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Starting Over in邪馬台国 ~卑弥呼システム~  作者: 暇人と黒猫


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第45話 宣戦布告。トキ国の秘密兵器

トキ国はヤマタイ国に宣戦布告をした。

日神暦190年1月7日。


トキ国の宣言の内容。

ヤマト国、今はヤマタイ国と自称する国に君臨する日巫女。かの者は最早日神様の御使いではない。その証拠は以下である。


①再び争乱となったが日食が起きない。

②争いを収める処か自らもクマソに軍事侵攻している。

③ヤマタイ国に改名した時に日神様より巣立つ準備と言ったが、これこそが実は日巫女が日神様より見捨てられたことの誤魔化しである。

④今の日巫女は私利私欲のために日神様の名を利用している只人に過ぎない。


我らトキ国は日巫女のやりように心を傷められた日神様を慰め、再びその加護を人々に与えんと欲す。神への反逆人日巫女の首を日神様に捧げ祈らんとする。


何が怖いって①~④が大体合ってることだな。


クマソ方面軍からは最新の報告では順調に侵攻中。騎兵隊から人を出して行ったり来たりさせている。ご苦労様だ。

クマソ軍は小さな抵抗をしながら本拠地と思われる未来の川内平野辺りに集結しているようだ。行く先々に荒廃した集落が点在しているらしい。なりふり構わずに徴兵と徴収をしたのだろう。まあ国家存亡の秋だから仕方ないか。

鬼島津はいなかったな。よかった。

生き残っている集落の人達は極力保護するようには伝える。一応もう占領下だ。ただね、国に徴兵されたと言え、ヤマタイ国は旦那や子どもの仇だ。難しい。ウチにケンシン達がいるように、クマソにもそういう子らがいる。

ゲームみたいに攻め込んで、色が変わって、ハイあなたの領土では収まらないものが現実にはあるのだ。


翌1月8日。

早速トキ国が攻めてきた。間髪入れない。

ただクマソ軍と違い大兵力は来ない。賢いのだ。クマソの結果も知っているだろうしね。

300程度の兵がアチコチから侵攻してきた。多面作戦。確かに総兵力が少ないウチには一番嫌らしいやり方だ。


もちろん各個撃破だ。300程度、50も回せば対応できる。装備と兵の質が違う。

しかしそれを測るような用兵だな。穴を探しているのか?


「報告します!」

斥候に出したコウタとユカリが本陣に飛び込んでくる。本陣は御殿場の北3kmくらいにある。第三兵舎を使っている。


「西側、一部防衛線を突破されました」


なに?

どこだ?眼下の地図に目をやる。

「どこだ?敵兵力は?」

質問に答えずにユカリが叫ぶ。


「馬です!敵に騎兵がいます!」


場がざわつく。

隠し持っていたか。やるじゃないか。


「落ち着け。場所と数を言え」


「は、はい。申しわけありません」

コウタが立ち上がり地図を指す。鳥栖辺り。真東に来たか。

「敵の小隊が二か所から侵攻してきて、その間をかなりの速度で抜けたようです。数はおよそ50騎」


50騎。隠し球だがおそらく向こうからしても出せるだけ出しただろう。

多方面の小隊で防衛線を横に伸ばして、薄くなった場所から速度を活かして一気に中央を叩く。機動力で中央を駆け回ればかなりの被害を与えるし、歩兵は対応できずに振り回される。

上手く行けばその50騎で日巫女の首を取れる策だ。


壱岐対馬のようにこちらの間者が潜り込めない島で1匹1匹半島から運んだんだな。しかし50騎はほぼ全騎兵だろう。


鳥栖から全力で走ってきたコウタとユカリが今ここにいる。相手も騎馬。もう来るぞ。


「ケンシン!最速で全騎兵出るぞ」

陣中なのですでに装備は整っている。

すでに被害も出てるだろうが、敵50騎は間違いなく敵の放った必殺の一撃。無駄な破壊や交戦はしない。一目散に駆けてきているはず。

「ヒロミはどうした?」

斥候は3人出した。

「離れて敵に併走してます」

無茶するなよ?


「相国様!」ケンシンが叫ぶ。出撃準備完了だ。僕も馬に乗るが...。


「時がない!我は置いていけ。貴様らは全速だ!第一指揮権ケンシン、第二ヤタロウ、第三ケイジ。相手も騎兵、数では不利。厳しい戦いだがこの一戦が間違いなく国家存亡の一番だ!行け!」


「はっ。行くぞ!全騎全速力、先我、右ヤタ左ケイジ。錐行だ!」


頼むぞ。今度ばかりは無傷では済まないだろうが...。装備は上だ。一騎当千のヤタロウとケイジもいる。


しかし、やってくれるじゃないか本当に。ケンシン達がいなかったら敗北している。

技術力に差があることは向こうも掴んでただろう。

だから騎馬を隠し続けていた。トヨマ戦でも使わなかった。

一気に駆け抜けて御殿場を落とす。技術力も新兵器もクソもない。

やはり敵は相当キレる。

しかし、貿易港と貿易品を抑えていたから油断したな?

ウチにはユカ号と大量の偽造通貨がたんまりあるんだ。

ウチの騎兵隊は強いぞ?


さあ、見せてもらおうか?トキ国の騎兵隊の実力とやらを...。


僕とナナコも後を追う。

1頭の騎馬がその後を追ってきた。


「戦場に護衛が一人は如何なものかと」

近衛兵隊長の「ムサシ」。


「馬に乗れるのか?」

並走してきたムサシに問う。ムサシが笑う。

「実は1頭拝借致しましてな!時折乗っており申す。このように追いつきました。閣下よりは上手いかと。おっと、咎めは受けませぬぞ?この後の手柄で相殺頼み申す」


「今は心強い。許す」


敵の侵攻速度とケンシン達の速度、間もなくぶつかるはずだ。戦闘中に僕らが着くはず。そこにムサシを放り込む。いや...。


「ムサシ!行け!我は良い!ナナコが傍にある限り我は死なん。貴殿はケンシン達を頼む!」

そうだ。領内侵入はその50騎。他はいない。護衛など不要。


「ハッハッハ!閣下!それ、期待してました!」

ムサシがはっ!っと手綱を叩き駆け出す。





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