18話
だからなんだ。
「黒い髪の人間はいない。人型の悪魔は髪の色によってその強さを判別することができると聞く、そして黒は悪魔の髪の色だ」
髪の毛が黒かったら悪魔?おかしいだろ。
「黒い髪の悪魔は最下級の悪魔だったはずだ」
「ふふ…」
何を笑ってやがる白銀。
「悪魔はまだいいとして最下級!クソ雑魚ってことか!」
言われたとたんになんか恥ずかしくなってきた。
「いや、気分を悪くしたら申し訳ない。私はそう教えられたというだけで、悪魔の研究についてはそれほど進んでいないという話だし、定説が塗り替えられるという話も聞くから確実とは言えないが………」
ハヤシが申し訳なさそうに言う。気分を悪くするだろう誰でも。いきなり悪魔だ最下級だなんて言われたらな。
「ふふ…ふふ………」
笑うな白銀この野郎。
「お二人には感謝しているが私としては悪魔を自分たちの町に案内するわけにはいかない………」
そりゃあそうだろうな。
「それならどうする」
「悪魔出ないことを証明できれば………」
「証明?どうやって証明する」
「それは………悪魔について研究している専門家に、私は専門ではないからわからないが、悪魔の血液は人間のものとは違うらしいから、そういったもので調査するのではないかと思う」
人体実験みたいだ。
「悪魔だとなったらどうなる」
「私にはわからない、わからないがそのままにしておくということはないだろう、恐らくは拘束、または討伐ということになるのではないかと思う」
うーむ、最悪だな。
「少し時間をくれ、考えてみたい」
「すまないがそれはできない。私は直ちにヘンデの町の壊滅の報告と魔獣襲撃の準備を整えなければならない」
そうだった。うーむまいった、このままだと人間の町に入れない。それはまずいぞ、ベッドは風呂は、うまい飯に美女、そのすべてはこの荒野には転がってない。悪魔らしく洞窟にでも住めってか?冗談じゃないどうにか、どんな手を使ってでもなんとかしなければ。
ふと横を見ると「なんとかしろ」白銀の目がそう言っている。お前も同意見だったんかい。まあプライドの高そうなこいつに野宿は到底許せるものではないんだろう。
「それなら領主に合わせてくれ」
「そんなことできるはずがない。わかっていると思うが私は君が悪魔ではないかと疑っているんだ」
マズい、このままじゃ野宿洞窟原始人だ。
「この下級悪魔はさっきの魔獣を100体作り出せる」
「なんだって!?」
おい白銀、何を勝手なことを言っている。
「ハヤシ、あなたはすぐさま領主に報告に行かなければならない、そういっていた」
「そうだ」
「あの魔獣は空を飛べる。あなたたちが走るよりもずっと早く飛ぶことができる。つまりハヤシ、あなたは追跡されて領主の居所への道案内をすることになる、部下にやらせてもそれは同じこと。あの魔獣が100体で一斉に町襲い掛かればどうなる?」
「それはーーそんなこと、あの魔獣が100体?そんなの持ちこたえられるわけがーーーやめてくれ」
「私はあなたの仲間を助けた。それなのにあなたは私たちに街に入るというーーー恩を仇で返すような人間は死んだほうがいい」
「ちょっと待ってくれ私だってできるだけのことはしたい、しかしーーー」
おいおいどうした白銀。
「もし報告に行かなければさっきの何とかっていう街を滅ぼした魔物が今度はあなた達のまちに襲い掛かるかもしれない、いや、もしかしたらもう向かっているのかもしれない」
こいつ………いいぞもっとやれ、もっと言え、白銀。多少困らせたからって死ぬわけじゃない攻めろ、相手は瀕死状態だ。
「待ってくれ」
「そんな時間はない、あなたはそういったはず。領主と話をさせてほしい、その間こちらから攻撃を仕掛けることはない、と約束するだから話をさせてほしい。話し合いの結果、領主が良いといえば街に入っても問題はないはず」
ハヤシの顔が露骨に焦っている。
「そうだ!決断だハヤシ!早くしろ、住民たちの命はお前の決断にかかっているぞ。こうしてる間にも魔獣は迫っているぞ」
ついでに俺も焦らせてみる。
「ちょっと、おふたりーーー」
ヒカリの口を塞ぐ。
「「ハヤシ!」」
「はぁ………領主に話をしてみよう」
おお成功だ。使えるぞこれ、今度困ったらまたこの手を使おう。
「出発!」
白銀よ隊長気取りか君は。
明日も更新予定です。
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