37話
「なんでお前がついてくるんだ」
「アンタのせいでしょ!」
露店少女のわめき声。
「うるさ」
「うるさってなによ!」
「まあまあまあお二人とも。ハルカさん道案内お願いしますね」
「うん」
「心配なんですねお爺さんのことが」
「大丈夫だと思うけど」
「おじいさんのことはノリユキさんに連れてきてもらえるように相談しましょう。とりあえずハルカさんは急いであそこから離れたほうがいいと思います」
「うん。さすがにあいつらもじいさんには手を出さないよね」
話が通じないからな。
「そう思います。荷物重くないですか?」
「大丈夫」
露天商少女は何を思ってか大量の木刀も担いで持ってきていた。
「この道はさっきは通りませんでした」
「そうなの?上級住宅街に行くにはこっちのほうが近道なの」
「狭い」
「すいませんお姉さま」
「なんで白銀には敬語なんだ?」
「存在が違い過ぎるじゃないの。美貌、気品全てが完璧にそろっていて神々しいんだから。誰だってこうなるでしょ」
「全くその通り」
「少しは謙遜しろ」
「確かに匂いが違いますね」
「あーすぐそこにごみ処理施設があるからね」
「なんでそんな道を通るんだ」
「だってマフィアが私たちのことを探してるかもしれないんだから大きな通りを歩くわけにはいかないでしょ」
「狭いほうが戦いにくいんだが」
「えっそうなの言ってよ」
「知らんから言えないだろ」
「まったく」
「まあまあお二人とも」
案の定ヒカリが仲裁に入った。
「わーずいぶん大きいですね」
「街中のゴミがここに集まってくるから」
「あ!見てくださいアレ!」
山のように積み重なったゴミから少しはなれたところに大きな頭蓋骨が転がっていた。
「ああ、あれは魔獣の骨ね」
「あれもゴミなんですか?」
「もちろん、取っておいても仕方がないし。冒険者が倒した魔獣を大量に持ち込んでくるからその分ゴミも多くなるってわけ」
「頭も食べるんですか?」
「まさかぁ」
「それじゃあ何であるんですか?必要なところ以外はお金にならないから解体してから持ってくるって聞いたんですけど」
「ああ、そういうのはある程度几帳面な奴らだね。大雑把な奴らは解体せずにそのまま持って帰ってくるよ」
「そうなんですか」
「解体にかける時間がもったいないとか言ってるけど解体したほうが実入りはいいっていう話だね」
「なるほど………ノブナガさん!」
「なんだ急に」
「すいません、ボク思いついたんですけどあの骨ってもしかして……」
なんだ?
「ああそいうことか」
「ヒカリとってこい」
「はい。けどここの会社の人に話をしてからのほうがいいと思うので聞いてきます」
きっちりしてるな、どう見ても捨ててある感じなんだが。
「それじゃあこれ持っていけ」
「え」
財布を手渡す。硬貨しか入っていないがこの世界には硬貨しかない、全財産と言っていい。
「小銭くらい渡せばスムーズに話が進むだろう」
「わかりました」
「ヒカリこれ」
白銀がハルカの荷物から一本引っこ抜いた木刀を渡す。
「?」
「もしものために」
「わかりました」
「そんなに危ないことはないと思うが」
「そんなことないよ。ここで働いてる奴らは結構荒い奴らが多いから。何なら私も一緒に行こうか?」
「なんでお前が?」
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