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5話 新しい琵琶湖

出発をしてからまずは凶暴化していない動物がたくさんいる地域を2日かけて探索する。

1回目のときはスポーンされた地点がここより奥だったため関係なかった。

そして2回目に行ったあのときは走って逃げたため1日でトレーニングをしていた場所まで戻ることができた。

意外とそこそこな距離はあるのだ。


どっちにしろこの森なんて突破しようと思えば30分もしないほどで突破できる。


ただ森を突破するにあたってわざわざ早く走る必要もないので今回はゆっくり行くことにした。

そうなると歩くことになるが、凶暴化した動物が現れるまでの道でも徒歩だと2日かけて移動することになる。


まずは一杯のコーヒーをスキル「小説家」で作り出し、飲む。

リフレッシュしたあとは家の解体作業を進める。


そのあとにここを離れるために準備を始める。

家をスキル「解体家」で片付けたあとスキル「バゲージ」を使用し家の材料を収納する。


体をほぐして、覚悟を決めた俺はついに出発した。


こうしてついに冒険が始まった。



まず目指すのはここから魔物が暴走化する地点までの約四分の一ほどの地点にある巨木だ。

ここの巨木の地点ではもちろんまだ空にいる動物も凶暴化していないので地上よりは安全な場所だ。


それにスキル「自由移動」を使わずともこの先の景色を見渡すことができるので立地も最高だ。


周りの状況を確認しながら巨木のてっぺんで昼飯も食べる予定だ。

だからちょうどそのくらいの時間にたどり着けるように頑張るつもりだ。


ちなみに昼飯と飲み物は持参する必要はないので大丈夫だ。

スキル「小説家」によって生み出すことができるためだ。


もはやこれは冒険とは言えないだろう。

実際のところ俺はレトルト食品が大量に入った冷蔵庫を何個も持ちながら歩いているようなものだ。


ここまでくるともはや保育園の遠足レベルだろう。



しばらく歩いた。

もうすぐ今日の中間地点である巨木にたどり着くだろう。

もちろん凶暴化した動物が現れることはなかった。


また凶暴化した動物どころか、今日は普通の動物すら見なかった。

なぜなのかはわからないが、なにか理由があるのかも知れない。


だから俺は少し警戒をしながら森を進んでいる。


「おお」


森にある木々がだんだん大きくなってきている。

そしてその先に今日の俺の中間地点の巨木がぽつんと立っていた。


なんて神秘的なんだろう。


その巨木は木のはずなのにまるで山のように木の中から川が現れ、滝が構成されている。


今日の天気が悪いからか、薄暗い空を作り上げている低い地にある雲がこの巨木のてっぺんまでも覆ってしまっている。


だからそのギリギリの地点で俺は昼飯を食べると同時にこの先の森の様子観察をすることにした。



この先の森の様子を観察してわかったことがある。

おそらくこの先の森ではしばらく大雨が降っているだろう。


雨柱が立っている。

見るからに大粒の雨だ。

それに雷もなっている。


この先の森に行くなら強力な雨雲を抜けた先にある以前死にそうになった地点あたりまで空中を移動するべきだろう。


そう判断した。


俺はスキル「自由移動」を使いその地点まで向かう。



空を移動するのも雷を避けないといけないため十分大変だったがこのまま地上を歩いてたらさらに大変なことになっていただろう。


たった1日の雨によって、あそこらへん周辺は雨季のアマゾン川の姿に化していた。

絶景とも言えるとともにあそこは流石に歩くことができない。


ここを歩かなかったのは賢明な判断と言えるだろう。


それにあと少しで俺が昼飯を食べていた巨木の地点も洪水に見舞われていただろう。

雨はそこまで降っていないのだが、あそこで降って溜まった雨がどんどん下ってきているのは目に見えた。


また動物がいなかった理由についても突き止めることができた。

どうやらこの洪水によってできた湖のような場所に巨大なナマズのような動物が発生したらしくこれによって周りにいた動物はどんどん森から逃げていったのだろう。


そのナマズはただデカいだけでそこまで強くはなかったため瞬殺してしまった。

ただそれによって確保した食料がたくさんあるためしばらくはスキル「小説家」を使わずとも食べていけるだろう。



雨雲を抜けた先はいつも通りの森が広がっていた。

まるであの洪水現場が何だったかと思わせられるほどだ。


雨雲が通った場所と通ってない場所で景色は一目瞭然。

その境目はまるで海の海岸線のようになっていた。


俺はついにあの凶暴化した動物がいるエリアに入った。

もうじき凶暴化した動物が出てくるだろう。


ガサッ


ん?


動物か?


ガガガガガガ


俺を痛めつけたあのクソうさぎが出てきた。

クソうさぎはすぐさま巨大化し俺に噛みつこうとしてくる。


ブシャーー


そのクソうさぎは巨大化する前に死んでいた。

俺の手刀のような攻撃がクソうさぎの頸動脈を貫く。


どうやらこの程度の動物だと今の俺には手に余ってしまうらしい。


俺はどんどん森を進んでいく。


あのクソうさぎを殺したからかどんどんその仲間らしきうさぎが出てくる。


ガガガッ


ブシャーー


ガガガッ


ブシャーー


ガガガッ


ブシャーー


ガガガッ


ブシャーー


ガガガッ


ブシャーー


ガガガッ


ブシャーー


ガガガッ


ブシャーー


...


流れるように群れのクソうさぎを殺してゆく。


こいつが群れのボスか。

群れのボスらしき巨漢のクソうさぎとその周りに100体ほどのクソうさぎが並んでいる。


俺の周りを包囲して同時に襲ってこようとしてきた。


俺は精神を統一する。

力入れすぎないように。

森をなるべく壊さないように。

水風船を割らないようにキャッチする感覚。

慎重に。

慎重に。

大きくもなく。

小さくもなく。


慎重に。


俺は拳を振り上げた。

勢いよく上がった拳は地面に向かってゆく。


ドがぁん


「強すぎたか」


森一面は血の湖と化していた。


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