表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/52

2023年 6月某日 戦闘の狼煙

2023年 6月某日編 (4/5)

連続エピソードになります

エニグマが拳を振り上げた。あれが地面に叩きつけられれば、また土砂崩れが発生する。

緊張のあまりエニグマの動きが実際よりもゆっくりに見える。

俺たちも逃げなければ――間に合わない。


現場全体に、とてつもない緊張が走った。


「特殊災害対策部、全員退避!!!」

村越の焦った声が響き渡る。

俺と田中も一目散に土砂崩れの現場から離れるために走った。


――ダメだ、逃げきれない……


「影縫い!!!!」

法月の声と共にエニグマの動きが止まった。

法月の技で、影を縛られた敵は動くことができなくなっていたのだ。


「千蔓縛!!!」

続いて古賀の声も響いた。

拳を振り上げた状態でエニグマを動けないようにダブルで拘束した。


「サンキュー!法月。でもこの状態からどうしようかね……」

「古賀さんでもお手上げなんですか?」

「ん~、倒せなくはないけど、土砂崩れは必須になっちゃいそうなんだよね。」

「そんな……」


インカムから古賀と法月のやり取りが聞こえてくる。

切迫した状態なのは変わりないらしい。


エニグマも束縛から逃れようとミシミシ音を立てて動き始めた。


「状態も収まったのでレスキュー作業に戻ってもよろしいでしょうか?」

レスキュー隊員から声を掛けられた。


「まだ、小石などが落ち続けているので、もう少し様子を見させてもらいたいです。」

俺は山肌のエニグマを見ながら答えた。


「何を悠長なこと言ってんだ!人命が掛かってんだぞ!!!お前らは上司じゃない俺たちは行かせてもらう!!!!」

後ろの方で俺の返答を聞いていた血気盛んなレスキュー隊員が大声を張り上げながら前に出て来て俺の胸倉をつかんだ。


「我々は、あなた方の指令から許可をもらい指示を出しています。危険な状態で行かせるわけにはいきません。」

「でも、俺たちの指揮じゃない!俺たちは自分の命より要救助者の命を優先してんだ!!!」

「ダメです。指示に従ってください。」


胸倉をつかまれたまま俺は、その隊員と睨みあった。


「やかましい!!!自分らの命放り出したら、助けられるもんも助けられへん!!そんなことも分からんのかいワレ!!!!!」

「要救助者は今でもあの中で待ってんだよ!俺たちを!!!」

「ほなら、あんたらが土砂に巻き込まれたら、要救助者は助かるんかい!!!ええ加減頭冷やさんかい!!!!!!こっちだって早う助けたいのは山々なんや!!!!!!!!」


俺たちの声を聞いて村越が急いでやってきた。


「早く救助に行きたい気持ちもわかります。ですが、先ほど彼の言ったことが救助の本質だと思います。要救助者と同じくらい自分や仲間の命を大事にしてこそ、助けられる命もあるのではないでしょうか。」

「……。」

村越の言葉で俺の胸倉をつかんでいた手を放し、何も言わずに下がって行った。


「大丈夫か?宮部。」

「大丈夫です。ありがとうございます班長。」

「お礼は俺にじゃないだろ。」

「はい。ありがとな、田中。」

「かまへんかまへん!なんやむず痒うなるやん!やめてぇな!」

「2人とも、よく止めてくれた。」

「「はい!」」


その時ゴゴゴゴと地響きがした。束縛が解けそうになっていたのだ。

「やばい!!!解かれる!!!!」

「全員退避!!!」


ドンという地鳴りで拘束を解いたエニグマは、拳を地面に叩きつけた。


ドォンッ

辺り一帯が揺れた、そして大量の土砂が崩れた家目掛けて流れ落ちて来る。

また埋まってしまう。要救助者の保護が遅れてしまう――


「グランド・ウォール!!!!」


その声と共に土の壁が出現し土砂を家とは別の場所へ誘導していく。


「間に合ってよかったです!」

インカムから土属性ヒーローの森田の声が聞こえた。


「ありがとう!森田ちゃん。壁作ったまま待機できる?」

「できます!」

「よし、偉紀!もう一回焔流やって!」

「はい!」

「そしたら、俺がトドメ刺すから。」

「「「はい!」」」

ヒーローたちの頼もしい声がインカム越しに聞こえてきた。

エニグマの方を見ると、もう一度拳を振り上げていた。


「焔流!!!」

エニグマが炎に包まれた。さっきよりも火力がある焔流だ。

少し火力が納まったタイミングで古賀が動く。


「鉄木・千棘牢!!!(アイアンウッド・せんきょくろう)」


木の中にエニグマが閉じ込められた途端ドドドドドドドッと地鳴りがした。


「千棘牢あけるから、三上さんリビールお願い。」

「はい。了解したわ。」


千棘牢が開かれ大量の土砂が土の壁に沿って流れ出る。


「リビール!」

一般人にも土砂が見えるように可視化を掛けた。

土砂が納まる頃土の壁も静かに崩壊させ可視を掛けた。


5人のヒーローの勝利。


そして、現場も怪我人ゼロだ!


「さあ、コア探すで!」

俺たちの本当の仕事も始まった。


次回は 4月 15日 (水) 21時更新です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

バチバチの戦闘は書いてて楽しいけど疲れますね……。

ちょっとショート気味です。

次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ