茶色いトラっちの恋物語
白いトラっちと茶色いトラっちとベルンガのところに元海賊のカメとワニが居候してきました。カメとワニは能力者で戦いになるとビームを放ちます。白いトラっちによって倒されたカメとワニは温泉の開拓を命じられました。白いトラっちはカメとワニとの戦いに勝ち、白いトラっちビームを習得しました。物語はどんどん進んでいきます。
茶色いトラっちはカメとワニを引き連れて温泉に向かいます。温泉を開拓して、大きな露天風呂を造る計画です。3匹はジャングルの中を島の中心の火山に向けて歩きます。温泉はかつて、茶色いトラっちと白いトラっちで掘り起こしたときのままです。大変な重労働になりそうです。
「こんなとこに温泉なんてあるのかよ。」、カメが言います。
「それに、あってもこの島は暑いから温泉なんて誰も入らないんじゃないか。」、ワニも言います。
どうやら元海賊たちは温泉開発にあまり乗り気ではないようです。まあ、元海賊なので仕方がないのかもしれません。島で穴掘り仕事をさせられるなんて、海賊だった頃には想像もできないことでした。
温泉に到着しました。泉から湯気が立ち、とても熱そうです。緑色のお湯はボコボコとしています。
「本当に温泉があった。」、カメが言います。
「でもこれ、すごく熱そう。入れなそうだ。」
確かにそのお湯はとても熱そうでした。しかし、茶色いトラっちは前に一度お湯に浸かったことがあります。そのときは、ちょうどよい湯加減でした。でもそのときは、こんなにボコボコしていなかったような気もします。もしかしたら、前よりも熱くなっているのかもしれません。一度、温度を確かめたほうが良さそうです。
茶色いトラっちはワニの体を掴み、温泉に投げました。ワニは突然のことに驚き防御することができませんでした。ワニはそのまま温泉の方に飛んでいきます。茶色いトラっちは海賊のことをずいぶんと乱暴に扱いました。
「アツぃいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃいいいいいぃ。」
ワニは叫びました。あまりの大声に近くの木で休んでいた鳥たちが一斉に飛び立ちました。茶色いトラっちもびっくりしました。カメも顔が真っ青になっています。ワニはお湯から飛び出しました。その体は真っ赤になっています。
「何すんだ。殺す気か。」
ワニは怒っています。いくら海賊をして暴れまわったといえ、こんな目にあっては黙っていません。ワニは茶色いトラっちに掴みかかりました。茶色いトラっちはワニの夕日のように赤くなった背中をバチンと叩きました。大きな音が響きました。ワニの背中には雷に打たれたような衝撃が走りました。ワニはあまりの痛さに泣きだしてしまいました。ちょっと可愛そうです。ワニは無きながら最後の抵抗をしました。ワニビームを撃ったのです。茶色いトラっちは油断していました。ワニはもう何もできないだろうと思っていたのです。ワニビームはゆっくりでしたが茶色いトラっちは避けることができませんでした。茶色いトラっちの体にはかすかな痛みがありました。でも、それだけでした。カメとワニは驚いています。ビームがほとんど効いていないからです。
「お前ら能力者だったのか。」、カメが言いました。
白いトラっちも海賊たちとの戦いの中で白いトラっちビームを使いました。カメはあんなに強力なビームを食らった事はありませんでした。カメは白いトラっちが力を隠していたと考えました。
茶色いトラっちには何のことだかさっぱり分かりません。白いトラっちも戦いの中でビームを習得しました。二匹のトラさんは元々とてもつよかったのです。
茶色いトラっちは文句を言う海賊たちは無視して、穴を掘ります。穴を広げてそこに温泉のお湯を貯めるのです。ワニとカメも渋々、穴を掘っています。茶色いトラっちに相手にされないことで抵抗を諦めたようです。でも、穴に落ちたら大変です。温泉は燃えるように熱いのです。こんなに熱い温泉をどうするのでしょう。このときはまだ、誰も考えていませんでした。
穴を広げるとお湯の中で泥が舞い上がって濁ります。工事の間に緑色のお湯は茶色くなっています。何か床を作ったほうがいいのかもしれません。お湯に入ったときに泥が待ってしまいます。大人数で入るとやっぱりお湯は濁ってしまうでしょう。茶色いトラっちは穴を広げ終わったら、島に流れ着いたビニールシートを下に敷くことにしました。
茶色いトラっちは温泉の周りの草を刈って、着替える場所を作っています。温泉だけあっても、着替える場所や荷物置き場がなかったら不便です。柱を立てて、屋根も造ります。木を勝手に伐ると怒られてしまうので、前に畑を造るときに伐った木を温泉まで運びました。カメとワニはこれにも文句を言いました。たくさんあるのだから森の木を切ればいいと主張したのです。カメとワニは最初サボろうとしました。でも、サボっても茶色いトラっちは何も言いません。自分の作業に集中しています。カメとワニがサボるとその分、作業が長引いてしまいます。どうせ、後でやらなければならないことが増えるだけです。カメとワニがサボってもやることは変りませんでした。しばらくすると、カメとワニは自然と働くようになりました。温泉もだんだんと完成に近づきます。
茶色いトラっちが温泉を開拓している間に、ベルンガと白いトラっちは畑作業です。畑作業に休みはありません。ベルンガと白いトラっちは交代をしながらも、毎日畑に向かいます。おかげで野菜も収穫が近づいてきました。キノコももう採れそうです。
白いトラっちは畑に井戸が欲しいと思いました。そこで、穴を掘ることにしました。白いトラっちとベルンガは畑の隅っこに穴を掘ります。水が出るまでとても深い穴を掘らなければなりません。そこに、虫族のボスの大きなカブトムシと大きなクワガタが通りました。白いトラっちとベルンガは穴の底にいました。上から声が聞こえます。
「何をしているんだ。そんな穴を掘って。」、虫族のボスが聞きました。
「地下水脈まで掘って井戸にしたいんだ。」、白いトラっちが答えます。
「大変そうだな。」、クワガタが言います。
虫族の二匹は考え事をしているようです。やがて、スコップを持っておりてきました。
「穴掘りなら任せてくれ。お前たちよりは速く掘れる。」
虫たちは穴を掘るのが得意です。アリは地面の中に迷宮のような家を築きます。白いトラっちは穴掘りを任せることにしました。畑作業もやることがまだ、たくさんあります。
「せっかくだから、畑を手伝おうと思ったんだ。お前たちは人数が少ないから大変だろう。虫族ならいっぱいいるからな。」
なんと、白いトラっちにはありがたい大量の助っ人です。畑作業を虫族がやってくれれば、白いトラっちは八百屋さんの準備もできます。この前海賊との戦いで習得した、ビームの研究もできます。白いトラっちは虫族に畑仕事のやり方を教えることにしました。そうすれば、あとは虫たちが野菜を作ってくれます。
「そうしたら、畑仕事のやり方を一通り教えるよ。ベルンガも一応聞いておいてくれ。白いトラっちの畑仕事講座だ。」、白いトラっちは言いました。ベルンガはすっかり白いトラっちの弟子のようです。
温泉の開拓を終えた茶色いトラっちと元海賊は白いトラっちの建てた小屋まで帰ってきました。白いトラっちは今日も豪華なご飯を用意して待っていました。ベルンガも手伝いました。白いトラっちの小屋は人数が増えて大分手狭になってきました。カメとワニは豪華過ぎるご飯に感激しています。
「お前たちこんな飯を毎日食べているのか。こんなの食べたことないよ。」、元海賊は言います。
「最初はベルンガもとても感動したベル。」
「チャドラよ。温泉はできたか。」、白いトラっちが聞きます。
「うん、できた。でも、熱くて入れないんだ。」
「前は大して熱くなかったけど。チャドラよ、入ったのか。」
「ワニが入って、真っ赤になって出てきた。あと理由のわからないへなちょこビームを食らった。」
「何を言っているのか少し分からんが、チャドラが入ったわけではないのだな。」
「うん、ワニが入って熱いと。」
「もしかしたら、ワニが熱さに弱いだけかもしれない。前は普通に入れたからね。」
ワニはそんなことはないと思いましたが、黙っていました。茶色いトラっちと白いトラっちで次の日に温泉の様子を見に行くことにしました。
「畑は順調かな。」、茶色いトラっちが聞きます。
「近くに水場が欲しかったから、新しく井戸を掘っている。あと、畑は虫族が手伝ってくれることになったから、こんど畑仕事を教えにいかないといけない。」
「それはラッキだね。いつの間にか白いトラっちたちは虫族と仲良くなっていたのか。」
次の日もやることがあったので、その日は皆早く寝ました。白いトラっちとベルンガは別です。二匹にはお肉屋の準備がありました。白いトラっちは夜更けにひたすら茶色いトラっちの尻尾を切ります。尻尾を切られた茶色いトラっちのお尻からまた、一瞬で尻尾が生えてきます。白いトラっちは物凄い速さで尻尾を切ります。ベルンガは切った茶色いトラっちの尻尾を肉と骨と皮に分けます。ベルンガも大分速く肉をさばけるようになりました。白いトラっちは茶色いトラっちの尻尾の皮が大分溜まったので上着でも作ろうかと、思いました。
次の日、白いトラっちとベルンガは肉屋に向かいます。ワニとカメも白いトラっちのお肉屋さんで肉をもらうために並びに行きます。ベルンガはお店で白いトラっちといっしょにお肉を配ります。お肉屋さんはお客さんが増えすぎて白いトラっちだけでは手が回らない状態になっていました。茶色いトラっちは朝から島の探検です。島に上陸してから毎日探検をしていたので、島を知り尽くしてからも探検をしていました。茶色いトラっちは探検しながら腹ごしらえをします。ウサギや鳥を見つけたら狩ります。この島の肉食動物で狩りをするのは茶色いトラっちだけです。他の肉食動物たちはみんな白いトラっちのお肉屋で肉をもらっていました。草食動物たちは茶色いトラっちを見つけると一目散に逃げ出すようになりました。
そんな、茶色いトラっちの眼の前に美しいシカさんがいました。茶色いトラっちは見とれてしまいました。シカさんは綺麗な茶色いツヤツヤとした毛並みをしています。とてもスラリとしたスタイルをしています。茶色いトラっちは一目惚れをしました。優しそうなシカさんに飛びかかりました。シカさんはとてもびっくりしました。そして慌てて逃げました。茶色いトラっちは追いかけます。茶色いトラっちはシカさんと仲良くなりたいと思いました。でも、シカさんはとても恐がっているようです。
「シカさんのことは食べないから、仲良くしてくれよ。」、茶色いトラっちは言います。
シカさんは相手にしてくれません。もの凄いスピードで逃げていきます。でも、追いかけっこなら茶色いトラっちも負けていません。どんどん近づいて来ます。食べられる。シカさんは思いました。シカさんは茶色いトラっちが狩りをして動物たちを食べていることを知っていました。もう、茶色いトラっちはシカさんのすぐ後ろまで迫っていました。
シカさんが急に止まりました。茶色いトラっりは言葉が通じたと思って喜びました。シカさんの方に歩いていきます。シカさんはとても怖い顔をしています。そして、茶色いトラっちの方にズンズンと来ます。どうしたのでしょう。シカさんは思い切り茶色いトラっちにパンチをしました。茶色いトラっちはいきなりだったので防御もできず吹き飛んでいきました。それにしても、すごい威力です。ずいぶんと遠くまで茶色いトラっちは飛ばされました。元の場所に戻ると、もうシカさんはいませんでした。
茶色いトラっちは仕方がないので、白いトラっちの小屋に戻りました。小屋には白いトラっちが戻っていました。これからも温泉の工事に行くところです。茶色いトラっちもシカさんのことは忘れて温泉に向かいます。
「さっき綺麗なシカさんにあったんだ。思い切り殴られて、すごいふっとばされた。」
「チャドラよ、お前あまり変なことはするなよ。」
「綺麗なシカさん。それは多分シカっちベル。」
白いトラっちたちは温泉に向かいながら言葉を交わします。
温泉はきれいな緑色をしていました。お湯がボコボコとして熱そうです。すごい湯気です。これでは入れないかもしれません。
「たしかにすごく熱そうだ。チャドラよ。少しお湯に手を入れてみてくれ。」
茶色いトラっちは恐る恐るお湯に手を入れましたお湯は物凄く熱かったのです。
「アチぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。」
茶色いトラっちは叫びました。ワニが言っていたことは正しかったようです。もしかしたら、火山活動が活発になっているのかもしれません。山が噴火したら大変な事になります。白いトラっちは何か考え事をしています。
「そうしたら、井戸の水を水路を作ってこっちに運ぼう。それで湯加減を調整しよう。」
また大工事の予感です。三匹は小屋に帰ります。
帰り道に茶色いトラっちが朝であったシカさんに会いました。シカさんは茶色いトラっちをみて驚いています。驚くというよりは恐がっているようです。
「シカっちだ。大丈夫べる。このトラさんたちは恐くないベル。食べられないベル。」
ベルンガは言いました。でもシカっちはまだ恐がっている様子です。茶色いトラっちはきれいなシカさんに微笑みました。シカさんは今にも逃げ出しそうです。
「白いトラさんはいいの。でも茶色いトラさんは狩りをしている。この前も、ウサギさんが食べられてしまったの。だから、気おつけてね。」
シカっちは言いました。ベルンガは驚きました。白いトラっちもびっくりです。そういえば、茶色いトラっちは白いトラっちのお肉屋さんに来ていませんでした。
「チャドラよ、狩りはしてはいかんだろ。せっかく虫族とも仲良くなったんだし。これからは野菜もできるというのに。」
ボコンと白いトラっちは茶色いトラっちを殴りました。茶色いトラっちはびっくりしました。みんな肉食動物は狩りをしていると思ったのです。
「この茶色いトラさんをいじめないで下さい。トラさんは何も悪くない。当たり前のことをしているだけです。白いトラっちがあまりにも立派すぎるのです。草食動物は肉食動物を見たら逃げるものです。」
シカさんは言いました。白いトラっちはみんなで仲良く暮らしたいと思いました。その方が住心地が良いからです。茶色いトラっちも反省しているようです。茶色いトラっちは島の探検に明け暮れて、何も知らなかったのです。仕方がないことでもありました。
「茶色いトラっちよ、そんなに探検がしたいのなら、お前の分の肉は朝、小屋に置いておくからそれを食べてくれ。せっかくならみんなで楽しく暮らせるほうがいいだろう。」
シカっちは茶色いトラっちが反省していることに驚きました。肉食動物が狩りをすることは当然のことでした。草食動物は肉食動物を見たら逃げ出すものでした。もしかしたら、このトラさんたちは本当に恐くないのかもしれない。シカっちはもう少し様子を見てみることにしました。
「それにしても、朝はすごいパンチだった。」
「ごめんなさい、何も知らなかったの。でも生きてるなんて不思議。トラさんってとても強いね。」
「シカっちはシカ属のボスだからね。この島でもトップクラスの戦闘力だよ。」
白いトラっちは戦闘力と聞いてなにか引っかかりました。もしかしたら、それだけ強ければシカっちはビームが使えるかもしれない。もしまた、島に誰かが攻め込んできたら大変です。
「シカっちはビームを使えるの。」
シカっちはキョトンとして首を振りました。どうやらビームの存在も知らないようです。トラさんたちと同じようです。いったい能力者とは何だったのでしょう。
「いや、ウチにヘボい海賊がいて。そいつらが変なビームを使うんだ。食らっても大したことはなかったんだけど。なかなか不気味な能力だ。得体の知れない。」
「チャドラよ、お前いつの間にビームを食らったんだ。」
「この前、温泉に海賊を連れて行ったときに。」
白いトラっちは初耳でした。白いトラっちは海賊との戦いの中で必死にビームを避けて戦いました。触れたらどうなるか分からなかったためです。茶色いトラっちの様子を見る限り触れても問題は無さそうです。確かに、ワニのビームはへなちょこでした。でも、だからこそ白いトラっちはなにか罠があるかもしれないと疑ったのでした。でも、ワニビームには何もなかったようです。直撃した茶色いトラっちにもかすかな痛みがあるだけだったようです。それに比べると白いトラっちビームは強すぎました。謎は深まるばかりです。もしかしたら、自分は天才かもしれない。白いトラっちは密かに思いました。




