第16話
アッシュ達は車に乗ると、街で必要な物を買い揃えに走るのだった。
繁華街で車を停めて買い物に向かう。
「さあ、ここも今日で最後だ。要るもの買っておけよ。まあ、あんまり金は無いがな」
マックが財布を持ちながらみんなに言う。
アッシュ達は返事をするとマックの後に付いていくのだった。
「おっおーーー!な、なんじゃあのかわゆいのは!」
ルナが興奮して指を差す。
「これはコポ人形ね。最近人気であちこちで売られてるわ」
クロエがペンギンとマシュマロを足して2で割ったような生き物の人形を、1つ手に取りながら言う。
「あ、いや。要らぬ!要らぬぞ」
ルナがハッとしたように顔を背ける。
「ねぇマック、買ってあげようよ」
アッシュが言うとマックはしょうがないなと言いながら人形代を支払った。
「どうぞルナ」
クロエがルナに人形を渡す。
「す、すまぬな」
ルナはそう言って人形に顔を埋めた。
「まあ1個ずつならいいぞ」
マックはそう言って笑った。
「ならウチはこれ!」
そう言ってクロエが取ってきたのはゴシックなフリフリの付いた服を持ってくる。
「はいはい」
「可愛い服だね」
「わしの持っておる服に似ておるな」
「ふふふ、狙ってたんだ~」
そう言って服を、身体に合わせるように持ってクルリと回る。
「アッシュは?」
マックが聞いてくる。
「じゃあ、コレかな」
「ライゼラのスノードームか…いいんじゃないか?」
「うむ!オススメじゃ!」
「綺麗ね」
3人はスノードームを覗き込むと笑うのだった。
「マックは何を買うの?」
「ん、俺か?俺はこのミキャンのポン酢かな。料理にいいアクセントになる」
「ミキャンも名産品なのじゃ」
ルナが自慢気に言う。
「取りあえず1ダース買っておくぞ」
「うん」
全員必要な買い物を済ませると車に戻る。
「ルナの部屋も完成したし、そろそろ行くかゴーラに向けて!」
「そうだね、行こう!」
「あはは、2人ともテンション高いわね」
「そうじゃな」
クロエとルナが後部座席から笑うのが見えた。
マックはエンジンをかけると車を発進させる。
アッシュ達はゴーラに向けて出発したのだった。
道はまずは草原地帯だ。
草木の香りと、風を感じながら走っていく。
「道は結構長いからな。ゴーラまでは3日ほどかかるはずだ」
マックが運転しながら言う。
「ほう、そんなになのかのう」
「草原地帯を抜けた先の森を抜けると、海峡を渡ることになる。船に乗って1日、降りて1日で到着だ」
ルナが不思議そうに言うとマックは笑いながら答えた。
「今日は森でキャンプなの?」
「だな」
マックの返答にクロエは頷く。
「森の中でも『ある件』は見られるかな?」
「何だドラマか?全然映ると思うぞなんたってこの車はファントムシリーズ『T700』だからな」
マックが自慢気に言った。
「あるけん…とはなんじゃ?」
「ふふ、ルナにも教えてあげる。『ある日英雄になった件』ってドラマなの!実話をアレンジしてある人気ドラマなのよ!」
「ほう、楽しみじゃ!」
「クロエはすっかりハマってるね」
「もちろん、このドラマ主役のフェルナード役は本人がやってるのよ!それに現実のフェルナードさんも大活躍中の冒険者何だから!」
「へー、凄い人なんだ」
「アッシュも一緒に見たら?ハマるわよ?」
「あはは、そうだね」
アッシュはそう言って笑う。
一行の車は賑やかに走っていくのだった。
その日の夜、アッシュはクロエ達に誘われてそのドラマを見ることになった。
「この人がフェルナードさん!」
「うわっ確かに強そうだね」
「悪者をバッタバッタと爽快じゃのう」
ソファーに座って仲良くドラマを見る。
「お前達あんまり夜更かしするなよ」
キッチンから呆れるマックの声が聞こえる。
「「「はーい」」」
3人の空返事を聞き、くすりと笑うマックであった。




