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魔導学園のとある先生  作者: 魔法使い(仮免)
とある先生と生徒たち
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模擬戦の結末 <改>

 この世界の教育機関はどこも週休二日制をとっている。ここ、第三魔導学園は各学年四クラスあり、だいたい一クラス三十人前後になっている。悠の授業は、各クラス一週間に一度で二クラス合同で行われる。第三学年が以前にパーティー戦を行ったのは、第二学年の後半頃。本格的にパーティー戦の訓練を始めるのは、四年生の戦闘魔導師のクラスからであるが、定期的にこの訓練をさせるのは、ある事件が起きたからである。この都市では、いつ魔物と戦闘になるかは分からない。この都市は、ポルギリア王国を国境沿いの樹海から出現する魔物を撃退する役目をもつ、〈要塞都市 エーブラス〉 である。


『……』


 (これで四パーティー目ですか。ただ魔法の火力頼みではダメといつも言っているのに……。どうしてこんなに遠巻きに撃ってくるばかりなのでしょうか?)


『よろしくお願いします』


 模擬戦を終わらせたあと、生徒たちに悠からの教育的指導という名のスパルタ訓練が待っていることを今は誰も知らないのであった。






 ◇ ◇ ◇



 そろそろわたしたちの出番です。わたしたちは七番目になります。先生はいつもの巫女服に、模擬戦用の剣。先生の剣は、少し変わった形をしている。あれは、ほとんど使う人がいない[刀]というものらしいけど聞いたことないわね。


 模擬戦用の武器は安全性バッチリの仕様になっている。まあ、魔法の方は普通に体に傷がつきますけど……。


 先生は、しばらく相手のパーティーの動きを伺った後、軽く倒してしまう。魔法は全て回避、武器を使っての攻撃も刀に弾かれる。


 ものすごい音とともに、粉塵が舞い、また一つのパーティーが全滅しました。先生が強いのはあの戦いで知っていましたが、これは本当に強すぎます。これでまだ全力で無いなんて……。


 いよいよ次はわたしたちの番。作戦も立てましたから、あとは上手くやるだけ。






 ◇ ◇ ◇



 模擬戦が始まったが、思っていた以上にトウワたちは強い。まさか、いきなり男子生徒たちを突っ込ませてそれごとシキの魔法で、燃やそうとするなんて……なんと外道な!


 残ったのは、シキ、ヒノ、トウワだ。シキは籠手、ヒノは大鎌、トウワは杖を持っています。


 トウワが杖を掲げた。その瞬間


「【ファイヤーランス】!」


 シキが、魔法を放つ。それと同時にヒノが斬り込んでくる。それを避けると、今度は目の前に水の弾丸が飛んでくる。


「【ウォーターバレット】」


 トウワの魔法だ。その魔法に構わず、一気にヒノが接近してくる。そうだった、ヒノの能力は確か……。


 私も少し本気になろうかな。


「ハアッ!」


 大鎌を振るうヒノに、まずは一撃。手のひらに雷を発現させ、ヒノの脇腹に押し当てる。吹き飛ぶヒノにそのまま刀で追撃をかける。


「ヒノちゃん!」


 焦るトウワにもちょっとだけ驚いてもらおうかな?


「【ライトニング】!」


 これは雷属性の魔法を体内につくりだし、全身の筋肉を活性化させ、一時的に超高速で動くことのできる魔法なのです。


「えっ!? はやいっ!」


 背後から首筋に手刀を叩き込む。


 そして後ろから攻撃を仕掛けようとしていたシキの目の前に刀を突きつけます。


「ここまでです」

「はーい」


 前よりも確実に強くなっている教え子たちに、驚いたり嬉しく思ったりした模擬戦でした。






 ◇ ◇ ◇



 開始の合図と共に男子生徒二名が正面から先生を足止め、シキちゃんとヒノちゃんが左右から魔法を放つ作戦だったんだけど……


「【ファイヤーウェーブ】!」

「ちょっと待って下さーい!」

「ウッ、ウワァー」


 先生が強すぎて、男子生徒たちは離脱する隙も与えてもらえなかったみたい。巻き添えを食らってる。


 仕方ない、作戦変更。こんなこともあろうかと、プランBもあるんですよー。


「お願い! シキちゃん、ヒノちゃん」

「任せてー!」

「了解したよ」


 作戦は、まずわたしが牽制を行い、シキちゃんが近接援護、ヒノちゃんがアタッカーで先生に攻撃を加える。合図とともに全力の連携攻撃というのが、大まかな手筈。






 何分経ったのかしら。一瞬たりとも気が抜けない戦いが続く。前回とは比べ物にならないくらい、いい感じ!


 わたしが合図を送る。


「【ファイヤーランス】!」


 シキちゃんに合わせて、わたしも魔法を設置する。これは遅延魔法という技術で、魔法を発現させずに待機させることができ、任意のタイミングで発現できる。


 ヒノちゃんが斬り込んだ。と同時に紫の閃光が見えた。あれは先生の魔法。雷属性。通常の雷属性とは違う紫の雷……。



 ◇ ◇ ◇



 この世界に生まれた者ならば、誰もがもっている能力。一人一人に与えられた特別な力。それが[先天固有魔法(ユニーク)]というもの(一般的には“先天”と呼称される)。これは特別な魔法である。大きく分けて三つに分類される。


 一つは、[特殊魔法系] という。これは、六属性に分類されない魔法である。例えば、相手の心を覗く魔法や手も触れずものを動かす魔法などである。


 二つ目は、[特異体質系] 。これは、体そのものに特別な力があるものである。例えば、異常な回復力のある体をもつ、複数の属性魔法が使用できるなどだ。


 ちなみに複数属性持ちは、持っている属性の数で名称が分かれる。


 二属性(デュオ)

 三属性(トリオ)

 四属性(カルテット)


 四属性以上同時に持っている人は確認されたことはない。

 六属性以外の魔法を使えるのは、化身系または、一部の複数属性持ちだけである。

 複数属性持ちの六属性以外の魔法を、第二属性魔法という。


 火+水=霧

 水+土=木

 土+風=毒

 風+火=雷

 火+土=鋼

 水+風=氷


 第二属性魔法には以上の六属性が存在する。


 最後は、[化身系] と呼ばれる。この先天は少し特別で、他の生命体の力をもつものだ。例えば、狼の化身をもつものが発動すると嗅覚が上がり探知精度が圧倒的にのびる。ドラゴンの化身を持つものがいると、ドラゴンと同じような力が使える。また、この能力のものは、六属性を持たずに特別な属性を持つものがいる。

 これらは血筋によって決まることが多いが、絶対ではない。イレギュラーもいることが確認されている。

 また化身には伝説上の生き物や、神の力をもっているものもあるという。



 ◇ ◇ ◇



 わたしは先生の先天を知りません。しかし、雷を持っていることから推測することはできる。


「ヒノちゃん!」


 おそらくあれは……。


 ドンッ


 閃光とともに訪れた強い衝撃で、わたしは意識を手放した。






 授業は終わりました。結局遅延魔法を発動することすらできず、終わってしまいました。これから生徒会活動です。今は廊下をシキちゃんと二人で歩いています。


「くーやーしーいー」

「先生に魔法を使わせたのは、わたしたちのパーティーだけよ。前に比べれば十分すぎるほどの戦果でしょ?」

「でもー」

「なら次はもっと頑張りましょう」


 結局どのパーティーも先生に確実なダメージを与えることはできなかった。


 でも、わたしたちも少しは成長しているでしょ?

相変わらず説明多くて申し訳ないです




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