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Starting Over in邪馬台国 ~卑弥呼システム~  作者: 暇人と黒猫


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第19話 ならず者国家の貨幣

「本当は貨幣経済も起こしたいんだよね」貨幣は物の価値を安定化させる。物流を豊かにする。中国では長く五銖銭が使われた。後漢末期、もちろん今も五銖銭が使われているはずだ。


「お金ですか...。なんか貧富差できちゃいそうで嫌なんですよね」マナは否定的だ。


「わかるよ。個人的には物々交換の方が平和的で長閑な感じはあるね。稲作が始まって貧富差が生まれたとは言うけど、基本的にそれは集団対集団での話だし。限界があるけど、国がある程度コントロールするしかないね。社会主義過ぎず資本主義過ぎずでやっていくしかない。お金があれば大きな物も手ぶらで手に入れられるようになるし、まあ今後の課題だね。どれだけの量を流通させるか?お金の価値を決めないとだし、材料は青銅で良いだろうけど。需要が鉄になっているからわりと余ってるでしょ。最終的に中国の五銖銭と両替できるくらいの信用力欲しいなあ。ま、さすがにまだまだ先だね。貨幣の信用力は国力だから。うん、まずは国力だね」


マナが何か思い付いたように立ち上がってプライベート部屋の方へ行く。何かを持ってきたようだ。


「五銖銭?これでしょ、中国のお金」


「いや、本物を見たことないけど、どうしたのこれ?」


「ほら、中国から来日した人達がいるじゃないですか?いくつかくれたんですよ。コッチじゃ使わないし、まあ価値はわからないけど小銭感覚?で」


「国力で価値は変わるからね、特に五銖銭は何百年と使われた貨幣だから」


「中国のお金って他にはないんですか?」


「う~ん、さすがに詳しくは知らないよ。ただ金とか銀をこう、小ぶりの丸餅みたいにして重さでいくらみたいなこともやっているはずだよ」


「なるほどです」マナが何かを考え込む。なんだかロクでもないことを言いだしそうな感じなんだけど。

「コレ、作りません?大量に。で、ウチでも国の通貨に使えば良いんですよ。中国でも買い物に使えるし」


「国家の事業でニセ金を作ると?」

ほら、ロクでもない。


「ニセ金って言ってもちゃんと銅で造るんだし、本物と一緒ですよ!見た感じ簡単じゃないですか、コレ。型を作って銅を流し込んで固めたら良いだけじゃん。全然余裕でしょ」


「いやいや、他所の国のお金を勝手に作るって。量によっちゃあインフレ起こしちゃうし、偽物は偽物だよ。ニセ金作りなんて死罪もんだぞ?」


「かまいませんよ、他所の国のインフレだとかインフルだとか。バレなきゃいいし、バレたとこで私を捕まえにくるんですか?海を渡って。今の私を捕まえようとすればそれもう侵略戦争ですよ?コッチだって黙ってやられませんよ。騒ぎになるまでに中国からバンバン鉄やら馬やら技術やら色々な物を財力に物を言わせて持って帰りましょう。で、こちらもそれでパワーアップします。元寇の二の舞い踏ませてやりますよ」

いや、元寇まだ起きてない。千年先。


「なんか、滅茶苦茶ならず者国家なんですが...」


「だから、細かいこと気にしたら負けですって。そうだ!デッカイ船作りましょうよ。鉄やら馬やら色々大量に輸送できる船。今の船って『よくこれで海に出ようと思ったね』ってくらい小さいし、安全性皆無なんですよ」

なんか無茶苦茶言ってるな、この子。

でも、無茶苦茶だけどでも、そんなに悪い策ではない気がする。


「船。確かに今の時代の船よりはだいぶマシなものは作れるかも。キールとリブの概念が僕らにはすでにあるもんな...」


「僕らって、『ら』にはないですけどね」


「ガレオン船に近いものは頑張ればいけるんじゃないか?この時代でも...」


「ガリレオ船?ってのはわからないですけど、頑張ることなら任せてください。ウチの頼もしい日巫女軍団が人海戦術で頑張りますよ!」


「大航海時代の船だよ。ガレオン船」


「カリブの海賊みたいなのですか?」


「まあ、そうだね。手漕ぎも併用したら機動力もあるし。うん、良いね!船は早速研究を始めよう。造船計画だ」


「クイーンヒミコ号計画ですね!」

なんだ、そのクイーンエリザベス号のバッタもんみたいな船は。


「最低でも最初に2隻は欲しいね。輸送にも軍用にもかなり強力なオーバーテクノロジーだ」


「お~。姉妹船クイーンマナ号とクイーンユカ号」

ツッコまないぞ。

「豪華客船戦艦クイーンマナ号」

さて、次。


「造船するなら、いや、元々必要だとは思ってはいたんだけど、重さや長さの統一単位が欲しいね」 


「センチメートルとかキログラムとか?」


「そうそう。ちなみに五銖銭の五銖って重さのことだよ。ニセ金作るなら重さ大事だよ」まあ実際は本物もガバガバだったらしいけど。


「日本だと『匁』とか『寸』だとか、まあ中国由来だけど」


「えー。わかりにくいからもうメートルとグラムで良いですよ」


「正確な1メートルもわからないからねえ」


「だから西暦と日神暦みたいにざっとで良いですよ。トウリ君、130センチくらいですよね?見た感じ。足は20センチくらいか...。ヨシ、トウリ君の足形を二十等分した長さが1センチ。決まり!体重は110引いて20キロ...は細すぎか...25キロにしましょう」


反論したいがどうせ「細かい!」だ。

もういいや。そういう感覚はマナに合わせよう。確かに西暦と同じだ。僕もぶっちゃけわかりやすいし。

なんか悔しいけど、わりと当たってそうだし。

ヤマト国。マナ邪馬台国の統一単位はメートルとグラムだ。みんなカタカタ習うからいいやそれで。近々基本の重りと定規を量産してもらわなきゃ。日巫女軍団達に。





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