22頁:Sadism?
始まり始まり~
どんどんぱふぱふ~♪
ではどうぞ
「つかれた。」
暇に疲れたのですよ。打っ倒れて寝ちゃったりしたり。変な夢見るわで…
「は?何言ってんですか?」
「もう、やだ。」
変にそんな言葉が口から出た。思ってもいないと言うのに。
「何がですか?」
律儀に問いかけている彼を横目に、僕は立ち上がり真っ直ぐに出口へと足を向ける。
「出かける。」
「さっき倒れて起きたばかりなのに!?」
何だか変な気分です。
このロデンからもらった仕事服を着ているせいなのかは不明だが。
…まあ、丁度ジオさんとロデンからの仕事も兼ねて行けばいいのですよ。
「仕事って…事でいいですね?」
「仕事?」
「はい。これでも僕、人脈はかなりあるのでね。知り合いからのお願いなのですよ。」
「は、はあ…」
若干ひきこうもりな僕に人脈なんてあるのかよ、何て言うような目をしながら曖昧な返事をするシロさん。
…ちょっと悪戯でも仕掛けようですか。
「シロウサギさん」
「どうしました?」
「いつか君に…悪戯します。」
「…………………………は?」
かなり間抜けな声を出したシロ君。
あの反応…最高。 楽しいねー
「ちょ、ラトっ待ちなさいっ!」
「ふふ~んふふんふん~♪」
僕はさっさとその場を立ち去る。そして扉の上に…タライを投影して仕掛けた。今度シロさんが通る時には落ちるでしょう。そう思うとにこにこしてしまう。
楽しいねー?ふふふっ…
†
僕は天使の帰る街石畳を早足になりながら進んで行く。ぺら、と本を読みながら。そして不意に顔を上げた。そしたら
「……………………む?」
すっ、と目を細める。黒い髪をした青少年をみつけた。
…へぇ…よく同等と町を歩けるものですね。『怪盗』さん。
資料の見た目とぴったり一致していたのですよ。あの時は仮面をつけているのだが、かなり分かり易い。
ま、こういう時、何気に少し近眼なのが嫌ですね、
包帯を外し持っていた縁なしの眼鏡を付ける。
「…みぃーっつけた」
僕はやっぱり、にこにこしてしまう。
案外、見つかりやすい物なんですね……でもなあ…ロデンとジオ君から言われてるのは追跡、ですからね。何も捕まえなくてもいいでしょうね。別に僕は彼に変な恨みでも持っている訳でもないですし。ロデンとジオ君にもね、見つけたら捕まえろ、何て言われてませんし。追跡ですからねっ! うん。尾行とかでもしよう。もちろん、言われて居たら捕まえるけど。なにせ甘い物の為なのですっ…!
早足にならないように気を付けて、彼に付いてゆく。すると
どんっ…
「きゃっ!」
「んっ」
「いった~い!」
ぶつかってしまった。まさかぶつかるなんて思わなくて、少しびっくりした。
…すこし困ってしまう。こういう時は確か…えぇっと…
「…あ…ごめん」
そう、謝罪です。
少し慌ていたため、謝罪が遅れてしまった。
一生の不覚! ですよ。やってしまったぁぁぁ…
頭を押さえたくなるのを我慢してこの子の反応を少し見守る。
「…いえいえ! とんでもない!」
少しして彼女が反応してくれた。
やっぱり、悪いことしたですね…。
「失礼しました。それでは、機会があればまた、お会いしましょう。」
「あ、はい」
いつまでも突っ立ていられませんからね。
僕はとりあえずその場を後にした。きょろきょろと、『怪盗』さんがどこに行ったのかと捜す。
……傍から見たらただの不審者に見えなくもない気が……いや、気にしないでおくのですよ。
ふよふよと彷徨っていたら…紅茶の良い匂いがして来て、そっちに足が行ってしまう。
べ、別に…ただ、紅茶が飲みたいな、なんて思っていないんですからねっ……ただこの匂いにひかれて『怪盗』さんが来るかもしれないでしょう?だ、だからですねっ…いいですよね…?
匂いを追って来たら一つの喫茶店にたどり着きました。
…ここですか…あ、微かにケーキの匂いもしてきたですよ。すこしわくわくしてきたです。
看板には美味しそうなケーキの写真が貼ってあり、漂う甘い香りが食欲をそそる。僕はその店の扉を開けた。チリンチリンと扉に付けられたベルが鳴る。
「いらっしゃいませ。」
そのベルの音に聞きつけてやってきた店員らしき銀色の髪をした女性。彼女はぺこりと頭を下げて、僕をテーブルまで連れて行った。
「ご注文はお決まりでございますか?」
「えと…では、紅茶とイチゴタルトをお願いしますです。」
「かしこまりました。」
にっこりと笑った彼女は奥へと入っていく。
「お待たせしました。」
帰ってきた彼女の手には紅茶と苺タルトが置かれたお皿が。僕は苺タルトを一口食べた。
「あ……ん、美味い」
それはもう叫びたいぐらいに、溶けてしまうくらいに。ケーキごときに、なんて言えない。まろやかで、濃厚なその味を、今まで味わった事がない。もう感動してしまうほどだ。
…どうしてでしょう、味覚が無いと言うのに…こんなにも味わえてしまうのは。
「これ、誰が作ったのですか?」
「あ、この喫茶店の料理は、全て私が作ったものでございます。趣味で、開いたお店ですので。」
それを聞いて、憧れの眼差しを送る。彼女は少し頬を染めて、あはは、と笑う。
「あの、貴方は…神様なのですか?」
「え?」
な、何で僕が神様だってわかったんですかね…!?
思わず椅子から立ってしまう。
「髪の毛、見えてますよ。」
「……………………………ああ、そう。」
ウィッグを一旦外し、改めてつけてる。
なんですかね、はずかしい。
「実は言うと、ボクも神様なんですよね。」
「…え」
一人称を変えてきたこの子に僕は驚いてしまう。
「ボクはね、神名ナーサリー・ライム。本名ライリー・ナーサムって言うんです。」
「…前者のやつですが…、有名な神様のですか?それとも作家ですか?」
「どっちも。」
「まじですか。」
「ああ、君もキミも、いつか有名作家になるんじゃないの?」
「?どうしてですか?」
「神様にはみんなね、と言っても五人しかしませんけれど…その神様たちに合う物語があるんだ。」
ぱちくりと、目を瞬かせる。
なんで、その様な事知っているのですかね…
そんな僕の気持ちを知って知らずか彼女は続ける。
「僕が知っているのは今のところ…グリム君とイソップ君かなあ…」
「え、えぇ……」
これまた凄い人の名前を…
「ほら」
ぐっっと、綺麗な髪の毛かと思ったが、ウィッグを掴み外す。そしたら、真っ白な髪があれよあれまよと言う間に出てきた。
ここに人がいなくて幸いだったと思うですよ。
「ね?」
「はい。」
これが、僕と彼女の出会い。
僕がこの喫茶店の常連になる事は、もう言うまでもないでしょう。
†
かららんと、音を立てて、お店を出る。
「………………む? むむっ…むむむっ……アレはっ…」
僕の目に映っていたのは、間違いなく先程の少女だった。それだけなら別にどうだっていい。問題は彼女と話している人です。『怪盗』さんじゃないですか。
…はあ……これだと疑心暗鬼が否でも応でも生まれちゃうじゃねぇですか、ばぁか。
先程の少女は『怪盗』さんと楽しそうにお喋りしている。
………何で僕こんなストーか紛いの行為してるんですかね……あ、仕事ですか……っく…悔しいっ…なんか分かんないですけど、悔しいっ…
「…あ」
あの少女は何かに気付き、慌てて去って行った。それに傍らにいた『怪盗』さんは吃驚したような顔になって、急いでその場を離れる。
気付いてしまったのでしょうか……
僕は怪盗を追いかける事にした。だが、それも一歩踏み出しただけで終わってしまった。
「…………………猫…さん?」
見つけたその姿は、相も変わらずドぴんく色。いつもなら止まる事は無いはずなのに、彼の姿を見つけたら、思わず止まってしまったのだ。
「っ…!」
気付いていた時には僕はまっすぐ彼のもとへ走っていた。
どうしても、彼にやらなくてはいけない事が有るのです…だから僕は今こうして走っているんですよ…猫さん。
まっすぐ、ますっぐに彼に…
飛び蹴りをする。
「ぐへっ!」
「ぶぁ~かっ…!」
若干彼の所為で悩んでいた事もあるから…これは正しい八つ当たりです。許して下さいね、猫さん。
†
あのあと、僕はⒷダッシュで逃げましたとも。ええ、逃げましたよ?…ぶっちゃけ、怪盗さんを見失ってしまい、報告ついでに超能力探偵団に寄ってこうと決めた。石畳の道並みを足早になりながら僕は一つの大きな扉の前で足を止める。それからウィッグを取り外す。
ねむい。すこしだけ…眠いかもしれないですね…
「ふわあ………」
こんこんこん
扉を叩き、そして開ける。
「やあ、今晩は、皆さん。」
ぺこりとお辞儀をする。
一応礼儀ですからね。
「ラト……一昨日来たばかりだろ。」
「……む…うるさいですよ。お邪魔するですね。」
折角来たんですから相手が相手でも余程の事が無い限り歓迎するのが礼儀だと思うのですが…ううむ…。
ふい、と視線を逸らしたら、ぱっちりと目が合ったのは夕方の少女。
…怪盗さんと何らかの縁があるのかも知れないのですが…ここは様子見ですね。一応、警戒だけで済ませましょう。
「ふぅん……貴方は夕方の少女ではないですか…今晩は。」
コートの裾を摘み上げお辞儀をする。
「あ、今晩は! あの説はどうもすいません。」
「いや、別に…僕も悪いですし」
後頭部に右手をおく。
面倒臭いなあ……うん。今のは聞かなかったことにして。
眼鏡を付けて、それから僕は目を細める。
ちょっとした反応が見られればそれはそれで面白いのですからね。
「……僕はチャールズ・ラトウィッチ・ドットソンです。貴方、名前は?」
「う、薄紅莉愛です!!」
うん、少しビクッってなったですね。実に楽しいです…!……ですが…どっかで聞いた事が……ってああ……ナツ君の…
「…あぁ…貴方がリア君なのですか。」
僕はコクコクと頷き
「へぇ…この子が…ねぇ…?」
意味ありげにナツ君を見る。
………代わり映えのない恰好ですね。まあもっとも、人の事は言えませんがね。
「ちょっ…ラトさん!」
ふふふ…楽しいですねー? 人の反応と言う物は実に面白いですね……まあ僕も人ですがね。神様ですが、人間です。そうです、一人の神である前にひとりの人間ですからねぇ…はい。
「?」
こてりといっそ清々しいまでのあざとさを見せつけた様に彼女は首をかしげる。
……可愛いですね。うん。
「ああ、気にしなくて良いのですよ、可愛らしい薄紅色のお嬢さん。」
僕はいつも通りの無表情で一歩近寄る。
「可愛らしいだなんてそんな…! 貴方のほうが綺麗ですよ!」
「おやおや…お世辞が上手い子ですね」
にこりともせず、僕はもう一歩近寄る。
ああ、可愛い女の子ですね……アリスさんには幾分か劣りますがね。 えぇ、贔屓目ですが何か?
「もぅ…ラトさん止めてくださいってば…」
とナツ君。
何を馬鹿な事を…僕を止められるのは僕だけです。 もしくは余程の事が無い限り、ね?
「いいじゃないですか。君の想い人なんですから…。」
僕は『想い人』って所だけは小さく、彼にしか聞こえないように縮める。もちろん、その『想い人』ってのに反応しないナツ君はナツ君じゃなく
「ぎゃああ!!! 言わないでよ!」
「何を怒っているのか…大丈夫ですよ。聞こえないと思いますのでね。」
やはり、とでも思ってしまうような程彼は、予想通りの反応を寄越してくれやがります。それに僕は少しだけ頬を緩めてしまう。
「いやいやいや! 聞こえているよ!!」
「………うるさい。いい加減お口にチャックですよ。」
チャックを開け閉めするような、動作をする。
いい加減うるさくなってきたのです。ふう……猫さんを相手にしているような気分ですね。いつも叫んでばかりいるのでね。
「うっ………だって…」
小さく困ったように縮こまるナツ君。
嗚呼、いけませんね……そのようにされても……僕の加虐心は擽られるだけです…ふふふ……
「聞きますが、貴方に課題を渡したですよね?」
「あうっ……うん。」
ふふっ……何だか可愛らしく思えてしまうです。 変ですね、男性に可愛いなどと…思考が可笑しくなっているのですかね…いえ、加虐心をくすぐられていると言うのですよ。ふふ…
「答えは?」
「……………もうちょっと期間を与えて下さいよ…」
「ダメです。」
実に即答です。はい。
「いやだけ「ダメです。」だか「ダメです。」こ、怖い!ラトさんが怖い!」
ダメな子ですね…僕を怖いだなんて…
「僕が怖いだなんて…当たり前でしょう?」
ここで僕は最高の笑顔を見せたのでした。
ふうふうふう!
ほんやくほんにゃく~『加虐心?』です。
…出たよ。出た。
ラトちゃんの…ドS回! \ででーん!/
うん。ナチュラルにドS化しましたね。流石です。
*僕が怖いだなんて…当たり前でしょう?
ラトちゃんの初期設定的にはさ……ラトちゃんってさ…サディストのマッドサイエンティストなんですよね。
……今はそんな設定遥か彼方の向こう側ですがね。
*ふふふっ……
逃げてください。
*べ、別に…ただ、紅茶が飲みたいな、なんて思っていないんですからねっ…
ツンデレ、来たよ。出たよ。くぁわいいよ。
*チャールズ・ラトウィッチ・ドッドソン
ドジソンなの? 角川書店の後書きには、ドジソンじゃありませんって、書いてあるんですけど…とあるサイトじゃドジソン、って書いてあるんですけど。実に意味不です。
*想い人
ひゅーひゅー! お熱いねぇ! 青春…かぁ…私の初恋なんて声優さn((
*僕を止められるのは僕だけ。
某影薄少年バスケ漫画の青くて黒い人の言葉に似ている気が…ちなみに、従姉が実は腐女子だと最近知った。Sky●eのアイコンェ……何かの間違いであってほしいと切実に思った。




