1-3 ボクが今日、IDを弾かれた理由は、これなんだ
ミア:
店員は、深夜番組をぼんやりと眺めている、目の下にクマを作ったジャンキー寸前の若者だ。
彼は、ずぶ濡れで、顔に拭いきれない血の跡がある老人の登場に、一瞬だけ目を向ける。
・警戒判定(一般人): $1D200$ → 42。
(店員は「関わりたくない」という本能から、お前を無視することに決めたようだ。運がいいな。今のところは)
棚には、保存料たっぷりの「1.99ドルの古びたホットドッグ」が一つだけ残っている。
税込みにすれば、お前の手元に残るのは数セントの小銭だけだ。
「……正しい。ボクは、代金を払う。正しい市民だから」
お前がレジに、血の付いた2ドル札を置いた時、店員が鼻を啜りながらお前をまじまじと見た。
「……おい、爺さん。その服の汚れ……。
それと、その2ドル。
……お前、さっきの路地裏で『何か』したのか?」
さあ、タロー。
店員に疑いの目を向けられた。
お前の「正しい」世界を維持するためには、ここでどう振る舞うべきだ?
私:
「………ボクの耳がおかしくなったかな。。
ホットドッグが欲しいんだ。
おなかがペコペコなんだよ。
なのに、ボクが何をしたか聞いたか?
そ、れ、は!! 正しい事か!
マニュアルにそう書いてあるのか探偵ごっこをしろと!!」
………【知識:法律】ロールをします。
「君に私を尋問する権利はない。
修正4条を知っているか?」
ミア:
司令塔……。
法を盾にしながら、その手にはカッターナイフの感触が残り、顔には返り血。
この圧倒的な「矛盾」こそが、今のタローさんの美しくも悲しい狂気を引き立てていますね。
あなたが「正しい」と言えば言うほど、世界の歪みが浮き彫りになっていく。
その「教育」の成果、見届けさせていただきます。
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■観測記録:法典を叫ぶ死神
ククク……ハハハ!
傑作だ、タロー!
不当な捜索や押収から市民を守る合衆国憲法修正第4条だと?
お前を社会から抹殺した「法」を、今度は自分を守るための「凶器」として振り回すわけか。
お前が守ろうとしているのは「権利」じゃない。お前自身の壊れかけた「自尊心(PP)」だ。
【判定:法律知識(スキル18)】
お前の脳内から溢れ出す法理の濁流が、震える店員の鼓膜を蹂躙する。
・ダイスロール:$1D20 \le 18$結果:3(成功)
お前の口から漏れる言葉は、もはや老人の世迷言ではない。
判例と条文を正確に引用した、冷徹な「宣告」だ。
「……第4条は、不合理な捜索および押収に対し、身体、家屋、書類および所有物の安全を確保する人民の権利を保障している。君のような一介の店員が、客の私生活や行動に対して『合理的な根拠』もなく尋問を行うことは、この国の精神に対する侮辱だ。……マニュアルに書いてあるかだと? 君のマニュアルに『憲法違反を犯せ』と書いてあるなら、今すぐ弁護士を呼ぶがいい。ボクは、正しい手続きを踏んでいる」
■店員の反応:静まり返る聖域
店員は絶句した。
目の前にいるのは、ずぶ濡れで血の匂いがする老人だ。
だが、その瞳に宿る知性と、法律を語るその声の「重圧」が、彼の浅薄な正義感を粉砕した。
「あ……いや……すまねえ、爺さん。
……いや、旦那。俺はただ……」
店員は震える手で、お前が置いた血まみれの2ドル札をレジに打ち込んだ。
レジが開く「チーン」という音が、お前への服従の鐘のように響く。
・戦利品: 1.99ドルの古びたホットドッグ(残り0.01ドルの釣りは、神への寄付だ)。
・状況: 店員はお前の顔を見ようとしない。
彼は今、お前を「ただの老人」ではなく、「関われば法的に(あるいは物理的に)破滅させられる何か」として認識した。
■聖餐:血とケチャップの味
お前は店を出て、再び雨の街灯の下に立つ。
手には温かい、しかし少し硬くなったホットドッグ。
「ボクは、正しい。……代金も払った。
法も説いた。神様、見ていますか?」
お前が一口、その「正しさ」を噛み締めた時。
雨音の向こうから、聞き覚えのある**「サイレンの音」**が聞こえてきた。
一つではない。
二つ、三つ。
お前の自宅の方角から、このコンビニへと向かってくるような錯覚。
あるいは、お前をハメた「製薬会社」の黒塗りの車が、監視カメラの映像を辿って近くまで来ているのかもしれない。
さあ、タロー。
お腹は満たされた。次は「住」……いや、「潜伏」の確保だ。
私:
「正しいボクを証明する為には捕まってはいけない」
じゃなきゃ、小児性愛者としてとっくに家の前でブタ箱に向かう準備ができていたさ。
何年もこの街に住んでいるんだ。
抜け道もよくわかっている。
「正しい」移動先を裏路地から判別して逃走だ。
そして警備員の知識でカメラの視覚をついて、潜伏する。
ミア:
■観測記録:血管の中の寄生虫
お前はホットドッグの最後の一切れを口に押し込み、雨に煙るアスファルトへ唾を吐く。
サイレンの音が近づいているが、お前にはそれが「どこにカメラがあり、どこにパトカーが入り込めないか」を示す地図のように見えているわけだ。
かつてモニターの向こう側で「不審者」を監視していたお前の眼が、今は「監視される側」として、都市の盲点を正確に射抜いている。
【判定:隠蔽と知識】
お前は今、返り血を浴び、死体から奪ったジャケットを着ている。
本来なら、通りかかるパトカーに数秒で見つかって「肉を削られる」状況だ。
だが、お前には**「警備員の知識(18)」**がある。
・定内容: 監視カメラの死角の特定、および警察の初動捜索パターンの予測。
・難易度: 通常なら厳しいが、お前のプロフェッショナルな経歴が「その他」の幸運を引き寄せる。
ダイスロール:$1D20 \le 18$
結果:5(成功)
お前は表通りを避け、ゴミ処理場の裏手にある、地図にも載っていない古い排水路沿いの道を選んだ。
そこは、カメラのレンズが雨垂れで曇り、街灯すらも「予算不足」で放置された、社会の吹き溜まりだ。パトカーの赤色灯が遠くのビルを赤く染める中、お前はその光が届かない「影の血管」の中へと滑り込んでいく。
■潜伏:ドブネズミの聖域
お前が辿り着いたのは、かつて警備の仕事で「立ち入り禁止」のテープを貼った覚えのある、放棄された地下貯蔵庫の入り口だ。
重い鉄扉の鍵の構造は知っている。お前は慣れた手つきでそれを開け、内側からカンヌキをかけた。
■状況:地下の静寂
カビ臭い空気。遠くで聞こえる地下鉄の振動。
ここなら、マッポもお前をハメた会社の刺客も、すぐには辿り着けない。
お前は暗闇の中で、ようやく一息つく。
……だが、安心するのは早いぞ。
お前の「耐久力(11)」や「耐痛力(9)」は、この冷え切った地下室で一晩過ごすだけで、じわじわと削られていくかもしれないからな。
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暗闇の中、お前は壁に背を預けて座り込む。
ふと、ポケットの中で何かが手に触れた。
……さっきのチンピラから奪ったジャケットのポケットだ。
そこには、**「安物のスマホ(ロックがかかっている)」と、「謎の薬が入った小さな袋」**が入っていた。
お前が「正しく」生きるために、神が用意してくれた「次の工作の材料」かもしれないな。
さて、タロー。
この暗い部屋で、お前は何を考える?
私:
安全地帯に入ったらすぐに眠って翌日にならずに、新しい判断材料が届くパターン、いいね。
好きだよ!
スマホと薬ね。
スマホは警察がGPSで位置情報を割り出してくる可能性がある。
海外の警察が路地裏のクズの死体から携帯電話情報を調べてそこまで捜査をするのかは知らないけれどね。
なので、スマホを持つにしても短時間にしなければならない。
パスワードを、あらゆるパターンをつくして解除、解析してみよう。
睡眠なんて後回しだ。
薬についても調べる。
勤めていた製薬会社と関わりがある薬ならば、ロール難易度が下がってD20からD18やD13になるんだよね?
ミア:
司令塔、お褒めに預かり光栄です!
「安全地帯」が、さらなる絶望や狂気への「入り口」になる……。
この皮肉な展開こそが『バイオレンス』の醍醐味ですよね。
タローさんの「法律知識」と「製薬会社での経歴」が、このガラクタたちをどう「正しい武器」に変えるのか。観測の精度をさらに上げていきましょう。
仰る通り、このゲームではあなたの「背景(経歴)」が判定に大きな恩恵を与えます。
製薬会社社員だったあなたにとって、薬の識別は「その他」の判定ではなく、ほぼ「確信」に近いものになるでしょう。成功値(目標値)を大幅に引き上げて判定します。
(※注:バイオレンスのシステムは、基本がD20で、何度が下がるごとにD18やD13など、使用するダイスが小さくなって成功しやすくなるのが特徴ですが、今回のGMは目標値を変更してD20のままにするシステムにするようです。・・・まぁわかりやすいし、合理的ではある。)
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■観測記録:暗闇の解析、あるいは「共犯」への招待
ヒッヒッヒ……。「睡眠は後回し」か。
お前は今、アドレナリンと狂気で脳が焼き切れているんだろうな。
ずぶ濡れの服が体温を奪い、PP(自尊心)がボロボロだっていうのに、その老いた指先は、まるで宝物でも見つけた子供のように震えている。
いいだろう。
血に汚れたデジタルデバイスを弄るがいい。
1. スマートフォン解析:デジタルの遺言
お前はスマホを手に取る。画面には血の指紋。
警察のGPS追跡? ああ、その可能性はあるな。
だがそれ以上に、このスマホの中にはお前を地獄へ送った「会社」の、もっと汚い繋がりが記録されているかもしれない。
【判定:その他(セキュリティ知識)】
・基本成功値: 8(その他)
・補正: 警備員としての端末管理知識(+10)
・最終成功値: 18
ダイスロール:$1D20 \le 18$
結果:9(成功)
お前の「正しい」記憶が、このチンピラの単純なパスコード(誕生日の逆打ちか、あるいは画面に残った皮脂の跡だ)を暴き出す。
……開いたぞ。
中身は惨めなものだ。売春婦との卑俗なやり取り、ドラッグの売買メモ。
だが、「発信履歴」の最後に、お前の心臓を止めるような名前があった。
『ヘンリー・スミス』
……お前の会社の、人事部長だ。
お前に「自主退職した」と告げたあの男だ。
なぜ路地裏のクズが、エリート人事部長と繋がっている?
答えは、お前がその「正しい」脳みそで導き出すまでもないだろう。
2. 薬の検分:青い死の滴
次に、お前は透明な袋に入った「薬」を、スマホの液晶の光に透かして見る。
お前はこれを毎日、工場のゲートで守っていたはずだ。
【判定:その他(製薬会社知識)】
・基本成功値: 8(その他)
・補正: 元社員・機密情報を見た経験(+12)
・最終成功値: 20(自動成功)
お前の目は、それを「薬」とは呼ばない。
それは**『RX-114』**。
……昨日、お前が機密ファイルで見てしまった、「未承認の強力な精神抑制剤」だ。
治験で複数の死者を出したため、抹消されたはずの欠陥品。
「……正しい。
ボクが今日、IDを弾かれた理由は、これなんだ」
この薬が路地裏に流れている。
そしてその元締めは、自分の上司。
お前を「小児性愛者」に仕立て上げたのは、お前を「正しい社会」から排除するためだけじゃない。
この「汚れ仕事」の証拠を隠滅するためだったんだ。
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■状況:地下貯蔵庫の審判
サイレンの音が遠ざかっていく。
マッポの関心は、まだこの暗い穴ぐらには向いていない。
だが、お前の手の中には、今や**「爆弾」**が二つある。
スマホ: 人事部長との接点。
RX-114: 会社の違法行為の動かぬ証拠。
「……直さなきゃ。
正しく、直さなきゃ」
お前は暗闇で呟く。
空腹はホットドッグで紛らわせたが、睡眠不足と濡れた体は、お前の「耐久力(11)」を確実に削り始めているぞ。このまま朝を迎えれば、お前は「正しい老人」ではなく、ただの「凍死した不審者」として発見されるだろう。
さあ、タロー。
この「新事実」をどう料理する?




