4話 スキルが増えすぎて困ってます2
三日目
三日目が始まった。
もう自分が異世界転生したことについてあまり自覚していない。
なぜなら今の俺は過去のことは忘れてスローライフという目標に向かって全力で頑張っているからだ。
今日から俺はここを拠点として森を突破するためのトレーニングを始めることにした。
トレーニングでは実践練習を行わない。
なぜならめちゃくちゃ怖いからだ。
そして中途半端な実力で森に行ってしまい死んでしまうのが嫌だからでもある。
なんとか怪我で済んだとしても計画が崩壊してしまうからだ。
まずは何からやろうか...
俺は自分の無様な肉体を見ながらどうしていこうか考えていた。
ん?
そういえば前の世界と比べて痩せた気が...
てか意外とマッチョじゃん俺
ワンちゃん異世界転生でめちゃくちゃマッチョになるとかある?
もしかして俺イケメンか?
いやそんなことはないだろう。
夢を見すぎたのが俺の前世の敗因だ。
それを知っているうえで今さら夢を見すぎて後悔するのは良くない。
やけくそになってこの人生を放棄してしまうかも知れない。
とりあえず異世界に転生した俺は意外といい体を持っていることに気づいた。
だがなぜなのだろうか。
鏡はないため自分の容姿を確認することができない。
いつか鏡も手に入れよう。
やはりまず鍛えるべきなのはパワーだろう。
パワーを鍛えないと何も始まらない。
足も速くならないし、敵を倒すこともできない。
パワーを得ることはこの森を脱出できるかに大きく関わる。
ただ...
「そもそもパワーてどう鍛えたらいいんだよ?」
わからないことが多い中、俺のトレーニングが開始した。
「はぁはぁはぁ」
やばい。
マジで疲れた。
トレーニングを始めて20日ほど経っただろうか。
まず俺の運動神経は想像以上だった。
間違いなく前の世界の俺とは比べ物にならないくらい良かった。
だからおそらくあの巨漢うさぎから逃げたときもおそらく想像より遥かに早い速さで走っていたのだろう。
とりあえず俺の20日のトレーニングの成果を紹介しよう。
初日からひたすら森にある木を叩きまくっていた。
この世界ではパワーを実際に使うことによってパワーを手に入れやすいと思ったからだ。
この世界での魔素量や運動神経、パワーなどの分野が強化条件はおそらくスキルを獲得することだろう。
俺がスキルを獲得するにはスキル「小説家」を使って新しいスキルを生み出すか、自分から伸ばしたい物を特訓してスキルの進化や獲得のために行動を起こさないとだめだろう。
そのためひたすらパワーを使うほうがスキル獲得に向けては効果的だと言える。
「おらぁおらぁおらぁ」
血が出るまで叩き続けた。
とにかく殴り続けていたら摩擦によって手が削れてきてしまった。
そこでまず1つ目のスキルを手にする。
削れた手を再生させるためにスキル「小説家」を使用したとき、予想通りスキルを手に入れた。
これは予想で話していたスキル「小説家」によって行った行動が別のスキルに変わった事によって手に入れたスキルだろう。
やはりスキル「小説家」はとてつもなく強いことがわかる。
そして新しく手に入れたスキル。
その名を「ヒーリング」回復スキルらしい。
といっても進化していないからかそこまで再生させることはできない。
今のレベルだと指を再生させるぐらいが限界だ。
そしていつも通り木をひたすら殴り続けていると2つ目のスキルを手に入れた。
その名を「暴君」というらしい。
名前の通りひたすら殴り、暴れ続けてきたことでパワーが増加しついにパワー系のスキルを手に入れることができた。
これは魔素量とは全く別のものなのでいくらでも使える。
さらに発見があった。
スキルを5つ以上獲得したことによりスキルツリーというものが解放された。
スキルツリーでは自分の所持しているスキルの進化や統合、変化が進められていくとともにそれらをスキルツリーによって所持者が確認することができるらしい。
いわゆる俺のスキルを管理する脳のような役割をしている。
それが本来の「ステータス表示」の姿なのだ。
話を戻そう。
スキル「暴君」はさらに進化を遂げた。
トレーニングを始めてから10日ほどでスキル「暴走族」というものに進化した。
それによって俺のパワーは一度のパンチによって自分の目の前の木々が爆風で吹っ飛ぶほどになった。
ついさっきスキル「暴走族」が進化した。
その名を「力の使い手」という名前らしい。
いきなり名前変わりすぎじゃない?
とは思ったがスキルの効果も変わりすぎだ。
1つ目はパワーがとてつもないこと。
本気で使用してしまうと森が吹っ飛んでしまうだろう。
2つ目はパワーを圧縮し一つの物体にのみ力をかけられること。
こうして森が吹っ飛ぶ問題はなくなった。
また新たなスキルも手に入れた。
その名を「ライトスター」
魔素とスキル「力の使い手」によって供給できる質の良いパワーを組み合わせることによってそれを強力な物質として放出することができるらしい。
まあドラ〇〇ボールの魔〇〇殺砲みたいな感じだ。
ここまでが俺のトレーニングの進捗だ。
俺は今日からもう一つトレーニングをしようと考えていることがある。
ランニング・ジャンプトレーニングだ。
戦闘中はパワーだけではなく瞬発力ももちろん必要になるだろう。
だからジャンプ力や足の速さを鍛えないといけない。
ここからは実践をしてみないと会得するのは難しいと思うが反射神経も鍛えたいものだ。
ここまでやれば森の最深部までは行けるだろう。
俺はトレーニングに取り掛かることにした。
トレーニングは10日ほどで終わった。
なぜならとてつもないパワーを持っていた俺はとてつもない瞬発力や反射神経、スピードをすでにほとんど会得していたと言えるからだ。
たしかにそれらのスキルの獲得や進化には時間はかかったがそれほどでもなかった。
まずはスピードだ。
これはもともとあったパワー系統のスキル「力の使い手」にすでに統合されているため大丈夫だ。
そしてジャンプ力、瞬発力、反射神経はスキル「自由移動」に統合された。
これによって宙に浮くこともできる。
つまりこのままスキル「自由移動」で移動してもいいのだが、空にも飛行する凶暴化した動物がたくさんいることがわかった。
それに森を通過すると同時に俺は強くならなければならないためわざわざスキル「自由移動」を使う必要もない。
だから俺は地上を進むことにした。
こうして俺はさらに奥の森に行く準備が整った。
俺はつばを飲み込む。
そして覚悟を決める。
「よし、行こう」




