27 サクラ十家
休みなのでもう1話投稿です!
ゆさゆさ揺らされて、彩夜に無理矢理起こされる。
寝てからあまり、時間が経ってない。瞬間、《直感》が働き意識がフル覚醒する。
マップを表示して確認するが、十人の人がこちらに向かってくる。逃げるか!
逃げる準備をしていると、ドアが蹴破られた。お母さんに、ドアは蹴破る物じゃない、って習わなかったのかな?
ドアを蹴破ってきたのは予想通り、サクラ十家の人たちだ。見つけるの、速くね?今日、王都に来たんだけど。
しかも、テレパシーでしか話してないから、分かるはずがない。
「レン・シノノメで、合ってるよな?」
「違います、って言ったら、見逃してくれますか?」
「このご時世、そんな馬鹿がいると?」
腰に直剣、この人が師団長か······
現実拡張で見てみるがレベルは56。うぇぇぇ、面倒なぐらい強いな。
手の甲に書かれている《空間魔法》を発動させて、宿の壁を消す。
「なんで俺を追いかけるんですかね〜!」
彩夜をおんぶして《飛ぶ》を唱えたが、発動しなかった。
無理矢理起こされたから、体も思い通りにあまり動いてくれない。スラム街から、大通りに出る。陽は昇り切っているので、周りからは、何事だ、と言う目線を浴びせられる。
「《結界》」
長官の結界か!国防を任せられる程はあるな。この結界、無茶苦茶やばい。
手頃な石を投げたが、粉々になった。
こちらも、奥の手を使うしかないか······
「《無属性の剣》」
良かった。今度は、発動してくれた。
火、水、土、雷、光、闇、氷、全ての属性を《無属性の剣》に付与する。剣は、虹色になる。
「おらぁぁぁぁぁ!」
剣の属性と攻撃力、自分の力だけで《結界》を破壊する。同時に、《無属性の剣》も一緒に破壊された。
騒ぎを嗅ぎつけた騎士達と冒険者達も、どんどんと来ている。
普通に観光させてくれよー。
マップを見てみるが、サクラ十家の方々がいない。不意打ちを狙ってくるか!
「《無属性の盾》」
騎士や冒険者達が次々と襲いかかってくるが、黒剣で死なない程度に薙ぎ払う。
クソ、クソ、クソ!彩夜にマップを確認させて、逃げ道を模索してもらっているが、一向に見つかる気配が無いらしい。
「《落とし穴・水》」
うおぉぉぉぉ!?今度は、軍師か!
落とし穴の上からは、水が降ってくる。初級魔法で俺が、倒せるとでも?
「《壁》」
上から降ってくる水と落とし穴を、ガードする。サクラ十家って、目的のためなら何でもするな。
周りを見ると、家が半壊していたり、盛大に壊れていたりしている。後始末が大変そうだな。
騎士達は、住民の避難が優先なのか慌ただしく動いている。
「見つけた!蓮君、十時方面に飛んで!」
「了解!」
彩夜が的確な指示を出してくれている。《飛ぶ》が使えない事を知っているので、飛ばなくても安全なルートを指示してくれる。
ーーガクン
俺は、膝から崩れ落ちた。再度立ち上がろうとしたが、立ち上がれない。
足を見ると、足の腱が切られている。
「蓮君!?」
「彩夜、逃げろ!捕まるぞ!」
「やだよ!蓮君を置いてなんて、やだよ!」
涙を流して、そう叫んでいる。
ステータスを表示したら、全スキルが封印と言う謎の文字によって発動が出来なくなっている。
まさか!ユニークスキルか!
影から誰か出てくる。
こいつが、サクラ十家の道化!エリーさんから聞いたけど、転生者ではなく転移者。
一か八かで《飛ぶ》を唱えたが、予想通り何も起きない。
もちろんのこと、自己回復も封印になっているので、足の腱が治り始めることは無い。
畜生、完敗だ。完全に時分を過信していた。
人の足音が聞こえる。多分、サクラ十家の人のだろう。彩夜は短剣を出して、今も抗っている。
多量出血で、意識が遠のいていく。
何をされるのだろう。これだけ俺のことを追いかけ回してきたんだ。きっと、非人道的なことをされるのだろうな。
もう······少し、俺の頭が······回れば······こんなことには······ならなかった······はずだ。
糸が切れたように、俺は気絶した。
マップ&マーキングについての説明。
マップ······拡大や縮小が可能。
マーキング······どんだけ離れた距離にいてもマーキングされていれば、その人との距離が表示される。




