表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/52

2023年 6月某日 緊急出動

2023年 6月某日編 (2/5)

連続エピソードになります

無数の一般人を眼下に見下ろしている巨大なエニグマ。

俺たちはそれをテレビの画面越しに見て息を呑んだ。

そして同時に到着まで、ヤツが動かないことを、ただ祈るしかなかった。


「班長。今回の出動、これですか?」

いつもは冷静でみんなの姉御的存在な柚木ゆのき あいが班長の村越に焦りながら聞いた。


「ああ。見るからに土属性だろうから古賀がサブのヒーローを連れて来ることになっている。」

冷静に答えている村越だが、一瞬たりともテレビから目を離さない。


「4月の巨大エニグマとタメ張れる大きさじゃねえか……」

テレビを見つめながら立石が俺に話しかけてきた。


「ですよね。俺もそう思いました。」

「問題は下の一般人をどうするかだよな。」

「報道は規制線を遠ざければ何とかなるが、問題は捜索している消防だよな。」

「到着までに行方不明者が全員保護されるのが理想ですけど……。」

「……まあ、この様子じゃ厳しそうだな。」

「……ですね。」


俺たちが話している横で映像を見ながら顔が青ざめていく新人の高木がいた。


「高木、今回の任務は一般人の誘導がメインになると思うから、前回ほどエニグマの近くには行かないから安心して。」

俺は高木の肩を叩いて話しかけた。実際、近くに一般人がいる現場では、クリーンは避難誘導が主な仕事となる。


「宮部さん。この前デカいの数年に1回って言ったじゃないですか。」

「俺も数年しか所属してないけど、デカいのこんなに頻発するの初めてだから!」

「ホントに?」

「ホント!!」

「じゃあ信じます。」

「高木、マジな話、今回の任務は避難誘導がメインになる。ミーティングで避難誘導の理由とか役割とかしっかり聞いて自分なりにどのポジションならできるか考えとけよ。」

「できるポジションですか?」

「例えば、報道陣相手なら詳しい状況説明が求められる。消防のレスキュー隊に助言するなら、エニグマの近くで様子をみながら動揺しないで説明できないといけない。俺たちはエニグマの存在を隠さなきゃいけないからな。」

「俺にできそうなポジションってありそうですか?」

「高木なら、報道でもレスキューでもない本当の一般の野次馬の対応かな。報道みたいに専門家に意見を求めることもできないし、巻き込まれる危険があるって言えば大抵はおとなしく言うこと聞いてくれるからな。」

「しっかりミーティング聞きますが、野次馬対策が自分でできるかシミュレートしてみます。」

「イメージできたら自信もってやれば大丈夫だから。」

「はい。」


高木の顔色がよくなってきたその時、バンッと扉が開く大きな音がした。

古賀と俺の同期で幼馴染の火属性ヒーロー三条、透過光属性のヒーロー三上、同じく透過影属性のヒーロー法月の4人が部屋に入ってきた。


「時は一刻を争う。今すぐミーティングを始めよう。」

古賀がそう言いながらテレビを見た。


「今回はここからの到着時刻のことも考えて透過は光と影両方ついてもらう。土砂の水分を飛ばして足場を作るために火属性の三条にサブに入ってもらう。クリーンは主に避難誘導を頼む。他支部からクリーンの応援が数名現場に直接来ることになってるから、そこらへんは村越に一任する。俺と三条は現場到着次第、戦闘に入るので同時進行で色々してもらうが、よろしく頼む。以上解散。」

「「「はい」」」


よほどの緊急事態でない限りこんなミーティングはまずありえない。


「53班は荷物積み次第出発。車内でミーティングを行う。」

「「「はい」」」


俺たちクリーンはヒーロー達に遅れまいと急いで荷物を車に詰めて出発した。


走行中の車内では2台の車にそれぞれ乗った班長と副班長の電話をスピーカーにしてミーティングが行われた。

「今回俺たちは、そのままの名前『特殊災害対策部』として現地に赴く。今回は誰も透視を掛けずに避難誘導を行ってもらう。野次馬対処班リーダー片岡、以下成岡、佐々木、高木。報道対処班リーダー阿部、以下柚木、七尾、日下部。レスキュー班リーダー村越、以下西城、立石、宮部。この3班で各々動いてもらう。この後移動中にグループチャットか車内で班ごとミーティングしてくれ。」


「あと、言い忘れていたけど、他支部から応援が来る。1支部から3人だけだけどな。何か、知り合いがいるとか言ってたな。たしか……」


「……ツッキー?」

「そうそう!『ツッキーが困ってるんなら』とか言ってたらしいけど、宮部よくわかったな。」

「……たぶん、もの凄く認めたくないけど、俺の知り合いです。」

「ツッキーって宮部のことか!」


ツッキー。俺のことをそう呼ぶのは世界でたぶん1人だけだ。

クリーン研修で一緒になった、うるさい系こってり関西人の田中だけだ。


応援に来てくれることや、久しぶりに会えるのは嬉しいけど、この呼び方を上司にしてくれたことは許容できない。しばらく無視してやろうか……

いや、仕事に差し支える。話しかけても今後の仕事に差し支えそうだけど……。


「班長、ミーティングしましょう。」


田中のおかげで無駄な緊張は無くなったが、新たな頭痛の種ができた気がした。

これから待ち受ける巨大エニグマに向けて気合を入れなおした。


巨大エニグマの目は、次の瞬間、やってくる自動車へと向いた。



次回は 4月 8日 (水) 21時更新です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

田中再登場!スーパー動かしやすい良いヤツです。

次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ