エベル王子(男装王女)にマッサージ
王宮 エベル王女の私室 夜
柔らかな魔導灯の光が、広々とした私室を優しく照らしていた。
大きな天蓋付きのベッドの脇には、香油の甘い匂いが漂う小瓶が並んでいる。
「アロス……少し、肩が凝っているのだ。
今日の訓練が長引いてな……」
エベル王女が、赤いショートヘアを軽くかき上げながら言った。
第一王女でありながら男装を好む彼女は、今も白いシャツと黒のズボンという簡素な服装のまま、ベッドにうつ伏せに横たわっていた。
シャツの背中が少し乱れ、首筋から鎖骨のラインが覗いている。
俺は少し緊張しながら、ベッドの横に座った。
「本当に……俺でいいんですか? 専用のマッサージ師がいるんじゃないかと……」
「ふふ、いるにはいるが……
お主に触れられたいと思ったのだ。
護衛としてだけでなく……もっと近くで、余を感じてほしい」
エベル王女が、肩越しにこちらを振り返ってにっこりと微笑む。
その笑顔は、いつもの凛々しい王子顔ではなく、どこか甘えた少女のものだった。
「……わかりました。では、失礼します」
俺は香油を手に取り、軽く温めてから、エベル王女の肩にそっと両手を置いた。
シャツの上からでも、彼女の肌の滑らかさが伝わってくる。
戦士としても鍛えられた肩は、意外に細く、しかし女性らしい柔らかさを持っていた。
「ん……」
エベル王女が、小さく息を漏らす。
俺は指先に力を込め、肩の凝りをゆっくりとほぐしていく。
親指で肩甲骨の周りを円を描くように押すと、彼女の背中がわずかに震えた。
「ここ……少し固いですね。
毎日剣を振るってるから、負担がかかってるんだと思います」
「うむ……そうかもしれないな……
あっ……そこ、いい……」
声が少し甘くなる。
俺はシャツの襟を少しだけずらし、首筋から肩にかけて直接肌に触れた。
温かく、すべすべとした感触。
指が滑るたび、エベル王女の息遣いがわずかに乱れる。
「アロス……手つきが、優しいな……
戦場ではあれほど鋭い動きをするのに……
こうして触れるときは、まるで大切なものを扱うようだ」
「大切な人ですから……王女としてだけでなく、エベルとして」
俺が素直に答えると、エベル王女の耳が少し赤くなった。
指を少し下げ、背中の中央を両手でゆっくりと撫で下ろす。
シャツの生地越しに、彼女の細い腰のラインが伝わってくる。
腰椎のあたりを軽く圧すと、エベル王女が「んっ……」と小さく声を上げた。
「そこ……気持ちいい……
もっと……強くても、構わんぞ……」
彼女の声が、わずかに艶を帯びてくる。
俺は香油をもう少し手に取り、背中全体に丁寧に塗り広げた。
手のひらで広い面を滑らせるようにマッサージしていくと、
エベル王女の体がベッドに沈み込み、甘い吐息が漏れた。
「はぁ……アロス……
お主の手に……熱が伝わってくるようだ……」
背中から腰へ、ゆっくりと手を移動させる。
ズボンの上から腰のくびれを軽く揉むと、エベル王女の脚がわずかに動いた。
太もものラインが、布地越しに浮かび上がる。
「脚……も、少し凝っているかもしれない。
もしよければ……」
「……うむ。許可する」
エベル王女が、かすれた声で答えた。
俺はベッドの端に移動し、彼女の脚に手を伸ばした。
ズボンの上からふくらはぎを、親指で丁寧に押していく。
鍛えられた筋肉が、しかし女性らしいしなやかさで俺の手に馴染む。
膝の裏側を軽く刺激すると、エベル王女が「ふっ……」と息を詰めた。
「アロス……そこは……少し、敏感だ……」
「す、すみません……力を抜きます」
「いや……そのままでいい……
お主に触れられていると思うと……なんだか、身体が熱くなる……」
部屋の空気が、徐々に甘く重くなっていく。
俺はできるだけ冷静を保とうとしながらも、
彼女の反応一つ一つに胸がざわついた。
エベル王女が、ゆっくりと上半身を起こした。
シャツの前が少しはだけ、鎖骨と胸の膨らみの始まりがチラリと見える。
赤い髪が乱れて、艶やかな頰に張り付いている。
「アロス……
今日はここまでで十分だ。
だが……また、頼むぞ?」
彼女はそう言いながら、俺の手をそっと握った。
指先が絡み合う感触が、妙に熱い。
「はい……いつでも」
俺が答えると、エベル王女は満足そうに微笑んだ。
「ふふ……余の護衛は、本当に優秀だな。
戦場でも……こうして私室でも……
お主は余を、しっかりと守ってくれている」
魔導灯の光の中で、
二人の影が、静かに重なり合っていた。




