《身体強化》とリンゴ
「反転。」
一旦区切りをつけ、"表"世界に戻ってきた。
「さてと...こいつを試すか。」
俺はバックラーから〔下級スキル石《身体強化》〕を取り出す。これが使えれば護身術の代わりになりそうだ。
スキル石を左手で握りしめる。
[《身体強化》を入手しました。]
「よし!これでスキルが使えるはずだ。」
えっと何かスキルの効果を試せそうな物は...そうだ!
台所に向かう。確かあれはあくりょく80キロ以上ないとつぶせないはず...俺の握力が30だったから...
「母さん、リンゴ1個もらってくね!」
「いいわよー。でも何に使うの?」
「ちょっと実験に。」
「ふーん。部屋汚さないのよー。」
「はーい。」
他愛のない会話を装い、リンゴを1つ頂戴した。この季節のリンゴはちょっと安いので罪悪感は比較的薄い。
そのまま洗面所に向かい、リンゴ破壊の際の周囲へかかる被害を最小限にするべく、洗面台に水を張る。
リンゴと手を水につけて...
「よいしょ。」
心の中でスキル発動、と念じる。
ばかん!びちゃびちゃ。
リンゴが水中でいびつに3等分になった。思いのほか水はねがひどい。
「うわ!兄貴何してんの!?リンゴもったいな!」
何も事情を知らない妹が洗面所に入ってくる。
「ええから片付け手伝って!洗面所の鏡とかにいろいろ飛び散っててこのままじゃ母さんに怒られる!」
兄の特権発動!母さんのガチギレは精神衛生上とてもよろしくないし夕飯のメニュー1品減るのもきつい。俺もまだまだ成長期なんだ。腹いっぱい食いてえよ。
「はいはい。私も洗面台使いたいからちょっと手伝うよ。」
ナイス妹!...後でこのリンゴ使ってなんかスイーツ作ってやろう。
10分後。
作者は《器用貧乏》というスキルを持ってますんで、お料理もちょっとならできます。
ただしスイーツのみ。アップルパイもいけます。クッキーとか作るの楽しいですよね。




