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闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
封印の崩壊
265/265

村での最後の仕事

早く主人公出したい……(主人公は一応紅諒です)

 第263話  村での最後の仕事 

 すべてが奪われた――。


 燃えていく村。

 流れた血。


 全部。全部。救えなかった。


「行かなきゃ……」

 しないといけない事がある。

「向かわないと……」

 行わないといけない事がある。


 ずる ずるずる

 引き摺る様に体を動かして、いつもなら軽く感じる翼がやけに重いと思いつつ、動き出す。


 村の生き残りが居る。

 そうに決まっている。


 全滅なんて事はない――。


「修留君……」

 いつの間にか目の前にあの逃げ出した人神二人が居るがどうでもいい。

 それよりもしないといけない事がある。


「修留……」

「――邪魔をするな」

 視線一つでどかす。


 進む。

 進む。


(どこに行った?)

 生きているはずだ。


 逃げてくれればいい。逃がした者も多いはずだ。


 ――ただ逃げてくれたのならいい。


 行く方向は侵入者――村を襲った者達が来た方向。逃げた者達が行く方向とは真逆な方向。


「修留君!!」

 慌てて止めようとする手。

 動きを封じる様なその手の動きに苛立つ。

「――邪魔。するな!!」

 その手を振り払う。


「キャッ!!」

 小さく悲鳴が聞こえたが、気にしない。それよりもする事がある。


「――村の復讐か」

 目の前に邪魔者が立ち塞がる。


「――邪魔だ」

 どけ。

 睨む。

「どかない。――村に復讐するつもりか」

 問いかけてくるが、答える気が無い。

「邪魔」

「答えるまで……どかない!!」

「面倒だな」

 説明する気などない。こいつらは余所者だ。

「相手をする必要なんてないだろう」

 興味ない。お前など相手する必要性を感じない。


 一瞥だけ与え、振り払う。


 早く。

 心は重い。

 だけど、急かす。


 行きたくない。

 心が叫ぶ。

 それを振り払う。


 ――感じる。


 翼人を殺して、わずかな蓄えを盗んでいった者達。

 翼人を悪だと断罪して平穏が戻ったと安堵している者達。


 すべてを行ってから罪悪感に今更ながら囚われた者達。


 そいつらは戻っていく。

 自分達の帰る場所に普通に、家族に悪は滅んだと告げて帰るのだろう。


「………」

 それらを感じて、動き出す。


 その集団の後ろ――。

 

 泣き声がする。

 聞こえないはずの距離なのに耳に届く。


 幼い……幼過ぎて善悪の区別がついてない翼人の子どもたちが足枷を付けられて付いて来ている。

 力を封じられた見目麗しい子供達を連れているのは翼人を滅ぼしたいものとは別の思惑がある者達。


 翼人の子どもを売り飛ばして金に換えようとする者達。

 もしかしたら……翼人を人買いに売りたくてこの騒動を起こした元凶かも知れない――。


 翼を広げ、鈍重になる身体に命令してそちらに向かう。


「ホント。綺麗な餓鬼どもだよな」

「なあ…ほんとにこいつら売れるのかよ」

 風に乗って、聞こえないはずの距離の声が耳に届きだした。……たぶん両親のどちらかが魔人なのだろう。同じ翼人でも親の種族で多少能力に誤差が生まれていたから。

「売れる。売れるって、翼人の餓鬼なんて、その手のコレクターにも人気だし。洗脳して兵器にも使えるって人気だぜ」

「洗脳って……」

「はぁ⁉ これに同情でもしてんのかよ。考えてみろよ。混血と言うだけで、同じ腹から生まれたのに奇妙な外見で親のどちらにも似てないんだぞ。そんなの他人様の腹を借りて生まれた化け物だろう」

 それを有効活用してやろうっていうんだ。親切にもほどがあるだろう。


 その言葉ははっきり聞こえた。

 その言葉に怒りを覚える。だけど、


 ばっ

「なっ……⁉」

 上がる悲鳴。血の臭い。

「間に合わなかった……」

 いや、間に合うつもりが無かったかもしれない。


 子供達の悲鳴が響くその場所にやっと辿り着き、

「――止めろ!!」

 声を放つ。


「………」

 そこには、闇色に翼を染めた村の生き残りが無差別に殺戮をしている姿があった。


まだ欝な話は続きます。

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