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Starting Over in邪馬台国 ~卑弥呼システム~  作者: 暇人と黒猫


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第47話 暁の出撃

日神暦190年1月14日。

「ほう!これは壮観ですなあ」

マナ号とユカ号を前にムサシは感嘆する。


まだ夜明け前のアリアケ港。対馬攻略作戦のために集まった海軍1000人と僕と護衛。今回はムサシを借りてきた。代わりの留守番は騎兵隊だ。

向こうも虎の子の騎兵を出してきたのだからきっちりお返しに最強の戦艦と最強の剣豪を出してやろう。


今回僕の護衛は3人。いつもナナコだけ連れていると何だかもう権力者と謎女みたいなので嫌だったから今回は男を補充した。


で、一人がマナの近衛兵からムサシを借りた。隊長を勝手に連れてくる自分の神経を疑う。まあマナは多分気付かない。正月明けからずっと祈祷所暮らしだ。噂ではモミジちゃんが屋敷の風呂に行く姿を4日前に見たらしい。


で、新加入したのがその名もずばり「マモル」君。護衛のために生まれたような名前だ。きっとどこかの県警のマスコットが宿ってそうだ。もちろん特命課。御庭番衆の一人だ。

ナナコ曰く「若いが腕は立つ」らしい。ただ「私には及ばずながらも」が頭についた。

ナナコにはたまに鍛錬相手をしてもらうが、実際本気出したらどれくらい強いんだろう。ウチは歳も性別も関係なしに実力主義だが、考えたらこの人相国担当課長で、特命課課長だもんな。

ムサシよりも強かったりして。


ただこのマモル君。無口だ。寡黙過ぎる。本当にSPって感じだ。いつも真顔で背筋を伸ばして立っている。若いのに。上司のナナコがいるからかな?


海軍の総勢を前に激励をし、僕達は戦艦マナ号に乗り込む。先に乗艦した艦長「キホのコウサク」海軍大佐以下乗務員が敬礼で出迎える。

ちなみに陸軍は抱拳だが、海軍は敬礼。

ただの僕のこだわり。あまりマナのことは言えないな、僕も。


コウサク艦長。課長から出世してきたのかな?「大佐、キホ コウサク」的な。

ただユカ号のセイイチ艦長がかなり優秀だった。コウサク艦長も期待できるんじゃないかなと予感がある。

コウサク。やはり知らないだけで有名な船乗りの名前かもね。

セイイチとコウサク。わりと新しい時代の名前だが。誰かいたっけ?明治大正昭和?その辺の歴史人物は詳しくないから解らないな。まあショウタ中佐みたいに普通にただ優秀な人もいるか。


艦長に案内され、艦橋に入る。舵も艦橋内に収めているのが僕のこだわりだ。あまりマナのことは...以下略。

艦橋と言ってもそんなに高所ではない。艦のバランスがあるからだ。見張り台はちゃんと別にマストにある。何とちゃんとパイプを繋げている。パイプに向かって叫べば艦内のアチコチに声が通る。


「戦艦クイーンマナ、出航!」艦長が叫ぶ。

….そうなのだ。実は正式名称は結局「クイーンマナ号」だ。締まらないなあ。


「出航!」「出航!」艦内艦上アチコチで皆が叫ぶ声がする。

帆が降ろされ、錨が上がる。

桟橋に並ぶ留守番の海兵達が帽子を振る。手の空いている乗務員や海兵達が甲板に並び敬礼を返す。

いいな。いいな海軍。ロマンだ。

守るも攻むるも鋼鐡だ。いや、鉄鋼船じゃないけども。

まあでも「仇なす國を攻め」ますか。



勇ましく出航したが、海上に出れば意外とグダグダだった。

まずナナコがダウンした。船酔い。ついに完璧超人ナナコに弱点が発覚だ。

マモル君、笑ってやれよ。もちろん笑わない。


海上は素人目には穏やかな感じだが、そりゃそれでも揺れる揺れる。大戦艦と言っても所詮は基本が木造の帆船だ。


ムサシは上半身裸になって、甲板で刀を振り回している。何でも「安定しないこの足場で如何に斬れば良いか」を色々試したいらしい。

お前が生きている間に船上で斬りあうような戦いが起こるといいな。


マモルは上司がくたばっている部屋の前を真顔で守っている。何でも僕に見られたくないようで、僕が入ってこないように見張らされているらしい。

お前ら、僕の護衛だよな?


船内を見て回りたいが二層目が海兵だらけで止めた。この船だけで海兵150人が乗っている。すし詰めまではいかないが、わりと鬱陶しい。

仕方ないので海を眺めたり、乗務員達が帆を調整したりするのを眺めたり。

ナナコがいないと話し相手がいないな。

まあそんなに長い航海じゃないし。


日が昇る前に出航して、対馬に到着予定が明日の昼間。全速を出せばもう少し早くも行けるが、無理に急ぐ作戦でもない。1kmほど後方をユカ号がついてきている。

アッチには海兵300人だ。でもこちらより断然広いし、畑があるから食事も豊富だ。

対馬程度なら良いが中国に行くことになったら断然アッチに乗ろう。


ナナコは中国に行きたそうだが、10日近くは船だよって言ったらどうなるんだろうな。意地でも行くかな?


中国。行くことになるだろう。ユカ卑弥呼は随分と晩年に行ったみたいだけど、やはり船の問題が大きかったのだろうか?

意外と記録に残ってないだけで行ってはいただろうな。ただ皇帝に謁見したのが晩年か。

僕らにはこの船があるからユカよりも頻繁に、密接に関わるかもしれない。

多分アッチは群雄割拠だ。

あるいはユカはそれを避けたのかもな。

変に巻き込まれたら堪らない。

ユカは歴史を知っていただろうからその可能性は高いな。








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