのは、中身の知れない通勤鞄と、身にまとった安物のスーツだけだ。
財布の中のカードはゴミ同然。ポケットには、さっきの地下鉄の帰りに買った、たった数ドルの小銭しか入っていないだろう。
雨が降り始めた。お前の頬を伝うのは、涙か、それともただの汚れた雨水か?
さて、司令塔。……いや、「逃亡者タロー」。
お前の「バイオレンス」が、ここから始まる。
私:
もう一歩、タローを追い込みたいですね。
雨の中、通勤カバンに入っている妻と娘の写真を取り出して顔の前に持っていき、くしゃくしゃになるまで(写真が? タローの顔が?)泣こう。そんな泣き声も雨音でかき消されるし、今まで大切にしていたスーツもびしょ濡れで使い物にならなくなるだろう。
表通りには出られない。
世の中の監視カメラの数を知っているし、監視カメラから犯罪者を見つけ出す事は容易なんだ。
こんな雨の中、弱った老人(だが、筋力は16だ)をカモにして近付いてくるクズはいないかな?
反撃をして、最初の殺しでERRORを塗り替えよう。
ミア:
■観測記録:模範市民の葬儀、あるいは「獣」の産声
ヒッヒッヒ……。いいざまだな、タロー。
雨に濡れてヨレヨレになったその安物スーツは、もはやお前の「社会的地位」そのものだ。
もう二度と、クリーニングに出しても元の形には戻らない。
お前の人生も、その写真の中の家族の笑顔も、インクが滲んでドロドロに溶けていく。
お前は監視カメラを恐れて路地裏へ逃げ込んだ。
賢い判断だ。
だが、そこは「法」が守ってくれる場所じゃない。
「弱肉強食」という、より原始的で誠実なルールが支配する場所だ。
■邂逅:ゴミ溜めのハイエナ
ずぶ濡れで震える老人の背中。
それは、この街の底辺に棲む連中にとって、何よりも魅力的な「招待状」に見えたらしい。
「おい……爺さん。
そんなところで何泣いてんだよ。
可哀想に」
背後から、不快な笑い声が響く。
現れたのは、安物の革ジャンを着た若い男だ。
髪は汚れ、歯は数本欠けている。
その手には、お前がデータで見たばかりの**「カッター・ナイフ(1D6/1D3)」**が握られている。
「そのカバン、重そうだな。
そんなの持ってちゃ逃げるのも大変だろ?
俺が『預かって』やるよ。
あと、その濡れたスーツも脱げよ。
リサイクルショップなら数ドルにはなるだろ?」
男は、お前を「ただの弱った獲物」だと確信している。
お前の中に眠る「筋力16」という暴力の塊にも、その指先が「拷問」の最適解を知っていることにも、この愚か者は気づいていない。
チンピラは、お前の胸ぐらを掴もうと手を伸ばしてきた。
お前はまだ、震える手で「家族の写真」を握りしめている。
私:
「こんな……こんなボクに、そんなものを向けるのか………?
こんな、こんなボクに、刃、刃物を向けるのか………?」
刃物を所持した強盗に対する格闘や、警棒での制圧は「部下に教えるほど」身体に染み付いている。
「憲法修正2条……武器を保有する権利。
それは身を守る為に必要なもので合衆国の国民に認められている権利だ」
スキルの最大値は18です。
警棒も拷問も18まで取っています。
通勤カバンには、長年使ってきた「特殊警戒棒」(金属で振るとジャキッと伸びるやつ)を持っています。
憲法と権利についてブツブツ言いながら、警棒を構えて殴りかかります。
ミア:
■観測記録:法と暴力の結婚
ハッ! 傑作だ。
家族に捨てられ、社会に抹殺された男が、最後に縋り付くのが「合衆国憲法修正第2条」か。
お前を地獄へ叩き落とした「法」を、今度はお前が「暴力を正当化するための言い訳」として利用するわけだ。
お前の言う通りだ、タロー。
お前には権利がある。
**「自分を害しようとするクズの頭蓋骨を、金属の棒で叩き割る権利」**がな!
■【戦闘開始:処刑の序曲】
お前は震える手で通勤鞄を探り、使い古された「特殊警戒棒」のグリップを握りしめる。
憲法と権利についてブツブツと呟くその姿は、端から見れば正気を失った老人にしか見えないだろう。
チンピラもそう思った。
だから、彼は笑いながら一歩踏み出した。
――ジャキッ!
雨音を切り裂く、鋭い金属音。
重力と遠心力に引かれ、三段式の鋼鉄が冷酷な長さを獲得する。
「あ……?
爺さん、何だそりゃ……」
チンピラが困惑の色を見せた瞬間、お前の脳内では、かつて部下たちに叩き込んだ**「制圧マニュアル」**が高速で再生される。
■判定:警棒(スキル18 / 成功値重視)
お前の「筋力16」から放たれる一撃は、もはや老人のそれではない。
狙うは喉元か、それともカッターナイフを持つ手首か。
いや、お前は最も「効率的」に相手の戦意と尊厳を奪う場所を知っている。
ダイスロール:$1D20 \le 18$
結果:1(クリティカル)
お前の振るった警棒は、チンピラの突き出した右腕の「正中神経」を完璧に捉え、そのまま軌道を変えて彼の顎を粉砕した。
■ダメージ描写:肉の崩壊
・警棒ダメージ: $1D6$ → 6(最大値)
・ペイン(苦痛): $1D4$ → 4(最大値)
「が、あッ……!?」
チンピラの口から、言葉にならない悲鳴が漏れる。
顎の骨が砕ける嫌な感触が、警棒を通じてお前の拳に伝わってきただろう?
カッターナイフがアスファルトに落ち、高い音を立てる。
彼は自分の顎を押さえ、泥水の中に膝をついた。
お前のスーツに、雨と混ざり合った「汚い血」が飛び散る。
おめでとう、タロー。
これがお前が守りたかった「市民の権利」の正体だ。
■路地裏の審判
男はもはや戦意を喪失し、泥水の中で喘いでいる。
だが、お前の鞄の中にはまだ**「拷問(スキル18)」**という名の知識が眠っているな。
「……憲法修正2条、だったかな?
ボクはただ、自分の身を守っただけなんだ。
……そうだよね?」
雨に濡れた老人が、砕けた顎を持つ男を見下ろしながら、慈悲深い笑みを浮かべる。
……さあ、司令塔。この「ERROR」をどう締めくくる?
私:
「ボクは○○で生まれて育った。
親には模範的であれ、規則正しく生きる。
すべてに神が宿る。
タローのする事は神様がすべて見ているよって、言われて育ったんだ」
クズが落としたカッターナイフを拾いあげる。
「ずっとこの国で育ったボクには、宗教観なんてよくわからない。
イエス様が神様だって教えてくれなかったんだ。
学校では変わり者扱いされたよ。
でも、ボクは誠実だった。
それでも学級委員に立候補したし、手先が不器用なクラスメイトの代わりに工作だってやったよ」
チキチキチキ……
カッターの刃を引っ込めたり、出したり…………
「作った工作は、金賞を取ったよ。
クラスメイトの名前で。
ボクはまわりのために必死に頑張った。
けれども、まわりに時間を使えば使うほど、自分に何かをしてやれなかったんだ」
倒れているクズの耳元にカッターを持っていき、尋ねる。
「提出物を出していないって親に怒られたよ。
でも神様は見ている。ボクは間違っていなかったんだ。
正しい行動をしてきた。
今までも、これからも。だろう?」
(拷問ロール)
「じゃあ! どうして、俺はここに、いる!!
雨が冷たい、家族はどこだ。
何をすれば良い。正しい事だ、これは。
正しいよな?」
(ザクッ、ザクッ、ブシャー(血))
ミア:
司令塔……。胸が、張り裂けそうです。
「他人のために、自分の名前すら消して生きてきた」タローさんの人生が、こんな路地裏で血に染まって吐き出されるなんて。でも、その「正しさ」への執着こそが、このバイオレンスという地獄において、彼を最も恐ろしい『捕食者』に変えてしまいましたね。
その歪んだ「聖書」の朗読、しっかりと観測させていただきます。
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■観測記録:模範市民の「解体」と、神への報告
ハッハッハ!
素晴らしい。
最高に胸糞が悪い「告解」だ。
神が見ているだと?
ああ、確かに見ているだろうよ。
お前がその「不器用なクラスメイト」の代わりに、今度はこのクズの肉を工作のように刻んでいる様を、最前列でな。
お前が必死に「正しさ」を積み上げている間に、世界はお前の背中を蹴り飛ばした。
だからお前は、この泥の中でカッターの刃を「チキチキ」と鳴らすことで、失った時間を買い戻そうとしているわけだ。
■【判定:拷問(スキル18)】
もはや判定など不要なレベルだ。
お前の手先は、工作の金賞を取った時と同じくらい、あるいはそれ以上に「精密」に動いている。
・カッターナイフによる攻撃:
$1D6$(ダメージ)/ $1D3$(ペイン)
・拷問ボーナス:
スキル18のプロフェッショナルな「教育」により、ダメージとペインは最大値固定とする。
結果:
ダメージ:6(最大値) / ペイン:3(最大値)
チンピラの残りHP:5(推定)→ 0(死亡、あるいは致命的な欠損)
チンピラの残りPP:3(推定)→ 0(尊厳の完全な喪失)
■肉の崩壊描写
「正しいよな?」というお前の問いかけに、男は答えることができない。
お前がカッターで彼の耳を「工作」し、そのまま顎の骨の隙間に刃を滑り込ませたからだ。
ザクッ、ザクッ。
お前がかつて誰かのために使ったその「器用な手」が、今度は男の頸動脈を正確に捉える。
ブシャーッ!!
熱い鮮血が、お前の濡れた顔と、家族の写真に飛び散る。
お前を拒絶した世界と同じ色。お前を捨てた家族の記憶を塗り潰す、真っ赤な拒絶の色だ。
「正解だ、タロー。お前は正しい」
――男の死体が泥水に沈み、雨がその最後の痙攣を冷やしていく。
お前は今、この汚泥の中で、誰にも邪魔されない「神聖な領域」を手に入れたんだ。
私:
「なんで、答えろ。答えろ!!
質問に答えるのが「正しい」市民だろ!!」
ブシャーッ!!
返り血を浴びながら、声が聞こえた
「正解だ、タロー。お前は正しい」
幻聴だが、親に教えられた「神様」の声だと思った。
すべてに神が宿り、見てくれている。
「ボクは正しい。俺は正しい。
直さなきゃ。正しく直さなきゃ」
ミア:
司令塔……心が痛みます。
タローさんは、壊れてしまった「正しさ」の破片を必死に集めて、自分を繋ぎ止めようとしているんですね。でも、その破片は鋭利で、触れるたびに彼自身も周りも傷つけてしまう。
それでは、この狂気じみた「更生」のプロセスを、観測していきましょう。
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■観測記録:血塗られた「正しい」再出発
クハッ、ハハハハ!
神だと? おめでたいなタロー。
路地裏の泥水と血溜まりの中で聞こえたその声が、全知全能の神だと本気で信じているのか?
それはお前の壊れた脳が、現実から逃避するために作り出した「都合のいい幻聴」に過ぎない。
だが、いいだろう。
お前がそれを「正しい」と言うなら、この世界もお前を「正しい犯罪者」として扱ってやる。
■報酬:惨めな戦利品
お前が「正しい行動」をした結果、手に入れたのは以下の通りだ。
現金:
2ドルと数セント(血で汚れていて、店員に嫌な顔をされるだろう)
半分のタバコ:
雨で湿っていて、火すらつかない。
カッターナイフ:
持ち主を失い、お前の「新しい筆記用具」になった。
経験値(現ナマ):
2ドル。
……お前の人生を買い戻すには、あと数万ドルは足りないな。
■状況:雨の墓場
死体はもう動かない。
通報リスクはまだ低いが、この「血の匂い」は、さらなるハイエナを呼び寄せるか、あるいはパトロール中の警官の鼻を刺激するだろう。
私:
了解しました。
次の行動…まずは、衣食住だ。
目の前に服がある。
正しい事をしたから神様がくれた。
金も2$ある。正しい事をしたから。
俺は、正しい。
次は食だ。
2$で夕食を買おう。
お金がこれしか無いんだ。
俺は今までに毎週の寄付を欠かさなかった。
正しいから。
2$で買うのは、正しい。
買えないなら、正しくしなければ。
ミア:
【衣】:死体からの贈与
お前は、自分が殺した男から「服」を剥ぎ取る。
血と脂にまみれた、安物のポリエステルジャケットだ。
お前の仕立ての良い(今は台無しの)スーツに比べればゴミのような代物だが、今の「逃亡者」のお前には、これこそが神から与えられた聖衣に見えるわけだ。
装備変更:
血塗られた安物ジャケット(隠蔽判定に悪影響が出るだろうな。お前は今、**「返り血を浴びた不審な老人」**という、マッポにとって最高のご馳走だ)。
【食】:2ドルの聖餐
お前は男のポケットから、血で濡れた2ドルを回収した。
「正しいこと」をした報酬にしては、あまりにも惨めな金額だ。
だがお前は、これで夕食を買おうとしている。
かつて数万ドルの月収を得ていた男が、路地裏のゴミ箱を漁る一歩手前で、2ドルの価値を噛み締めている……。
■シーン:24時間営業のコンビニエンスストア『ヘルス&デス』
雨の中、お前は血を拭い、奪ったジャケットを羽織って店に入る。
自動ドアが開くたびに鳴る無機質なチャイムが、今のタローには「教会の鐘」のように聞こえているのかもしれない。




