38話
「事務所の場所を知ってるから。子供のころ一回探検したことがあるんだよ。中は結構迷路みたいだからわかってないと大変かも」
「それじゃあいいですかハルカさん?」
「うん!もちろん」
なんだか大げさなことになったな。パっと言って取ってくればいいだけだと思うが。
「ううーやっぱりすごい匂いね」
「そうですか?ボクは感じないんですけど」
「ええーうそでしょーどんな嗅覚してるの?」
「普通だと思うんですけど。さっき食べたホットドックもおいしかったですし」
「それならこの臭いだけ感じないってわけ?なにそれ」
「それよりもすごいですね、ここは。ゴミだけじゃなくいろいろな魔獣の骨がありますよ。なんか探検してるみたいじゃないですか?」
「そう?ただのゴミの通路って感じしかしないんだけど」
「あっネズミ」
「きゃーーー!ちょっとー!追っ払ってよ!」
「大丈夫です、もう行きましたから」
「もうーそういうことは言わなくていいから」
「そうなんですか?」
「めっちゃ怖いじゃん」
「子供のころ来たことあるんですよね」
「来たくて来たわけじゃないわよ、無理やり連れてこられたの」
「そうなんですね。それにしても、荷物置いて来ればよかったのに」
「はっ」
「重くないですか?」
「先に言ってよ!」
「それくらい大事なのかなと思ってました」
「大事よ、大事だけど」
「ボク持ちましょうか?」
「え、いいの?」
「いいですよ、なんか最近体が強くなったような気がするんです。重いものをも持っても前より重さを感じないというか」
「じゃあお願いしてもいい?もう肩が痛くって」
「いいですよ」
「あー体が軽い、歩くのが断然楽になったわ。ヒカリは大丈夫?重くない?」
「全然大丈夫です」
「そう、よかった」
「あ、ネズミ」
「きゃあーーーーーーー!ねえ言わないでいいって言ったよね」
「すいません、つい」
「もう!」
「それにしても広いですね、ここは」
「この臭いのせいよ、近くに誰も住みたがらないから土地の値段も安くなってどんどん広くなっていくの」
「なるほど」
「それにしてもあの男………」
「ノブナガさんですか?」
「とんでもない強さね。あの二人を軽々とやっつけてたわ」
「あれでもずいぶん手加減したと思いますよ」
「そうなの?覚醒者ね、きっと」
「どうなんですかね。覚醒のことをあまり詳しくは知らないみたいでしたけど。ノブナガさんがレベルって言っていたのが覚醒のことなのかもしれませんけど」
「覚醒は覚醒でしょ、ほかの呼び方なんてあるの?」
「こんど聞いてみます」
「まあいいわ、もうすぐ着くわ。あれがそうよ」
建物とも言えないほどのボロ家が3つほどあってその中の一つをハルカは指さした。
「あれですか」
「さあ行きましょう。でもきっとお金なんかいらないわ、だってここにあるのは捨てに行くゴミなんだから減ったところで誰も困らないはず。むしろ運ぶのが少なくなって助かるくらいだわ」




