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Starting Over in邪馬台国 ~卑弥呼システム~  作者: 暇人と黒猫


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第20話 五カ年計画

「それで、貨幣作るとして、どうやって広めていくんです?」


「うん。まず各出張所かその隣にでもお店を作るんだ。国営の店。で、貢ぎ物を出張所で買い取る形にする。五銖銭でね。そのお金で買い物をさせるんだ。品物は御殿場で作った集落で使える農具や狩りの道具。もちろん集落でも個人個人が自作しているけど、手間がかかるし、何より物が良い。中には国が支給したものや物々交換、先の戦争の戦利品として持って帰った刃先だけ鉄の鍬や鉄の矢じりの矢なんか持っている人もいるけど少数だし、消耗品だ。服とか、装飾品もいいね。高級品で鏡も良い。貢ぎ物の量で買い取り価格を決め、それなりの値段でそれらを売る。当初は買い物をできる人間を長と補欠用員2人くらいに限定するんだ。金を独り占めしようとか盗んでやろうって人が出ないように。頑張って貢ぎ物を多く出した人のご褒美に買い物しても良し、皆に行き渡るように順番に買い物しても良し。貢ぎ物も増えるだろうから国の蔵は潤うし、貨幣も循環する。そのうち人を雇用して店を増やしていけば良いし、それに合わせて買い物の権利と貨幣で職人を募集して、商品を作る側の職業ができる。兵士も募集してもいいね。買い物できる人間は集落の代表3人程度と職人と公務員。あと職業軍人だけ。店は全部国営。貧富差はだいぶ抑えられる」


「凄い!よく考えましたね。トウリ君頼りになりまくりですよ!国営のお店だったら価格も統一できるし、競争ないからアッチは大儲けコッチは倒産とか悪徳社長とかないわけですね」


「うん。あと大きいのは『士農工商』が成立することだ。もちろん身分制度じゃなくて、あくまで平等な立場で職種ができる。まあヤマトの場合は極論『農公(士工商)』だね。商人と職人と軍人は公務員だ。今までどおりに田畑をして狩りをする人達も必要だから採用枠を設ける。職業軍人が増えればよほどの大戦じゃない限りは徴兵しなくて良いから生産力も落ちない。常に訓練しているから半農兵より強い。普段は警察として各地の治安を守らせられる。専門職人が増えれば技術力が高くなる。新たな発明や既存品の改良が期待できる。日巫女軍団の負担も軽くなる」


「お~。なんか遂に国づくり始まったぞって感じですね!」

いや、アンタは14年も放置し過ぎ。


「急な変化にならないように君のとこのエリート軍団の代表達とも話をして計画を詰めていこう。そうだね、とりあえず3年目標で安定させよう。そしてそのあとは国家の統一。八つのクニをちゃんとひとつの国家にして、統一ヤマト大国を建国する。そして全土の文化レベルを同じようにするんだ。それまでがプラス2年。ヤマト5か年計画で行こう」


5年。年明け近くと考えて西暦..日神暦185年スタート。190年までの目標。

中国では反董卓連合が結成される。

董卓が死んだら群雄割拠が本格的に始まる。それまでにある程度の交易はしておきたいな。


船が上手く完成できたら朝鮮半島経由じゃなくても大陸に行ける。

最初に当たるのは190年なら東海の孔融か徐州の陶謙か...。

あまり遅くなると曹操に当たる可能性大だから、何となくそれは避けたい。


と、夢を世界に拡げるのもいいが、正直怖いのは国内だ。

南のクマソ、北の謎国家。コイツらがどう動くのか?

繁栄していくヤマトを静観してくれるのか?


どこかでこの二国も調べたい。スパイ養成も真面目に視野に入れておこう。


「ところでトウリ君。あなたのことなんですけど」

一生懸命にメモをとっていたマナだったが、終えたのか筆を置いて僕を見た。


「僕?」


「はい。どうしようかなって。立場的に。今の段階では日神様から神託があり呼び出した少年なんですよね。で、これからも側近中の側近。ナンバー2としての役割をお願いしたいんですけど、あ、拒否権なしで。で、日神様の使者の証の勾玉を手に生まれた私はGod Childじゃないですか?」

知ってる世代か?あの人もなかなかぶっ飛んでたから感性近いのかな?


「適当でいいんじゃない?確かユカ版魏志倭人伝には『弟が補佐していた』みたいなこと書いてたけど。考えたら絶対転生させた男は年上になるはずだけど、なんで弟なんだろ?」


「う~ん、アレですかね?兄だとちょっと『上』感あるじゃないですか。だから?」


「まああるいは登場が10歳になっちゃうから、後から登場していきなり兄貴ですってのもね」


「これまた魏志倭人伝テキトー説」


「有り得るね」


「弟か...。私の弟ってのも何かヤだなあ...。日神様の弟?」


「神様じゃん、ソレ。もし日神様が天照大御神なら月読尊本人じゃないすか」


「え?天照大御神って本当に弟がいたんですか?」


「神話ではね。月を読むってかいて月読。姉ちゃんは天を照らして、弟は月を読んでる。ちなみにもうひとり下に弟がいたりするけど、この人?神は特に太陽も月も完全スルーな須佐之男命」


「へぇ...。よし、じゃあトウリ君。君は月神様の使いにしよう!ちょうど良いじゃないですか?私が表立って統治する『太陽』で、その裏で暗躍する『月』って」


「僕、暗躍するの?」


「日神様の神託により、我らは大きく飛躍せねばならぬ時がきたことを知った。日神様降臨より185年。我ら人の子は日神様の名の下、巣立つ準備をせよと。そのためのお力添えとして、日神様は弟神で御座される月神様の使いを昨年の暮れに世に放たれた。その器こそがこのトウリである」

突然始まるマナの演説。

我々人類は長きに渡り日神様のご加護というゆりかごに戯れてきた...ちょっと似てるけど、知らない世代だよな。


「急になに?」


「今のどうです?そんな感じで行きましょう。やったね!これでトウリ君もこちら側の存在です」


「I'm a God Child?」


「ですです。あとは役職?何にしましょう?男の子だから巫女じゃオカシイですもんね...月巫女。もう『総理大臣』とかにしときます?」


「絶対嫌だ」

総理大臣って...。


「えー。いいじゃないですか、総理大臣」


「何か響きが悪い人に感じる」


「偏見ですよ。きっと良い総理大臣もいたかもです。よし、もう...」


「待て!総理、総理って呼ばれるわけじゃない?トウリソウリって語呂悪いじゃないすか」総理大臣は回避したい。こんなもののために生まれたんじゃない。


「そっか...。この時代だと総理大臣って何て言うんです?」


「日本にはいないね、この時代。中国だったら...丞相?宰相?相国?」


「よし!じゃあ相国!決定!」


1番嫌なの選びやがった。同時代で董卓と同じ役職...。選択肢に出すんじゃなかった...。



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