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2023年 6月某日 緊張の現場

2023年 6月某日編 (3/5)

連続エピソードになります

現場到着時も事態は緊迫していた。

辺りには無数の一般人。報道をする者、救助作業をする者、泣き叫ぶ者たち。

俺たちはこの人たちを守りながら、ヤツを倒さなければいけない。


そう、山の斜面に立ってこちらを見ている、泥でできた巨大な人型のエニグマを。


「こちらが、統括本部ですか?」

村越は消防車の近くの人だかりにいる隊員に話しかけた。


「我々は特殊災害対策部です。司令の方をお願いします。」

ややあって、司令と呼ばれる人物が出てきた。村越とあいさつを交わす間も、情報が舞い込んでくる。


「特殊災害対策部が出動ということは、危険な状況なんですね。」

「話が早くて助かります。規制線を最低でも1キロ下げ、土砂の様子を我々に監視させていただきたい。」

「わかりました。安全第一ですので規制線は2キロ近く下げます。土砂の様子についてですが、崩れてくるのが事前に分かるならお願いしたい。」

「急に崩れる場合もあるため、確実にお知らせできるとは限りませんが、安全第一は我々も同じですので、なるべくレスキュー隊の方々が安全に作業できるように監視します。」

「よろしくお願いします。」

両トップが握手しそれぞれの作業に入る。


報道と野次馬に対して、規制線を守っていた警察に伝え、位置を下げた。


「土砂崩れの再発の危険性が高まりました。規制線の場所を公民館のある辺りまで下げます。速やかに公民館までお戻りください。」

警察がパトカーのスピーカー越しに呼びかける。

崩れた家の近くにいた報道と野次馬は何とかなった。


「特殊災害対策部です。二次災害を防ぐためにやってきました。土砂の様子は我々が監視していますので、救助活動に専念してください。」


村越がそうレスキュー隊に呼びかけた、その瞬間、足場が揺れた。


斜面を見上げると、古賀と三条がエニグマに攻撃を仕掛けていた。


焔流えんりゅう

三条が叫ぶと炎がエニグマを取り囲んだ。

エニグマも腕を振り上げ炎を振り払う。エニグマが腕を動かしても土砂崩れが発生しないことが確認できた。それでも小石は降ってくる。山肌に隠れている三上と法月が大きな石を粉砕してくれているからだ。


「山側の方は、小石が落ちて来るので気を付けて下さい。先ほどの揺れから不安定な状態が続いています!」

俺は声を張り上げた。目指すは怪我人ゼロの完封勝利――村越は言っていた。小石ごときで怪我人なんて出してたまるか。


千蔓網せんまんごう

古賀の声と共に俺たちとエニグマの間に蔓の網が張り巡らされた。

俺が慌てて古賀の方を見ると、口の前に人差し指を置きウインクをした。そして指を足に向けた。これから足を攻撃する合図だ。

足が動けば大きな岩や土砂が落ちて来ることもある、それを見越しての網での対策なんだと理解した。


「振動計持ってきました。」

「ありがとうございます……?」


聞き覚えがあるが、どこか違和感を覚える声に顔を横に向けると、機材を持ち、にこやかに田中たなか 亮介りょうすけが立っていた。


「うわ、出た!」

「出たってなんやねん!せっかく応援に来たっちゅうに!」

「ごめんごめん、条件反射。」

「なお悪いわ!」


2月のクリーン研修以来のやり取りに、少し懐かしさを覚えつつ状況説明に入る。


「今回メインヒーローの木属性ヒーローの古賀さんが、植物の蔓で網を張ってくれて、大きな岩とかはなるべく止めるようにしてくれてる。そんでもって、今から足を攻撃するところ。」

「よっしゃ!今からが腕の見せ所ちゅうことやな。」

「振動計打ち込んじゃおう。足に攻撃したタイミングで避難合図出せるように。」

「せやな。ギリギリまで不明者の捜索しててもらわんと。」


俺たちはヒーローたちの動向をみつつ振動計を取り付けた。炎でエニグマの体を乾かしている間に、何とか機材を付け終えた。


「しかしタフやなぁ、あの炎の兄ちゃん。」

「前は全力で炎出すしか知らなくて、すぐにへばってたけどね。最近は調節できてるんじゃない?」

「なんでツッキーが自慢げにすんねん。」

「そうかな?」

「せやって!」


古賀が俺たちの方を見て再度足を触り合図を出した。


「合図来た。」

「足へ攻撃すんねんな。」

田中は大きく息を吸い込み顔を両手で叩くと、下のレスキュー隊へ大声で言った。


「振動計が変な動きをしているので、念のため斜面から離れた場所へ退避してください!」


俺も田中に続いた。


「一刻も早く退避してください!何か起こってからでは取り返しがつきません!!」


村越、西城、立石の声も聞こえてきた。聞きなれない関西訛りの声も聞こえる。

誰も巻き込ませない。その一心で、みんな必死だ。


次の瞬間、古賀の声が聞こえた。


千蔓爆せんまんばく

足に絡みついた蔓を振り払おうとヤツが足を動かすと、地鳴りが起こり石や岩が落ちてくる。俺たちも慌てて退避した。


動き出した敵は、ヒーローたちに向けて、ゆっくりと拳を振り上げた。


次回は 4月 12日 (日) 21時更新です。

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出てきましたね、田中。大好きなキャラの1人です。

とても動かしやすい良い子w

次回もお楽しみに!

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