第11話
大量のフラスコや鍋。
近くのかごには草や花に何かの角、見たことの無い素材が山ほどある。
覗き込むと梯子のすぐ下では、警備のような2人がテーブルで食事をしていた。
「この匂いだったのであ~る…」
「ここはなんだプルッ?」
「う~ん、錬金工房みたいね~」
「移動式の工房であ~る」
「それにしても下の料理うまそうなプルッ…あっ」
カイのよだれが下に落ちる。
3人は警備と目が合った。
「マズいであ~る」
「ルカ!運転席!!」
「逃げるプルッ!」
トランクをバタンと閉め、ルカが運転席に乗り他の2人も車に乗り込むと車のエンジンをかける。
「行くわよ!!」
入ってきた方の向かいにあるシャッターをぶち破り路地に飛び出した。
「と、とにかく走らせるプルッ!!」
「了解であ~る」
3人の乗った車は路地裏を猛スピードで走り出した。
「ど、どうする?」
「どうすると言われても困るであ~る…」
「走ってれば出てこれないプルッ?」
「ん~どうかしら…」
ドンッ。
後ろから破壊音が聞こえ振り向くと、トランクのドアが吹き飛ぶのが見えた。
「や、奴らが出てくるプルッ!!」
さっきの警備の男が出てくると車内に向かって銃を構える。
「危ない!!」
間一髪ハンドルを切る。
車がドリフトしながら横道に入った。
車の揺れで男の腕がトランクの角に当たり、銃を落とした。
「ちっ」
男は舌打ちすると、今度は後部座席の後ろの窓を殴り破壊する。
車は大通りに出た。
「ひープルッ」
「何とかしなさいよルカ!!」
「無理であ~る……ん?」
ルカの目が見知った奴らを見かける。
「アッシュ達であ~る!」
「よし、突っ込むのよルカ!!助けてーー!!」
「助けろプルッ!!!」
「頼むであ~る!!!」
アッシュ達に向かって車で突っ込む3人であった。
ーーー少し前、アッシュ達は。
「くそっ、また外れか」
マックが唸る。
「1体どうやって工房を隠しておるのじゃ…」
「う~ん、悩んでも仕方ないし先ずはご飯にしましょうよ。ウチ、お昼食べ損なってからお腹空いちゃった」
「そうだね。繁華街でご飯にしようか」
アッシュが苦笑いしながらクロエに言った、その時だった。
ドドドドドッ、キーーーッ。
遠くの大通りから、猛烈な爆音と悲鳴のようなエンジン音が近づいてくる。
「……ん? なんだこの音は」
マックが音の方に向く。
次の瞬間、曲がり角から黒塗りの高級車がドリフトしながら猛スピードで飛び出してきた。 トランクからは恐ろしい顔をした男が身を乗り出している。
「なっ……敵!?」
アッシュが即座に剣を召喚し構える。
その車は明らかにこちらに向かって来ている。しかも、更に速度を上げて突っ込んでくる。
「アッシューーーッ!! 助けてーー!!」
「助けろプルッ!!!」
「頼むであ~る!!!」
「……え? ハルカイ達!?」
車のエンジン音にも負けない大声が車内から聞こえてくる。
アッシュは剣を構えたまま固まったのだった。




