30 今後
腱が切れていることをまたしても忘れていて、またコケる。
ニーナ・エノベルさんが、薬を塗ってくれて即座に腱が繋がった。
この世界の薬やべーな。
ニーナ・エノベルさんと走りながら、今後のことを喋る。
「彩夜が助けを求めたってことは、本人はいるんですよね?」
「いや、まだサヨ・モチヅキちゃんは助け出せてない」
助け出せてない?何故にだ?牢屋に居るのならさっき見たいに、《転移魔法》を使って助ければいいのに······出来ないのか?
「順を追って話します。レン・シノノメ君は、王城の地下の牢屋に居たから助け出せた。だけどサヨ・モチヅキちゃんは、魔法が使われた、言わば異空間の牢屋に居るの」
おかしくないか?ニーナ・エノベルさんの話を聞く限り、重要なのはどう考えても俺だ。なのに、俺は王城の地下の牢屋、彩夜は異空間の牢屋。そんなにサクラ十家を信用していたのか?いや、でも、それだったらサクラ十家の官房が結界の一つや二つ貼るはずだ。
サクラ十家の人はみんな怠惰なのか?いや、一人牢屋を出ることを察知?していて出会ったな。あーわけわかんねー
「レン・シノノメ君は、今日中に助け出さないと記憶が無くなります。そして、学校に通い勇者となったと思うよ」
「待て、どうしてそんなに情報が、水のように出てくる?そして、ニーナ・エノベルさんの主、勇者はどこだ?」
仲間だけを寄越して、本人は顔を出さない?変にも程がある。そんなに仲間を出来る人と自信があるのか?
それにさっき使っていた《転移魔法》は、あれ以降使ってないことはMPが無い。遠くえ逃げられなければ万事休すのはずだ。
「はぁ······私の主は今隣国にいます。サヨ・モチヅキちゃんから連絡を貰って、今こっちに全力で向かってます。情報はレン・シノノメ君も知っている、サラム王国第四王女、アジェナ様から貰っています。向かっている街に居ますよ」
「そうか······。今更だが、俺のこと、レンでいいぞ」
「分かりました。シノノメ君。私のことは、ニーナと呼んでください」
「ひねくれた奴だな」
ともあれ、情報が得られたのは大きい。
もうすぐ、日が沈む。持ち物は全部彩夜に預けたから、何も無いな。まさかこのまま走ることは無いよな?
「ニーナさん、夜はどうしますか?」
「夜?夜営出来ないから走るよ」
クソ脳筋がぁぁぁぁぁ一
翌朝、俺達は街に着いた。結局、一睡もしていない。ずっと走りっぱなしだったから、筋肉が悲鳴を上げてる。
この人とは、絶対に合わない。
「シノノメ君、これ付けて」
ニーナさんから渡されたのはお面だ。
但し、俺が付けていた狐面ではなく、顔文字みたいなお面だ。
「はぁ、分かりました」
仕方なく付ける。
街の中に入ると、聖騎士軍の服を着た人たちがわんさかいる。
なるほど、だから付けてと言ったのか!
無言で歩くと、ある宿の前で止まる。ここに第四王女がいるのかな?
一室に入ると文字通り、第四王女が座っている。フーフラ街の宿どうなったんだろうな。どうでもいいけど。
「レン・シノノメ、お久しぶりですね」
「ええ、お久しぶりですね」
溜息が漏れそうになるけれど我慢だ。後々面倒なことになる気がする。
ニーナさんが、何か言いたそうな顔をしている。無視でいっか。
「第四王女さん、彩夜がどこにいるか、目星は付いていますか?」
「残念ながら分かりません。お父上に聞いても、知らない振りをされてしまったので······ただ、どこの牢屋にも居なかったので異空間の可能性があります。動くのは、勇者様とパーティ全員が来てからにしましょう」
何を悠長な!彩夜に危害を加えたら、種族を魔神にしてこの世界諸共消すぞ!
いや、感情的になるのは良くないな。あっちも、勝算を立ててこっちに向かってるみたいな言い方だし。
素直に従った方が、助ける確率が上がるからな。
「ちなみにですけど、勇者様は一ヶ月位後に来ますよ」
「は?」
「最短でなので、ちょっとは遅れますよ」
「いやいや、その間に彩夜が処刑とかされたらどうすんだよ!」
「その点はご安心下さい。異空間の魔法を解くのには、二ヶ月かかりますので······例外以外」
ならいいか。彩夜が特別何かを洩らしたとかは無いから、その例外には入らないはずだ。
なら何故、ここに俺を呼んだんだ?別に、国境付近でも何でもない普通の街だし。うーん、気になるな。
「勇者様とパーティが来られない間は、レン・シノノメさん、貴方には剣術を研いてもらいます。ほぼ役に立たないと聞きましたので」
ニーナさんに思いっきり肩を掴まれる。逃げたいが、力が馬鹿みたいに強いので逃げられない。
俺は肉壁になんかなりたくないよぉぉぉぉぉぉ!
今更ですが、とゆうか言う必要は無いんですけどまぁ見たい人だけ見てください。
最終章です




