第10話
「…笑うな」
アッシュは喉元に剣を突き付ける。
「ルナは街を守ろうとしただけだ、誰にも笑う資格はない」
冷ややかに言う。
「お前達が麻薬を作っているなら、麻薬ごとお前を倒すだけだ。お前達のボスはどこだ?」
「ククク、ボスを倒す?無理だねお前達には」
「なんで無理なのよ」
クロエが聞く。
「何故って見付けられない…から…だ」
急に男の肉体が溶け始める。
「毒だ離れろ!!」
マックが叫ぶ。
全員距離を取る。
男はあっという間に溶けて無くなった。
「見付けられないじゃと?…」
ルナが呟くと、マックが肩にポンと手を置いた。
「取りあえずこの薬局から調べるか」
「そうだね。この男を読んだのはここの人の筈だから」
4人は薬局の人達に話を聞くが、脅されていただけで大した情報は得られなかった。
「くそっ、確かにここの工房では麻薬は作ってないようだ」
「見付けられないってこういうことか…」
「取りあえず他の工房もみて回るしかないのう」
「そうね、どこかで作ってるのは間違いないんだから」
そうしてアッシュ達は街の工房をしらみつぶしに探すことになるのだった。
ーーーその頃『ハルカイ』の3人は。
アッシュ達を探して路地裏に来ていたのだった。
「も、もう動けないであ~る…」
「俺もプルッ……」
「ったく、だらしないわね……ん?なんか匂うわね」
「?くんくん…ホントだプルッ」
「すぅーー、ほう、これは……香草と肉の匂いであ~る」
「こっちね」
ハルカイ達は一軒の民家の前に立つ。
ガチャガチャとノブを回す。
鍵がかかっていた。
「ここみたいプルッ…料理屋じゃないプル?」
「地元の隠れた名店かもしれないわね」
「そのパターンはまずいのであ~る」
「俺もそう思うプルッ」
「カイ!鍵になりなさい」
「わかったプルッ」
カイが鍵になり、鍵を外すとゆっくりとドアを開いた。
「おじゃましまーす」
ハルが小声で入る。
後に2人も続く。
中は寂れており、車が一台あるだけだった。
「なんだ何にもないじゃない」
「空き家であ~る」
「何でここに車が停まってるプルッ?」
「駐車場無いからじゃない?」
「そんなやついないと思うプルッ」
「なによ!!」
「何でもないプルッ……」
「ふむ、匂いはこの車からであ~る」
「ほー、何か食べ物あるかしら。ほらカイ!鍵開けて」
「またプルッ……」
カイはスルリとドアの隙間から車の中に入ると鍵を開けた。
「なんにも無いプルッ」
カイがダッシュボードを開けて言う。
「うーんおかしいわね~」
ハルが運転席に回るとレバーを引く。
「よし、開けたからトランクみてよルカ」
「了解であ~る」
ルカは後ろに回ってトランクを開く。
「な、なんだこれであ~る!!」
「なになに?」
「なにプルッ?」
2人も後ろに回る。
3人が見たのはトランクより広がる巨大な工房だった。
「なにこれ?」
ハルが呟いた。




