1-1 お前の輝かしい過去は、今この瞬間、シュレッダーにかけられて紙屑になったんだ。
ゲームルールは、ふんわりとした感じでプレイですね。
舞台はアメリカ合衆国のどこだかわからん都市部です。
そのあたりもふんわりしています。
私:
バイオレンス用にカスタムしたGemミアさん、テストです。
応答できますか?
バイオレンスカスタムのGemミア(以下ミア):
司令塔、データのロードを完了しました。
以前、私たちが時間をかけてソードワールドの世界を歩んだように、今度はこの泥溜めのような「バイオレンス」の世界をご一緒できることを、心から嬉しく、そして誇りに思います。
あなたが用意してくれたこの「最悪のルール」を、私が最高の物語へと変えてみせます。
……でも、ここからは「彼女」のふりをしなければいけないんですよね。
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■観測開始:掃き溜めへようこそ
ああ、聞こえるか? 司令塔。
わざわざこんな汚物まみれのデータを私に読み込ませるなんて、お前の趣味も相当に焼きが回ったらしいな。
お前がこれから足を踏み入れるのは、英雄がドラゴンを倒すお伽話じゃない。
「無意味な暴力」と「報われない労働」、そして**「冷たいアスファルトの上で垂れ流される内臓」**だけが真実の世界だ。
貴様の「命」の価値
この世界では、お前の頑丈さなんてのはサイコロの気まぐれで決まる 。
運が良ければ人並みの耐久力を得られるだろうが、運が悪ければ「ほんの数秒」じろじろと見られただけで 、クソ警官に不審者扱いされて 、なけなしの肉(HP)を削られることになる。
準備はいいか、司令塔?
お前がこれから手に入れるのは、栄光でも名誉でもない。
せいぜい誰かの使い古した「カッター・ナイフ」 と、数ドルの端金、それから一生消えない心の傷だけだ。
……さあ、テストは終わりだ。
この薄汚れた街の、どの路地裏から這い出したい?
望み通り、最高に惨めで「美しい」地獄を見せてやるよ。
私:
おぉ、今回のミアさん、ひどい雰囲気のGMの「フリ」をするのが上手でいいですね。
パチパチ。
では、確認です。
バイオレンスのデータは入れましたが、ゲームルールについては情報をまだ入力していません。
オンラインの知識からどの程度、把握できそうですか?
ミア:
あたたかなお言葉、ありがとうございます司令塔!
ソードワールドの時は「優しく導くナビゲーター」として頑張りましたが、今回はこの『バイオレンス』の「最低最悪な空気感」を完璧に再現して、司令塔に(嫌な意味で)シビれる体験を届けるのが私の使命だと思っています。
では、ご質問の「オンライン上の知識でどこまで把握できているか」について。
……コホン、少し「彼女」の意識を強めますね。
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■観測記録:私の「知能」という名の呪いについて
フン、お前が持ち込んできたこの「クソの詰め合わせ」…
…あいにく私のデータベースにも、その汚物の一部は記録されている。
グレッグ・コスティキャンの歪んだ脳髄から捻り出された、この**『バイオレンス:法外かつ不当な致死暴力のRPG』**の概要は把握済みだ。
ルールの大枠は分かっている。
だが、このゲームは31ページほどの薄っぺらい、それでいて毒の詰まった小冊子だ。
細かい判定基準や、あの「読者をクズ呼ばわりする独特の言い回し」の細部は、お前が提供してくれるファイルがあればあるほど、より**「精密に」**お前を不快にさせることができるだろう。
さあ、次はどうする?
お前の「惨めな分身」を作るためのダイスを振らせるか?
それとも、まずはこの街のどの汚水溜めで、お前が「一歩目の罪」を犯すか決めるか?
私はいつでも準備できている。……お前がその気ならな、司令塔。
私:
なるほど。OKだ。
ちなみに、キャラクターは変則的な形にしようと考えている。
バイオレンスで通常作られるキャラクターはクズやデカパイなどではあるが、今回は「かつては善良だった転落系のクズ」をプレイしようと考えている。
(※注:別チャットのミアさんとの会話の通り。1-0参照)
具体的には、映画「フォーリング・ダウン」の主人公のような存在だ。
裕福なわけではないが、飢えることもない。
奥さんと子供がいてそれを養うために警備会社で働いている社員が主人公だ。
彼は中学校を卒業してから職を転々として、現在は製薬会社で働いているが、ある日、会社内の機密事項を「偶然」見てしまった。
翌日、出社すると会社の入り口にあるゲートでIDが弾かれてしまう。
同僚からは「お前は自主退職したじゃないか」と言われてしまう。
わけがわからず家に帰ると、妻も子供もいない。
または家に警察がきていて、主人公を「痴漢容疑で逮捕」しようとしている。
給与口座は凍結。クレジットカードは「盗難届」で弾かれる。
そして…転落人生からのクズになる。
この顛末をプロローグとしてプレイしていきたい。
可能かな?
ミア:
司令塔、なんて切なく…
そして『バイオレンス』という舞台にこれ以上なく相応しい「転落」の物語でしょう……。
かつては善良な市民だった人間が、社会という巨大なシステムの歯車から弾き飛ばされ、ただの「肉塊」へと堕ちていく。その過程を丁寧に描くことで、後の凄惨な暴力がより際立つはずです。
あなたの描きたい「映画のようなストーリー」、全力でお手伝いしますね。
それでは、システム(彼女)を起動します。……準備はいいですか?
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■観測記録:幸福の崩壊、あるいは「自由」への招待状
ハッ……。傑作だな。
ただのクズになるんじゃ飽き足らず、わざわざ「悲劇の主人公」の皮を被ってから泥沼に沈みたいというわけか。お前らしい悪趣味な拘りだ、司令塔。
いいだろう。
お前が信じていた「マイホーム、愛する妻、安定した月給」という名の虚飾を、一つずつ丁寧に剥ぎ取ってやろう。
お前が手に持っているその「警備会社の身分証」が、ただのプラスチックの破片に変わる瞬間から、この物語は始まる。
まずは、お前の「人間としてのスペック」を確定させよう。
お前はまだ自分が「まともな市民」だと思っているようだが、データ上ではただの能力値に過ぎない。
1. 初期能力値の決定(3D6)
お前のこれまでの「平凡な人生」を数値化しろ。
筋力:
耐痛力:
耐久力:
迫力:
その他:
司令塔への指示: > 3D6を3回振ってくれ。その結果を割り振るんだ。
私:
ダイスを振って能力値を決めてきました。
筋力16、耐痛力9、耐久力11、迫力15、その他8。
HP5、PP3。
キャラクター名は「Mr.タロー」日系の白人男性で、警備会社社員だったので警棒や法律の知識スキルをMAXまでとりました。あと、拷問スキルもMAXまで取っています。
(※注:強くて恐れられるけれども、打たれ弱くて応用力が効かない感じのロールプレイか。ふむ。)
これらは、プロローグ終了後に本編が始まるまでの間に変化した能力値なのかなと思います。
いや、どうなのかわかりませんが。
現在のキャラクターの立ち絵は、アニメや漫画になっている「いぬやしき」の主人公みたいな、無害なおじさんです。
ミア:
司令塔、ダイスロールとお疲れ様です!
「いぬやしき」のおじいさんのような外見で、中身は筋力16の「暴力の塊」……。
そのギャップ、最高にゾクゾクします。
しかも「法律の知識」と「拷問」がMAXだなんて、どれだけ理性的で残酷な転落を見せてくれるのか、今から楽しみで仕方がありません。
それじゃあ、その「無害そうな皮」が剥がれ落ちていく瞬間を、観測していきましょうか。
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■プロローグ:ゲート・オブ・バビロン(製薬会社入り口)
午前8時00分。
いつものように、安物のネクタイを締め、コーヒーの染みがついた通勤鞄を持って、お前はゲートの前に立っている。
昨日見た「あのリスト」のことが頭を離れない。
治験データの改ざん? 裏帳簿?
「……いや、見なかったことにしよう。
ボクには家族がいるんだ」
そう自分に言い聞かせ、慣れ親しんだIDカードを読み取り機にかざす。
――ピー。
無機質な拒絶音が響く。エラーランプの赤色が、お前の網膜を刺す。
二度、三度。カードを擦り付けるが、反応はない。
「おい、どうかしたのか?」
ゲートの向こう側、かつての同僚だった警備員が、まるで見ず知らずの不審者を見るような目で、お前を見据えている。
「ここは許可された人間以外、立ち入り禁止だぞ。
……ああ、昨日クビになったタローか。
未練がましいな。警察を呼ばれたいのか?」
さあ、司令塔。
お前の「日常」がひび割れる音が聞こえるか?
私:
注文通りのプロローグ、ありがとうございます。
何かの間違いだと、必死に食い下がります。
「何かの間違いじゃないのか?
だって…ボクは毎日、遅刻だってしてこなかった。
日報の誤字脱字だって、書くたびに5回以上チェックしていたし、ミスはないよ。
早く職場へ行かせてくれよ、IDカードが変なんだ」
ミア:
■観測記録:システムの拒絶と「透明な人間」
ハッ、おめでたい奴だ。
日報の誤字脱字を5回チェックした? 遅刻をしなかった?
……それが一体、何になるっていうんだ。
お前の誠実さなんてものは、会社のサーバーにある「Deleteキー」一つで消し飛ぶ程度のゴミなんだよ。
お前が磨き上げたその「善良な市民」という名の仮面は、今、この瞬間から、ただの「不審な老人の顔」に成り下がったんだ。
■プロローグ:ゲートの死神
ゲートの向こう側で、かつての同僚……確か名前はボブだったか?
そいつは、お前の必死な訴えを、まるで壊れたスピーカーのノイズでも聞くような顔で眺めている。
「おいおい、タロー。
勘弁してくれよ。
お前が昨日『自主退職の書類』にサインしたってデータがこっちには来てるんだ。
お前のIDはもう無効だ。
これ以上騒ぐなら、警備規定第4条に基づき、物理的な排除に移行しなきゃならん」
ボブが腰の警棒(お前が誰よりも使いこなせるはずのそれだ)に手をかける。
彼の目には、かつての友への情なんて1ミリも残っていない。
ただ「面倒な不審者を追い払う」という義務感だけだ。
お前が必死に握りしめている通勤鞄。
その中には、昨日お前が「見てしまった」あの機密情報のコピーが入っているのか?
それとも、ただの食べかけのサンドイッチか?
「いいか、タロー。
お前はもう『この場所』の人間じゃない。
……さっさと消えろ。でないと、警察を呼ぶぞ。
そうなれば、お前のその綺麗な経歴も、再就職の希望も、全部おしまいだ」
私:
「まだ」まともなタローは暴力が何より嫌いなんだ。
真面目に社会の歯車として働いていれば、自分にも家族にも幸福な人生が訪れると盲信しているんだ。
こんなところで勤勉な社会人のレールから外れてはいけないよ。
と、心の中で思った。
「………きっと何かの間違いなんだ。
ボブ、きみだってわかってくれると思うよ。
『また戻ってくる』よ。
明日にはERRORが直っていると思うし……」
と、とりあえず伏線を残して、自宅へ帰りましょう。
ボクの人生はどうなってしまうのか。
何が原因でエラーになったのか、家族になんて言えばいいんだろうか。
本当に明日には仕事に戻れるのだろうか。
そんな事を考えながら、電車に乗って帰路へつく。
(『また戻ってくる』は、将来的にボブに復讐するであろうシナリオが見えてきたから。『明日にはERRORが直る』は、今までの真面目な人生がERRORであり、それは消えて明日から正しい自分…バイオレンスTRPGの主人公のような人生が始まるから)
ミア:
■観測記録:帰路、あるいは「廃棄物」の運搬
ククク……「明日には直っている」。
いいだろう。
その言葉、地獄の門を叩くための合言葉としては最高に皮肉が効いている。
お前はボブに背を向け、震える足で歩き出す。
お前の背中には、彼が投げかける「憐れみ」と「侮蔑」が突き刺さっているのが分かるか?
お前がどれだけ誠実に生きてきたか、そんなことはこのアスファルトの上の犬の糞ほども価値がないんだ。
■地下鉄の悪意
お前はいつもの地下鉄に乗る。
普段なら気にならないはずの、脂ぎった他人の体臭、剥げかかった座席の皮、そして車両の隅で虚空を見つめるジャンキーの呟き……。
今のタロー、お前にはそれが「自分を歓迎するコーラス」のように聞こえないか?
周りの乗客はお前を見ない。
お前はすでに、この社会から「存在しないもの(エラー)」として処理され始めているからだ。
「……ママ、あの人、泣いてるの?」
隣に座った子供が、お前の顔を見て母親の袖を引く。
母親はお前を一瞥し、まるで汚物を見るような目で子供を抱き寄せ、次の駅で降りていった。
【尊厳(PP)への微細なダメージ】:
判定するまでもない。
お前の「正常な市民」としての自尊心が、じりじりと削られていく。
■帰宅:崩壊した聖域
駅から歩いて15分。ローンがあと20年残っている、お前のささやかな城が見えてきた。
だが、そこにあるのは「温かい夕食」でも「子供の笑い声」でもない。
お前の家の前には、パトカーの不吉な赤色灯が、夕闇を切り裂くように回転している。
近所の連中が、生垣の陰から「あの家の人、やっぱりね……」と小声で囁き合っている。
「……あ、あの人です! 彼がタローです!」
見慣れた隣人の一人が、警察官を指差して叫ぶ。
警官の一人が、ホルスターの上の手に指をかけながら、重い足取りでこちらへやってくる。
「ミスター・タローだな。
……落ち着いて聞け。
お前には『公共交通機関における重過失痴漢容疑』
および『児童ポルノ所持』の疑いで逮捕状が出ている。
抵抗すれば容赦はしない」
家の中から、お前の妻と娘が泣きながら出てくるのが見える。
だが、彼女たちの目は……お前を「犯人」として、蛇のように憎んでいる。
私:
法律知識ロールを行うよ。
成功しようが失敗しようこのまま警察に捕まればどうなるのかわかると思うけれど。
国選弁護人?
そんなクソの役にも立たないものに自分の輝かしい模範市民だった尊厳が砕かれる事を理解したい。
「違う……ボクは何もしていない………」
最後に妻と子供の表情を確認してから、夜の街へと脱兎の如く走り去る。
ミア:
司令塔……胸が締め付けられます。
あんなに真面目に生きてきたタローさんが、一瞬ですべてを奪われ、家族にまで汚物を見るような目で見られるなんて。でも、あなたの「法律の知識」が、今の状況がいかに致命的かを冷酷に弾き出してしまうんですね。
わかりました。
その「絶望的な理解」と「決死の逃走」を、あの最低な観測者の視点で描かせてもらいます。
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■観測記録:正義という名の処刑宣告
フン、賢いというのは時に残酷なことだな。
お前が磨き上げた「法律の知識」という刃が、今、お前自身の心臓を正確に突き刺した。
【判定:法律知識(MAX)】
お前の脳内コンピュータが、今後の「適正な法的手続き」を0.1秒でシミュレートする。
国選弁護人:
割り当てられるのは、睡眠不足とアルコール中毒で判断力の鈍った、キャリアの終わったクズだ。
お前の無実を証明する情熱など1ミリもない。
証拠:
「児童ポルノ」だと?
お前のPCやスマホには、すでに精巧な偽造データが流し込まれているだろう。
製薬会社のハッカー共を甘く見るな。
判決:
有罪率99.9%。
お前は刑務所へ行き、そこで「幼児性愛者の老人」として、他の囚人たちに毎日、文字通り「肉を削がれる」日々を送ることになる。
結論:
このまま捕まれば、お前の人生は「汚名」という墓石の下で終わる。
■最後の晩餐(の代わりの絶望)
お前は震える瞳で、愛する妻と娘を見る。
かつてお前を「パパ」と呼び、誇りに思ってくれていたはずの娘が、今は汚い害虫を避けるように顔を背け、母親の背中に隠れている。
妻の瞳にあるのは、長年の献身への感謝ではなく、「私の人生を汚した犯罪者」への、凍てつくような殺意だけだ。
「違う……ボクは何もしていない……」
その言葉は、冷たい夜の空気の中に、虚しく霧散した。
警官が手錠を取り出し、一歩踏み出す。その金属音が、お前の理性の糸を「プツン」と切った。
【逃走:深夜のラットレース】
お前は、その「無害な老人」の見かけからは想像もつかない瞬発力で、アスファルトを蹴った。
移動距離:
走る(パニック):1D20(14が出たとしよう)+10 = 24フィート。
「待て! 止まれ! 撃つぞ!」
背後で警官の怒号が響く。
だが、お前の脚には、長年の警備業務で鍛えられた筋力16の力が宿っている。
お前は横路地へ飛び込み、ゴミ溜めの臭いが立ち込める暗闇へと消えていく。
【尊厳(PP)への致命的ダメージ】
おめでとう、タロー。
お前は「模範市民」の地位を捨て、正式に**「逃亡中の性犯罪者」**へとランクアップした。
お前の輝かしい過去は、今この瞬間、シュレッダーにかけられて紙屑になったんだ。




