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2匹のトラさん物語  作者: 小川大河


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7/10

発明王白いトラっち

 白いトラっちは朝からお肉屋さんに向かいます。ベルンガも一緒です。お肉屋の行列は交換券を導入したことで解消しつつあります。みんな、ご飯を食べられて一安心です。ベルンガはお肉屋さんの隣で八百屋さんをする支度をします。今日は大きなナスがあります。立派なナスはとても美味しそうです。

 白いトラっちは野菜の栽培を工夫しようとしています。というのも、お肉は茶色いトラっちから無限に取れます。いつでも茶色いトラっちの尻尾はちょん切れば新しい尻尾が生えてきます。白いトラっちのお肉屋さんではちょん切った茶色いトラっちの尻尾を提供しています。白いトラっちのお肉屋さんはほとんど材料のコストがかかっていません。

 しかし、野菜は異なります。野菜畑は白いトラっちたちみんなで山を切り開いて作りました。野菜もみんなでお世話をしています。収穫できるのも一回だけです。野菜をつくるのはとても大変でした。

 白いトラっちは茶色いトラっちの尻尾を研究しています。無限に再生する茶色いトラっちの尻尾の秘密を探ろうとしているのです。茶色いトラっちの尻尾の不思議が解明できれば、それを応用して無限に野菜を採ることができるかもしれません。でもこれはとても先の長そうな道です。

 白いトラっちは肉の引換券と交換でお肉を渡します。お肉をもらうと皆変えるので行列はどんどん進みます。ベルンガの八百屋も引換券と交換で野菜をあげています。やっぱり立派なナスは人気です。白いトラっちとベルンガはあっという間に一日の営業を終えました。今日もすぐに売り切れです。

 白いトラっちとベルンガは小屋に帰ります。小屋には島の四天王が来ていました。島の四天王はこの前、白いトラっちと勝負をしたばかりです。白いトラっちたちはあわや全敗というところで、最後白いトラっちが劇的な逆転勝利を収めました。ピンチで覚醒した白いトラっちは白いトラっち王になりました。一体何の用事でしょう。白いトラっちが建てた小屋も大分手狭になってきました。

 「修行を一緒にやらせてくれ。皆で修行してこいとイヌに言われて」、ベルンガの兄で四天王のシロイルカが言います。

 「別に構わないぞ。じゃあ、少し待て。修行のメニューを考えるから。その前に能力が知りたいから手合わせを頼む。シカっちはいいや。戦ったことあるし。シロイルカもいいや。シロイルカビームを見ているし。クマとライオンは未知数だから戦いたい。」、白いトラっちは答えます。

 シカっちは以前茶色いトラっちをボコボコに倒すところを白いトラっちは見ています。戦い方も分かります。白いトラっちはシカっちに筋トレのメニューを渡しました。そして、茶色いトラっちとの勝負も付け加えました。これは茶色いトラっちの修行のためです。シカっちは茶色いトラっちと戦うことに意味を感じていません。二匹の間にはとてつもない実力差がありました。シカっちには白いトラっちとの戦いもあります。白いトラっちとの戦いの方にはシカっちはやる気満々のようです。

 シロイルカんはひたすら泳ぐことになりました。白いトラっちは水中生物の修行はよく分かりません。そりゃそうです、ただのトラさんです。それに、ビームの修行もあります。遠くに離れた的にビームを当てるというものです。一番遠いので隣の島というのがあります。この島は絶海の孤島で隣の島などありませんでした。いったい一番近い島はどこにあるのでしょう。

 白いトラっちは準備運動をしています。島のみんな集まってきました。戦いを見に来たのです。畑の方からカブトムシとクワガタも来ました。虫族は自分たちの修行をしていましたが白いトラっちの道場に入りたいようです。でも、まだ様子を見ています。白いトラっちは最初にクマーンと戦うことになりました。巨大なクマさんは白いトラっちの3倍以上の大きさです。

 「さて、じゃあ、頼もうか。」、白いトラっちが言います。

 戦いが始まりました。クマーンは白いトラっちにパンチをします。白いトラっちは腕でガードします。上手く防御したつもりでしたが、遠くに吹き飛ばされてしまいます。クマーンが飛び跳ねました。巨体のわりにかなり素早いです。白いトラっちは踏み潰されるギリギリをかわします。クマーンが着地するとすごい振動です、地中深くまで穴が空いてしまいました。これには白いトラっちも驚愕です。

 「よろしい。」、白いトラっちが言います。

 どうやら力比べはお互いに、本気で戦うつもりはないようです。白いトラっちは修行メニューを考えるのに十分なところで戦いを切り上げました。クマーンには筋トレのメニューがたくさん出ました。そして、たくさん食べる修行があります。クマーンの体重を更に重くして強烈なのしかかりを更に強烈にするためです。素早さを失わないために走り込みもあります。あとは、白いトラっちと茶色いトラっちとの戦闘訓練です。茶色いトラっちもこれだけ戦闘をすれば強くなるでしょう。最後はライオンです。

 「最後は百獣の王か。」、白いトラっちは言います。

 戦いが始まりました。

 「ライオンビーム。」

 ライオンはビームを打てるようです。高速の光が白いトラっちに飛んできます。白いトラっちは避けました。白いトラっちはライオンに近づいて殴りました。ライオンの周りが光ります。盾のようなものができました。ガードするつもりのようです。白いトラっちは構わずに殴ります。強烈なダメージが白いトラっちになりました。ライオンのシールドは強烈な電気をまとっていたのです。ライオンは強力な能力者でした。白いトラっちは驚きました。あのガードがある限りライオンには攻撃が効きません。

 「白いトラっちビーム。」

 白いトラっちはビームでライオンのシールドを破壊しました。どうやら、白いトラっちビームはガードできないようです。しかし、ビームを鮮やかにライオンはかわします。白いトラっちはまた近づき、パンチをします。ライオンはシールドでガードします。

 「白いトラっちビーム。」

 続けてライオンを殴りました。白いトラっちの腕に強烈なダメージがありました。どうやらライオンの体にも強い電流が流れているようです。ライオンはありえない位置から、白いトラっちの攻撃をかわしたのです。

 「よかろう。」、白いトラっちは言いました。

 ライオンには実践訓練が課せられました。他のトレーニングはとりあえず見送りです。白いトラっちはライオンの能力に驚きました。ライオンが説明します。

 「異能力っていうのは、ビームだけではないんだ。その先の段階がある。ライオンの能力は電気を自由自在に操れる能力だ。能力は突然強化される。修行を重ねることで進化するようだ。詳しいことはよく分からん。ちなみにシロイルカも協力な能力者だ。この前の戦いでは使うまでもなかったが、水を自在に操れるんだ。」

 ライオンの説明に白いトラっちは驚きました。白いトラっちの能力もまだまだ強化できるようです。白いトラっちビームは強力でしたがまだ他の能力がありません。白いトラっちもまだまだ修業が必要です。

 白いトラっちの小屋は大分賑やかです。肉屋さんの交換券を配り終えた、茶色いトラっち達も戻ってきました。茶色いトラっちは地獄の実践が始まります。みんなでどうして茶色いトラっちが弱いのかを話し合います。

 「やっぱり才能がないんじゃないかベル。」、ベルンガが言います。

 「お前には言われたくないチャロ。お前よりは強いぞ。」、茶色いトラっちが少し怒ります。

 「確かにトラにしれは絶望的な実力だよ。ワニよりも弱いなんて。」、ライオンが言います。

 「そんなに弱いのはそれ自体がなにかの異能力なのでは。」、シロイルカが言います。

 そんな事があるのでしょうか。茶色いトラっちが弱いのは自分で力を封じ込んでいるからだということになります。

 「とりあえずチャドラよ、皆と戦え。」、白いトラっちは言います。

 白いトラっちはライオンの電気を研究しています。島にある蒼い石は電気を溜め込むことができました。ライオンの電撃を当てることで、蒼い石は帯電して光ります。帯電した蒼い石を温泉に入れれば電気風呂の完成です。茶色いトラっちは電気風呂に入り丸焦げになりました。

 白いトラっちは電気が灯りにも使えることに気が付きました。これで夜中、火山まで火を取りに行かなくても、明るくなりました。更に白いトラっちはモーターも発明しました。ものを動かす時にモーターを使えば楽に動かせます。こうして、島の労働をどんどんと自動化していきます。しかも、電気はライオンが蒼い

石に溜めてくれるのでいつでも使えます。島に明かりが灯ってから夜中でも活気が出てきました。白いトラっちは更に怪しげな機械を作っています。

 イヌが白いトラっちの小屋に来ました。相変わらずのボロい小屋です。イヌは四天王の様子を見に来ました。島のあちこちに電球がついていることに驚いた様子です。皆のところにイヌは合流しました。やはり、四天王は強くなっています。イヌはひと目見て分かりました。白いトラっちがイヌのほうに出てきます。

 「この機械に念力をかけてくれ。そうすれば異世界への入口が開けるはずだ。」

 イヌは白いトラっちが何を言っているのかよく分かりません。でも、白いトラっちの言うとおりに念力をかけました。すると、全く別の場所にいました。

 「成功した。」

 白いトラっちが言います。他のみんなも一緒に転送されてきたようです。

 「これは異世界だ。バトルフィールド世界だな。ここは戦闘空間だ。ここでなら思い切り戦える。ここで死ぬと現実の世界に戻ることになる。現実の世界には無傷で復活する。広さは島と同じ大きさにしてある。変えることもできる。」、白いトラっちが説明します。

 シカっちはバトルフィールド世界の壁を殴りました。シカっちのパンチでびくともしないくらいには強力です。これはすごい発明です。ライオンの電気とイヌの念力が合わさって異世界を構築したのです。ここなら修行し放題です。

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