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第二話 前日
「明日、アイス食べに行こうよ。」
彩海がスマホの画面を見ながら言った。私はキャンパスノートを閉じながら、ため息混じりに答える。
「いいよ。」
「え、いいの?」
そっちが誘ってきたというのに、さっきまで見ていたスマホをテーブルに置いて酷く驚いてる。
「甘いの苦手じゃないの?」
「別に。」
またため息混じりに答えた。
彩海は高校から同じクラスで、大学に入っても同じ専攻学部だった。特段仲良しという訳ではなく、たまたまそこに居たから話しかけられた。話しているうちに気に入られたようだった。私としては、友達とかどうでもよかった。人付き合いが苦手なのではない。興味がない、ただそれだけだった。その雰囲気が伝わるのか、自然と周りに人がいなくなった。独りでも寂しくはないし、むしろ有意義な学生生活を送っていた。だが、彩海は違った。
「帰りに駅前のゲーセン寄らない?」
なぜ私と一緒に行きたいのか、分からなかった。けれど断って文句を言われるのも面倒なので行くことにした。帰宅部の私たちは、帰りに駅前のゲーセンに寄ることが日課になった。
甘い物が苦手というのは嘘ではない。ならば何故、明日アイスを食べに行く約束をしてしまったのか。私も変わったのかもしれない。




