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Starting Over in邪馬台国 ~卑弥呼システム~  作者: 暇人と黒猫


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第15話 自己中心的優雅な生活とエリート集団

「でもモンゴル帝国惜しいとこまで行ったじゃないですか?」

駄目だこの子...。なんでそんなに世界征服したいんだよ?

「当時のモンゴルって長閑な遊牧民って感じじゃないですか?ウチらとそんなに変わりませんよ?」


「変わるよ。そもそも馬すらいないのに」

呆れすぎてため息が出る。


「それ!ホントビックリしました。馬がいないんですよ、日本?倭?...ココ。朝鮮半島からちょっと連れて来てたりするんですけどね、アッチからは鉄の輸入が主だから馬までは手が回ってないんですよね。船もボロっちいからあまり運べないし。コッチの輸出品、土器も翡翠も大量生産っていかないからどうしても鉄が優先で。あ、知ってます?長崎の方で翡翠たくさん取れるんですよ」


「なるほど。とりあえず国力を確認しようか。鉄器はある。まあこれはトウリ君も知ってるよ。ちなみに鉄はこのクニって自作できるの?」

日巫...マナでいいか。マナは首を振り否定する。


「朝鮮半島からの輸入ですね。輸入した鉄を溶かして再加工はできます。ただ鉄鉱石?原材料がないし、どこにあるかも知らないから採掘できないです」

弥生土器があるから耐熱性の粘土はあるよね、確かに。簡易的な炉はできてるってことだ。


「詳しくはないけど、鉄鉱石ってそもそも日本ではあまり採れないんじゃなかったっけ?だからたたら製鉄って文化ができたみたいな話だったと思うよ」


「たたら製鉄ってどうやるんです?今の私達でもできそうですか?」


「詳しくないって。ただ砂鉄を集めて溶かすってくらいで。まあ簡単な炉はあるし、ふいごもあるみたいだから、原理はもう揃ってはいるね」


「お!たたら製鉄いけるかも?」


「砂鉄を見つけなきゃだし、砂鉄を集めなきゃだ。その辺のやり方はわからない」


「磁石で...」


「磁石がない」

そもそもどんな巨大磁石だよ?

「Oh…」


「まあでも研究の余地ありで。長い年月かければと期待してね。現状は朝鮮半島頼りだ。使者を出してコッチの人間を送り込むのも良いかもだね。技術実習生だ。まずは朝鮮半島の現状を把握しないと」


「朝鮮半島なら昔から交流あるからわかりますよ。対馬と思われる島には結構半島の人達いますし。他にも博多っぽいとこや糸島や佐賀。海側はわりと半島や大陸の人って来日してるんです」


「言葉は?」


「私達がこの時代に生まれる前から行き来はあるみたいで、アッチの言葉を覚えた人もいるし、コッチの言葉覚えてコッチにいる大陸の人もわりといますよ。あ、ちなみにウチ...この御殿場にも何人かいますよ。通訳してくれたり、コッチの人に言葉教えてくれたりなんで結構優遇してますよ」朗報。


「良いね。光明が差してきたね。...えっと、トイレある?できれば借りたいんだけど」

「ありますよ、あの戸です。あ、オシッコなら座ってして下さいね!飛び散らかしたら死罪ですよ。あと何枚か布置いてるんで使ったあとは便座拭いて、布は便器に捨てて下さい。大きい方だったら拭いた紙も捨てて下さいね。汚したらちゃんと拭いて下さいよ!」


「オシッコっすよ。了解しました日巫女様」

たく、細かいな現代人の女の子は...とトイレの戸の前で立ち止まる。


ん?

んん?


便座?紙?


「?なんです?」


「えっと...とりあえず実物見てからスッキリして色々ツッコむと思う」

僕は戸を開ける。てかドアノブだし...。

開けたらそこには...。まあとりあえず小便しよ。


「トイレ、キレイでしょ?もうこの時代のトイレ無理って思って気合い入れて開発しましたから」

トイレから戻ると笑顔でマナが言う。


「まず、何?あの洋式のトイレ」


「作らせたんです。私、和式無理だから。弥生土器製ですよ。弥生式土器ならぬ弥生式便器」


OK。弥生式便器。


「あの大量の紙は?貴重品でしょ、紙」


「開発しました。もうめちゃくちゃ人員割いて。麻製なんだけど、最初はもう肌触り最悪で。ごはん混ぜたり試行錯誤してトライ&エラーの繰り返しで、まあ頑張ったのは主にここの人達ですけどね」ニコニコ。


「大量の水は?桶に沢山あったけど。そもそも桶ってあったっけ?」


「もちろん作らせましたよ、桶。水は手洗い用とお尻用。ウォシュレットはさすがに無理っぽいけど、水洗いしたいじゃないですか。使ったら便器に流せば良いし」


「運ばせてるの?」


「いえいえ。左端のドアは勝手口で、外に出ると下が井戸になってます。それで汲み上げるんです。さすがにそれくらいはしますよ?私も」

井戸から汲み上げる...だと。

言われた勝手口のドアを開ける。


「釣瓶...。滑車だと...」

まあ思えば水車作ってたけど...。


「もう一つの部屋は寝室兼書斎?かな。完全にプライベートルームです。ホントはお風呂にしたかったけど、ここでお湯沸かすのはちょっと厳しかったんですよね」

マナはそう言って最後の部屋を開ける。4畳半程の部屋に机と椅子、ベッドまで置いてある。

「日神と精神的に繋がる空間ってことにしてるんで、月の半分くらいはここで過ごしてます。アッチの屋敷だとある程度はビシッとしとかなきゃだから疲れるんですよ。まあ皆も私がいない方がリラックスできるだろうし」


「水車も滑車もなぜ広めてないの?」


「うーん、元々個人的に欲しいもの考えて作ってもらったものだし、私は基本的なアイデア出すくらいで、皆がそれを試行錯誤して形にしてくれて、私は完成したものに、もっとこうして、ここはこうしたら?って口出すくらいで。私、基本この御殿場から自由には出られないから、極論を言ってしまえばこの御殿場が世界の全て?みたいな感じで。『これはみんなにも教えよう』って思っても外のみんなは文字読めないし、なんか伝えるの大変そうじゃないですか?だからって御殿場の人達が外に出て作ってまわるのもねえ。こういうの作るの大変なんですから。トイレだって御殿場の中だとここと女子トイレの一部しかまだ設置できてないし。てか、別にこれくらいはそのうちみんな思いついて勝手に作り出すんじゃないですかね?」

この子、「世界征服」とか言いだすわりにはやっていることは自分の生活レベルの向上だけだと?なんか色々ズレてるぞ。


「もしかしてだけど、このクニでこの御殿場内だけがめちゃくちゃ文明レベル高いんじゃ?」


「あ〜、かもですね。まあ私も14年もいましたし、基本的に暇なんであんなこといいな、できたらいいなを色々考えて。女官や衛士や色々...公務員になるのかな?は全部で1500人くらいはいますからね、海外出身の人もいるし。数の力で押し切るみたいな感じで色々作りましたから。あ、そうそう文字の話に戻りますけど、御殿場内の女官は基本全員平仮名とカタカナは読み書きできますよ。さすがに漢字は多過ぎて教えるの面倒くさかったから教えなかったけど。ほら、女官って私の世話役でしょ?文字あった方が絶対便利だから最初に何人かに教えて、あとはみんなにも教えて使えるようにしなさいって。あ、中には中国語や朝鮮語できる人も結構いるんですよ。どの時代にもいるんですね、勉強にハマッちゃう人。文字とか簡単な算数習ったら何でもかんでも勉強するようになっちゃって。最近じゃその子らのおかげで、私のアイデアも想像より遥かに良いものが早く作れたり。いや~、ああいう人達がきっと色々発明して歴史を作るんでしょうねぇ」

漢字より先に平仮名と片仮名がある世界。算数...四則演算だろうな。間違いなく0の概念あるんだろうなあ。なんかもうめちゃくちゃだぞ。


「世界規模でも結構なエリート集団なんじゃないの?ここの人ら...」


「ですかね?まあ基本的に自由にさせてます。なんせ意味不明に人数多いから、私の世話役なんて交代制ですればみんな結構暇なんですよ。娯楽もないし、みんな勉強家になっちゃって。あ!転生物の娯楽の定番リバーシと将棋は流行らせましたよ。将棋なんてみんなもう私より強くて」


滑車に水車、平仮名片仮名娯楽。いや、そういうの諸々をクニ中に広めろよ...。


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