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Starting Over in邪馬台国 ~卑弥呼システム~  作者: 暇人と黒猫


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第44話 年の瀬休暇。漢字の普及

「お疲れ様でした」

祈祷所でマナが新作の山羊ミルククッキーとお茶を出してくれた。本人はタンポポコーヒーを飲んでいる。


年の瀬だ。


「まだまだ続くけどね。むしろここからが本番だよ」


年末年始をとりあえず国元で過ごせるのはありがたい。まだ馬に慣れないから尻も痛いし。少しはゆっくりしたかった。


「ケンシンちゃん、可愛かったです!言ってもわりとゴツくてキツい感じかなって思ってましたけど、もうホント普通に可愛い女の子じゃないですか。アレで刀振り回して敵兵をバッタバッタなんでしょ?どうなっているんだ?弥生時代ですよ」


「ナナコに続くナチュラルチートキャラの2人目だな、アイツは」


帰国後、ケンシンはマナ日巫女様に謁見した。あのケンシンもさすがにガチガチに緊張していたな。たぶんアイツ「恐悦至極」しか喋ってない。


「なんかトウリ君の周りばかりチートな美女が集まりますね?やっぱアレか?転生男子はハーレム作っちゃう仕様なんだ」


馬鹿を言うな。そもそも僕は転生「男子」じゃない。


「ナナコは君が付けたんだろ?」


「でもあの人今じゃトウリ君にベッタリじゃないですか?」


「秘書兼護衛だからね」

歳だって10近く離れてそうだし、偉くなったけど世話が焼ける弟みたいな感じだ。


「仕事のできるキャリアウーマンなお姉さんと美少女戦士。で?トウリ君はどっちがタイプなんです?」


「そういう冗談止めて。次会うとき気まずいから」

てか、ナナコは名前こそ妻だが、思えばキャラ的にはウチの娘にイメージ近いな。


「第二師団と第六師団は大丈夫ですかね?苦戦してなかったら良いけど」


「油断禁物だけど、クマソも勝つ気満々の短期決戦で大軍出して壊滅だからね。国内はガタガタなはずだよ。二人の師団長も優秀だし」

天下人二人のタッグだからな。実際あの二人ならそうそう下手は打たないだろう。


「カズマサ君とショウタ君ですよね?徳川家康と豊臣秀吉みたいな感じだって」


「もちろん実物は知らないから物語や後世のイメージ的には、だけどね」

茶が美味い。クッキーも美味い。


「上杉謙信、武田信玄、豊臣秀吉、徳川家康...か...」

マナが考えている。小首をかしげて天井の方を見上げる。

マナがロクでもないことを考えている時のクセだ。


「ねえトウリ君。そろそろ漢字を本格的に導入しましょうよ」

あら?意外とまともな提案だった。


「確かに悪くないね。御殿場じゃ簡単な常用漢字くらい普通に使いこなせる人もだいぶ増えてきたしね。正直報告も書類も全部平仮名片仮名だから読み辛いんだ。戦争なんてやっていると痛感するね、ホント」


まあそもそも何で漢字より先に平仮名片仮名があるんだ?って話だし。まあどっちにしろ戦後だな。


「でしょ。で、名前も漢字を使うようにしていきましょ。片仮名だけで考えるの限界だし。名前箱の中、漢字にしましょ」


それは大賛成。タカシだけで孝、隆、崇、隆史...一気に何倍も増える。もちろん戦争に勝ってからだけど、九州全土が国になったら人口何人だ?もう名前箱の中すでに限界になっている。


「で、今片仮名だけの名前の人らはどうするのさ?」


「選ばせたら良いんですよ!どうせ漢字名考えるんだからまた書き出していくでしょ?あ行から順に思いつくやつ。それを名前別に分けさせて、各役所で名前別漢字表記一覧を置いといてですね、例えばマナだったら、愛菜、真奈、茉奈ってどれか好きなの選べって」


「うわあ、選ぶの時間かけるやつ出てくるでしょ?」


「じゃあ名前に数字を振って、くじ引きで。マナの12番、はい茉奈ね、みたいに。例えば12個もない名前だったら、また頭に戻って数えれば良いし。マナが10個なら12番は2番です」


「なるほど」

こういう時はホントに頭の回転速いな。


「で、いよいよ名前箱もパンパンじゃないですか?だから神社のおみくじ式にするんです。こう、ジャラジャラって振ったら『イの十八』みたいに書いてる棒が出てきて、でイの十八の引き出しの一番上の名前で決定みたいな。引き出しを男女別にしたらもうケンシンちゃんみたいなミスはなくなるし」


「悪くない」

なるほど。よく考えたな。


「で、合わせて苗字も漢字にします。トウリ君はナサですよね?だったら名差みたいに。まあ当てる字はまた考えるとして。で、地名も漢字にしちゃいます。クマモトってなんだよ?熊本だろっておもいません?」

クマモトって付けたのオマエだよ。


「良いかも知れないね。うん。まあでも戦争に勝ってからだね。どっちみち勝てばまた国が大きくなるから、色々改革しなきゃだし、その一貫だな」


「私は戦争じゃ役立たずなんで名前考えておきます!戦後はトウリ君大変だろうし」


「助かるよ。無駄にならないように戦ってくるさ」

マナがニターと笑う。


「その時にすぐに漢字名が馴染めるように先行して漢字名の人を作りましょう。この戦争で活躍した人にご褒美で特別な姓と名前を授けるんです。例えばケンシンちゃんには『上杉謙信』。カズマサ君には『徳川家康』とかね」


あ、やっぱロクでもないやつだった。


「あ、史実が~とか、歴史上の~とかはナシですよ!」


「細かいことは気にするな。どうせ後世には残らない可能性大なんだし...すね」


「です!むしろ私たちが知っている歴史は全部ひっくり返しちゃいましょう。卑弥呼システム混乱させまくって煙出すくらい」


もう煙出てるんじゃないの?


「あ、私歴史上の人物とかよく知らないんで。その辺はよろしく~」


クッキーうま、茶うま。







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