第14話
ラベールは軽快に走り出すとアッシュの元へ加速する。
「正面に立つな!!」
マックが叫ぶ。
アッシュは走り出すが向こうが速い。
「1人目!」
ラベールがニヤリと笑う。
ドパンッ。
空気をも切り裂くパンチが炸裂する。
「黒騎士!!」
正面に召喚してガードする。
しかし黒騎士の剣が砕け、吹き飛び壁へと突っ込んだ。
「ぐはっ!」
黒騎士が吹き飛ばされると、アッシュの身体にも衝撃が襲う。
「くそっ、やっぱり黒騎士はダメージフィードバックがあるのか…」
黒騎士の受けたダメージの半分くらいか、アッシュはそう感じた。
「次は本体!!」
再びラベールが迫る。
「やらせるか!!」
ゴーレムの攻撃を躱しながら、マックがラベールの顔面に弾丸を撃つ。
「ちっ」
ラベールは体勢を変えると、肩の鱗で弾丸を弾いた。
その隙にルナが血を伸ばしてアッシュを回収する。
「鬱陶しいですね」
ラベールは今度はマックに向かっていく。
「ったく」
マックは素早く動くとゴーレムの陰に入る。
「もうそんなもの要りませんし」
ラベールの一撃がゴーレムを粉々に破壊した。
破壊されたゴーレムの破片が弾丸の如くマックを襲い、皮膚を切り裂いて行く。
「ぐっ!」
マックは壁際へと追い込まれた。
「マック!」
ルナが再び助けようと血を伸ばし、アッシュはラベールに向かって走り出す。
「何度も同じ手を!!」
ラベールはカツンと地面を足で鳴らすと俺たち4人の足元から槍が飛び出す。
3人はなんとか躱すが、マックは躱しきれずに肩に槍が刺さった。
「死ね!」
再びラベールがマックを襲う。
「「「マック!!」」」
3人が叫ぶ。
ドカンッ。
凄まじい衝撃で壁ごとマックの居た場所が破壊される。
粉塵でマックの安否は確認できない。
「これで1人」
ラベールはゆっくりとこちらを振り向くと、ニヤリと笑い次はルナへ向かっていく。
走っているアッシュを嘲笑うかのようなスピードだ。
「次は貴方の番ですよ吸血鬼!!」
「おのれ!!」
ルナが血の槍を飛ばすが、ラベールの一撃で粉々にされた。
「さよなら吸血鬼!」
音速を超えた一撃がルナを襲い、凄まじい衝撃で地面が揺れる。
しかし、拳は何故かルナから少しズレていた。
「な、なに?」
一番驚いているのはラベールだった。
「馬鹿…が、油断……するから…だっ」
粉塵の中からボロボロのマックが現れる。
マックの手には注射器が握られていた。
「アッシュ…使え……」
そう言うとマックはバタリと倒れた。
壁が壊れ、麻薬の入った注射器がマックの周りに散乱している。
アッシュはマックの回りに落ちている注射器を何本か拾うとラベールへ向かって行く。
「なっ、『エル・シエロ』だと!?ぐっ」
ラベールが膝を折る。
アッシュの前にクロエと戦っていたゴーレムが立ちはだかる。
「させないわ!」
クロエが飛び込んで来ると背後からゴーレムの核を貫いて破壊した。
「行ってアッシュ!!」
「うん!」
アッシュはラベールの関節部分にありったけの麻薬を射ち込んだ。
「うがあああああああ」
ラベールが叫ぶ。
「ルナ!!」
「ああ、最後はまかせるのじゃ」
ルナはラベールの前に立つ。
「確か麻薬成分を抜くとステロイドだけが残り暴走するんじゃったな?これ程射ったステロイドが暴走するとおぬしはどうなるのかのう?」
「や、やめ」
「終わりじゃ!」
ルナは眼球に指を刺すと血液を送り込む。
そして指を抜くと同時に血中の麻薬成分を引きずり出した。
緑色の液体が噴き出す。
ラベールの肉体がボコボコと膨れ上がり破裂した。
「さらばじゃ、この街の害虫どもよ…」
緑色の雨の中、血の傘を差したルナが冷やかに呟くのだった。




