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トランクの中が一軒家!? 手甲から実体化する【黒騎士】を出せる俺は、万能魔導ハウスで快適な旅を楽しむ  作者: お米リッチ


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第9話

 ーーアッシュたちが街へ謎の薬を調べに行ったちょうどその頃街の入り口では。

「お待たせみんな!」

「だれに言ってるであ~る?」

「誰ってライゼラのみんなに決まってるでしょ」

「誰も聞いてないプルッ…」

 賑やかな3人がライゼラの街に到着していた。

「さて、あの3人を探すわよ!」

「それよりもお腹空いたのであ~る」

「俺もだプルッ」

「な~に言ってんのよ。先に仕事よ!仕事」

 脱力する2人を引きずりながら街へと向かうハルだった。





 アッシュ達は街を歩きながら薬の手掛かりを追っていた。

 繁華街では相変わらずの賑わいを見せている。

「どうじゃ、よい街であろう?」

 ルナが屋台で買ったミキャンのジュースを飲みながら自慢気に言う。

「そうだね」

 昼のこの街は穏やかで、春の日差しのような心地よさを感じる。

「我ら一族はこの街が出来た当初からこの街を守ってきたのじゃ、今となってはわししかおらぬがな。吸血鬼狩りに狩られみんないなくなってしもうた」

「そんな…」

 達観したように言うルナに、クロエが息をのむ。

「残された者の使命として、この街を汚す奴等を許すわけにはいかぬ」

「うん、手伝うよ」

「だな」

「ええ」

 アッシュたちは頷く。

「助かるぞ」

 そう言ってルナは笑った。

 


「ここだな」

 マックが立ち止まる。

 看板に『ネート薬局』と書かれている。

「ここがこの街で1番の薬局だ。裏に錬金工房もあるらしい。ここなら分かるかもしれないな」

 アッシュたちがはマックの言葉に頷くと店へと入っていった。

「いらっしゃいませ。ネート薬局へようこそ」

 受付のお兄さんが案内をする。

「すみません。ちょっと変わった注文なんですけどこの液体を調べてもらえますか?」

 マックが荷物から例の布切れを取り出して渡す。

「はい、拝見しますね。えっと、これは血ですね…そしてこれは緑色の液体…ですか…ん~、かしこまりました。裏に確認してきますね」

「お願いします」

 そう言ってはお兄さんは奥へと入って行ったので、アッシュたちは待合室で座って待つことにした。

 しばらくするとさっきとは別の年配の人が向かって来るのが見えた。

「あ、すいませんお待たせして、少し長くなるので奥の応接室へどうぞ」

 そう言って奥の部屋へと案内を受ける。

 錬金工房よりも更に奥にあった。

 俺たちは案内されるままにソファーに座る。

「ここで少しお待ち下さい。検査資料と一緒に説明しますね」

 そう言ってお茶を出すと、年配の人は部屋を出ていった。

「何かヤバい薬だったのかな?」

「まあ、あんだけ吸血鬼が苦しむんだロクなもんじゃないだろ」

「ウチもそう思う」

 アッシュたちはそう言って待つことにした。

 少し待っているとドアが開く。

 そこには年配の人でもお兄さんでも無くいかにも悪党といった強面の男が立っていた。

「お前らかコソコソ嗅ぎ回ってるのは?」

「なんか嫌な予感…」

 アッシュが呟く。

「正解だと思うぜっ!」

 マックが机を蹴りあげ、机ごと銃で撃つ。

「ぐっ」

 強面の男の脚に命中する。

「動くと頭を撃つぜ。こっちの質問に答えて貰おうか。あの薬はなんだ?」

 マックが銃を構える。

「ククク、喋ると思うのか?」

 ボゴッ。

 妙な音を立てながら男の体が盛り上がっていく。

 いつぞやの暴走男みたいだ。

 カランッと音がして注射器が転がる。

「コイツ何か射ちやがったのか!?」

「死ねぇ!」

 男がその巨体でタックルしてくる。

「ちっ」

 俺たちが躱すと男は壁をぶち抜いていった。

「マジかよ」

 マックが呟く。

 アッシュとクロエも武器を抜く。

「来る!ルナは俺の後ろに!俺が動きを止めるからマックとクロエが決めて!!」

「「了解!!」」

 再び突っ込んでくる男を、黒騎士と2人で剣を交差させて受け止める。

 ガキンッ。

 車でぶつかられたような感覚だった。

 ガリガリと2つの切っ先が地面を擦りながらスピードを落とさせる。

「止まれ!!」

 全力で踏ん張る。

 男の勢いが落ちた。

 その瞬間、マックとクロエが攻撃を仕掛ける。

 マックが四肢の骨を狙い、クロエが同じく四肢の筋を切る。

「ぐあっ!!」

 ドスンッと音を立て男が倒れる。

「もう動け無いだろ?」

「いい加減吐きなさい、あの液体は何?」

 マックとクロエが武器を男に突き付ける。

 男はルナを見るとニヤリと笑い話し始める。

「クク、いいさ教えてやるよ。あの緑の液体は麻薬さ。それも極上のな、強すぎる麻薬成分をステロイドで押さえて初めて完成する傑作だ!」

「麻薬じゃと!」

 ルナが怒りを露にする。

「ああそうさ。お前のこと知ってるぞ吸血鬼、お前のせいで後始末に追われてるからな」

「なんのことじゃ?」

「何も知らないのか?お前がこの麻薬とステロイドの合成薬『エル・シエロ』の麻薬成分を血液から抜いているせいで暴走事件が起きてるじゃないか」

「なっ!?」

「ククク、薬を抜いているつもりだかなんだか知らないがステロイド成分は一瞬で肉体に吸収される。お前が麻薬成分のみを抜いた事でステロイドが暴走したのさ!!」

「な、なん……じゃと!」

「ククク、ハハハ」

 部屋に男の声が響きわたるのだった。


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