43 魔神戦 下
MPは無いから《無属性の剣》も生成できない。更に、《無属性の盾》も生成できない。
素手の戦いか。
こんな事になるなら、ニーナさんに格闘術習っておけばよかったな。
煙が止んだ。
魔神は膝を着いている。
現実拡張で確認すると、MPは無い。しかも、HPは俺よりも低くなっている。
好機、この瞬間を逃すわけには行かない。
ゆっくりと魔神に近づく。魔神は特に攻撃をする気配も無ければ、防御をする気配もない。
限界なのか?そもそも、神に限界があるかどうか怪しいが······。
「クク、マサカ《消滅》ヲタエルモノガイルトハナ」
「それだけ人間も進歩しているんだよ」
「ワレヲコロスノカ?」
「当たり前だ。今回の引き金はお前らサクラ十家にあるかな。世間が許しても、俺が許すつもりは無い」
MPは、両方とも無い。動く気力がある俺の方が上だ。
殺される直前なのに魔神は、怖気付いてないように思える。何かを企んでいるのか?
「レン・シノノメ、ヒトツダケオシエテヤロウ。ワレヲコロスト、オマエガマジンニナルゾ」
「んな事は百も承知だ。神を殺すんだ、何も起きないわけがない」
「ココマデケイサンサレテイタトハ······」
「計算なんてして無いよ。ただの憶測にも満たない空想論で、思い描いていただけだ」
そのための無属性魔法の奥義だ。
これで魔神を殺せないようなら、それこそ世界終了のお知らせだ。
ま、フィフティーフィフティーってところだ。
「ケンガヒツヨウナラツカウカ?」
「いや、要らない。剣がなくても出来る」
二、三回、深呼吸をする。
魔神は目を閉じて、スキルの発動を待っている。
成功を信じるんだ。
「《分離》」
すると、魔神の体から十の黒の玉が出てくる。
これが魂だ。
このまま放置しているとまた魔神の体に入るので、EXスキルをここで使う。
ちなみにさっき彩夜とニーナさんの《転送》で使ったのは、完全な保険です。
変な結界とかがやり巡らされていて、変な空間に飛ばされましただったら最悪だし、責任が取れない。
「EXスキル、《あるべき所へ》」
すると十の魂は逃れようと逃げ惑うが一つ、また一つと消えていく。
俺もどこへ行くのかは知らないし、知ろうともしない。
あの二つのスキル、MP0で発動できるのが嬉しい点だ。
地面に寝転がって、大の字になる。
多分、俺はここから出れない。
普通、MPはある程度の時間が来たら勝手に回復するのだが、ここでは全くしていない。
《転送》は使えない。《あるべき所へ》は、何かしらのスキルと一緒に発動しないと効力は出ない。
······やることはやった。
後は、彩夜がアレに気づけば······。
超がつくほど短めですいません。
実は魔神戦の中と下はくっつけようかと迷っていたのですが、結局バラして書いてしまいました。
今思うと、駄目でしたね。




