第13話
ドアを開けるとそこにはたくさんの錬金設備で男たちが何やら作っていた。
「ここは作業区画か、ここで麻薬やステロイドを作っているようだな」
マックが小声で話す。
「みんな派手にいこう。ここで暴れれば設備を壊せる」
アッシュの言葉にみんなは頷いた。
「今だ!」
続けてアッシュの号令で全員飛び出す。
「な、何だ!」「進入者だ!!」
男たちが口々に叫ぶ。
「行くわよ!!」
クロエは短剣で素早く切り付け、敵をフラスコや鍋に吹き飛ばして破壊していた。
「ちっ、多いな」
マックは敵と工房の圧力管などを撃って的確に破壊していく。
「貴様らは許すわけにはいかぬ!」
ルナは自身の血液を自由自在に変化させながら敵をなぎ倒していく。
アッシュも負けじと黒騎士と共に斬り込んでいくのだった。
「何をしている!!」
工房の奥から怒号が飛んでくる。
ドンッ。
ドアが乱暴に開くと1人の男が出てきた。
後ろに2人、大男が控えている。
「おぬしがここのボスじゃな!」
ルナが叫ぶ。
男はルナを見るとニヤリと笑った。
「これはこれは、吸血鬼様ではありませんか。私はラベール、ようこそ我が工房へ。おっと散らかっていますね」
ラベールはパンッと両手を合わせる。
すると砕けたフラスコや設備が溶けるように消え1つの広い部屋になった。
「予想はしてたがやはり錬金術師!」
マックが叫ぶ。
「ええ、ええこの私こそ至高の錬金術師ラベールその人ですとも」
「…聞いたこと無いわ」
クロエがボソリと言うのが聞こえた。
「ふっ、愚民に分かるものですか。しかし、よくここを見つけたものです。褒めて差し上げましょう」
「あはは…」
見つけたのはハルカイ達だけど…。
「しかし、来ていただいたのなら『おもてなし』をしなくては……ね」
再び手を叩くと後ろにいた2人が巨大化していく。
2人はいつの間にか土塊の巨人になっていた。
「ゴーレムか!」
マックが叫ぶ。
「その通り」
ラベールがニヤリと笑うと、ゴーレム達がこちらに走り出す。
「マック!ゴーレムをやるわよ!アッシュとルナはあのキザなヤツを!!」
「了解!」
「任せて!」
「うむ!」
マックとクロエが1体ずつ引き受ける。
アッシュとルナはラベールの元へ走った。
「ほう、いらっしゃい。おふたりさん」
ラベールがカツンッと足を鳴らすと地面が槍となり飛び出してくる。
「むっ!」
「くっ!」
間一髪躱す。
「まだまだいきますよ」
足元が盛り上がる。
「っ、黒騎士!」
黒騎士に剣で吹き飛ばして貰う。
地面から伸びた足場が天井に衝突していた。
「厄介だな!」
再びラベールの元へと駆け出す。
「ハハハ、近づけさせませんよ!」
「それはどうじゃろうな」
ラベールが振り返るとそこにはルナが居た。
血の刃がラベールを襲う。
「ぐっ!」
血の刃がラベールの腹部に突き刺さった。
「終わりじゃ!」
「どうですかね」
ルナがそう言った時だった。
傷口がうごめき血の刃を固定する。
「なっ!?」
「ルナ防げ!!」
巨大化したラベールの拳がルナを襲う。
ドゴンッ。
ルナはおもちゃのように吹き飛んだ。
壁にぶつかり粉塵が煙のように上がる。
「ルナ!」
「おいっルナ!」
「ルナっ無事なの!」
「な、なんとか無事じゃ…」
ルナは自身を覆っていた血の球体を解除する。
「流石は吸血鬼です!」
ラベールがニヤニヤと笑っていた。
「あの体どうなってるんだ」
アッシュが思わず呟く。
「ハハハ、簡単ですよ。自分の肉体を8割程ゴーレムにしただけです」
「なっ!?」
ルナが絶句する。
「良いですよ、ゴーレムの肉体はエネルギーは満ちているし何より自由だ!!」
ラベールの体が変形し、人間の皮膚の下から鱗がパキパキと音を立ててせり出し、ケンタウロスのような姿になっていく。
腕はシャコのようになり、可動部以外は鱗で覆われ、しなやかな野獣を思わせる四肢になる。。
「これがストライカースタイルです。さあ、第2ラウンドといきましょう!」
再びラベールはニヤリと笑った。




