19話
「嫌だ!!」
サカイは激怒した。
「落ち着いてくださいサカイ様」
「いーや私は落ち着けないね!お前は悪魔のもとに私を差し出そうとしている。なんだ、何が気に食わない、給料か、役職か。確かに私はほかの領主に比べ優秀とは言えないかもしれない、そんなことはわかっている。けどこれはあんまりだ。お前みたいな木偶の坊は悪魔に食われてしまえばいいって言ったか!?」
「誰もそんなことは言っていません。それに私の知る限りあなたを本気で嫌っている領民を私は知りません。優しくて嘘のつけないサカイ様のことを皆慕っています」
「嘘だね!メイドのフジタ、あいつは私が風邪で寝込んで寝小便をしてベッドを汚してしまった時の顔忘れてないぞ、素足で虫を踏んずけてしまったみたいな顔で私のことを見ていたこと、私は忘れない!」
「それは気のせいです。あの時サカイ様は高熱で意識がもうろうとしておられたのですから、心配しているフジタの顔がそう見えてしまったのでしょう」
「いーや!あの時確かに「うわっ」って言っているのが聞こえた」
「落ち着いてくださいサカイ様、今はそんなことを言っている時ではないでしょう」
「そうだった………それにしてもお前はなんだって悪魔を我が領地に連れてくるような真似をしたんだ」
「どうしようもありませんでした。先ほど申し上げた通りヘンデの町は魔獣によって壊滅させられていました、すぐさま情報を持ち帰り備えなければ私たちの街もヘンデと同じ運命を辿ることになってしまいます」
「その悪魔がやったんじゃないのか?」
「彼らは違うと言っています」
「悪魔のいうことなど信用できん!」
「しかしそれが本当であってほかに壊滅させた魔獣がいるのなら備えなければなりません。それにあの男が本当に悪魔であると決まったわけではないのです」
「黒髪で魔獣を従えている、お前はそういったじゃないか。そんな奴は悪魔に決まっている」
「そうであったとしても話は通じます。彼らの目的は人間の街に入り込むことですから最悪ほかの領主の治める街に案内するという手もあります」
「おおそれだそれ!それがいい。ネチネチと私に嫌がらせをしてくるスズキ、あいつのところに悪魔を送ってやろう。それで解決だ!スズキの奴ざまあみろ、そしてグッバイ悪魔、ジャーッファッファッファー!」
「それではそういうことでサカイ様、彼らとの交渉をお願いいたします」
「嫌だ!!」
「ちょっと待ってください」
「悪魔と交渉なんかできるわけがない!頭からバリバリと食われてしまうぞ、いや、もしかしたらお腹から喰われるかもしれない。とにかくダメだ、私は絶対悪魔の近くになんか行かないぞ」
「重要なことはサカイ様に決断してもらわないと困ります。私も同席しますから」
「お前は私が食べられているところを近くで見て楽しむつもりだろう!」
「そんなわけ無いではないですか。それに彼はどこからともなく見たこともない食べ物を出すことができるのです。なのでわざわざサカイ様を食べようとはしないはずです」
「いーや嫌だね!とりあえず牢の中から悪魔を出すな一生鎖につないでおけ」
「彼らは牢に入ってはいませんが」
「へ!?どーゆーことぉ?」
「彼には牢など何の意味もないと思いまして………」
「へ!?わからないわからない、わからないよぉ」
「彼らはこのダイセクの街の中で観光を楽しんでいます。私の部下を付けているので居場所を知ることはできます」
「へ!?へ!?へ!?」
「それと、言いにくいのですが…私たちの持ち金はすべて彼らに取られてしまったのでサカイ様にはその補填もお願いしたいのですが………」
明日も更新予定です。
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