14話
人間?新しいイベントか?
「とりあえず上から見てみろ」
命令すると魔獣はすぐさま羽を広げスッと浮き上がった。ちゃんと飛べるようで安心した。しっかし体に対して羽が小さくないか?
「数は?」
「30ほどです」
「武器は持っているか?」
「持っています」
えーと、ほかに何を聞こうか。
「盗賊ですか?」
ヒカリが聞いた。
「兵士のようです」
「どうする?」
うーむ、どうするかと言われてもな。
「待つか」
「大丈夫ですか?」
「逃げる理由がないだろ」
「うーん」
うーんってなんだよ、何も悪いことはしていないぞ。
「おどおどしてたら怪しいやつに思われる、こういうときこそ堂々としていることが重要だ」
「確かにそうかもしれません」
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「隊長ーーーーー」
偵察に出ていたシミズの顔は真っ青だ。
「落ち着けシミズ」
俺、ハヤシはゆっくり、はっきりと声をかけた。
「街の様子はどうだったんだ?」
「めちゃくちゃです、壊されまくってます。あの様子じゃまともに雨風をしのぐことなんてできません、そんくらい壊されてます」
「そうか」
俺は最悪の事態が起こってしまったことを知った。
「それよりも!そんなことよりとっとと逃げましょう、あいつら優雅にお茶なんか飲んでるんですよ」
「落ち着けシミズ、もっとわかるように言え」
「すいませんでした隊長。誰もいない道の真ん中でテーブルと椅子があってそこに男と女、子供が茶を飲んでいたんです」
確かに妙だ。
「それだけじゃないんです。その3人の横にはでっかい魔獣がいたんですよ」
「種類は!?」
「わかりません、あんなもん誰にだって分かりっこないです。聞いたことすらないあんな子供の落書きに色を塗ったみたいな魔獣は」
「子供の落書き?何を言っているんだ」
「俺にだってわかりませんよ。なんて言ったらいいのかもわかりません、種類が違うとかそんなんじゃない。とにかくおかしいんですあの魔獣は!」
「そいつらは動いてないんだな?」
「それは間違いないです。恐らくですがこっちにも気が付いていないと思います」
「気が付いてたら茶なんてのまない、そういうことか」
「その通りです」
どうする?行くか、退くか。気づかれていないならこっちに有利だ。待ち構えておいて奇襲を仕掛けることもできる。
「隊長、逃げましょう。あいつら異様ですよ魔獣がそばにいるのに茶を飲んでる人間なんて聞いたこともない」
「よし!撤退する」
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「離れていきます」
なんで?
俺はカップをテーブルに置いた。
「気づかれた?」
「気づいたとしてなんで逃げるんだ?ふつう向かってくるだろう」
「追いかける?」
そうか、そういうイベントか。相手が逃げ切る前に捕まえる系の。
「え!?追いかけるんですか?」
そんなに驚いた顔をするなヒカリ。そうじゃないと話が進まないんだからしょうがないだろ。
「かといって走って追いかけるのもなぁ」
だるい。
「そんな必要はない」
白銀が秘策あり、みたいな顔をした。
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「隊長ーーー!!隊長隊長隊長!」
後ろから聞こえてきた声に腹がたった。シミズ、大声を出すな、敵に気づかれる。そもそもなんだその声はまるで悲鳴じゃないか。
怒鳴りつけようと後ろを振り返ったとたん、俺の視線はシミズではなくその上へと瞬時に移動させられた。
「なんだと」
それには見たこともない魔獣がいた。しかもものすごい速度で空を飛んでいる。まずい、俺たちよりも早い。
「全員停止!!敵襲だ!」
直ちに隊列を組み弓を放つ準備に取り掛かる。その間にも魔獣はどんどんこちらに近づいてきている。シミズの報告通り全く見たこともない魔獣だ、魔獣かどうかすらも怪しいほどほかの魔獣とは違いすぎる姿だ。
やはり向こうはこちらを完全にターゲットとしてとらえている。隠れる場所はない。やるしかない。
「構え!」
空を飛んでいる以上これしか攻撃手段はない。こちらは少数だが手練れを揃えている。弓で叩き落してからが勝負だ。矢の数は限られている無駄うちはできない、到達距離をしっかりと見極めるんだ。
「止まった」
あともう少しで射程距離というところで魔物は空中で停止した。
「隊長!」
「落ち着け!一気に突っ込んでくるぞ」
体の中心に標準を定めて待つ。それにしても不気味な魔物だ、何をしている、何を考えている。なぜ動かない。腕の筋肉が張ってくる。来るならさっさとこい。
「ちょっとーなんで逃げるんですかー」
「「「!?!?」」」
魔獣が喋った。
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