第17話 開戦
無為が、くるりと正面をみた。
「じゃ、本題に入ろう。」
今まで騒がしかった生徒が、急に静かになった。
「校長先生を利用して集まってもらったのは、他でもない…『決戦』を、異常クラスに申し込む!」
無為が、笑顔でとんでもないことを宣言したので、全員耳を疑った。
「決戦って…あの『決戦』?」
「うそだろ…!?」
決戦。
それは、立場逆転を求める戦いだ。
本来なら、通常が異常に申し込むものなのだが、(ノーマルがアウトサイダーと同等の存在に昇格できる。)特例として、過去に一度だけ危険が異常に申し込んだことがある。
だが、優秀な異常には、危険は敗北した。
それから、異常に挑むのは無謀だと、決戦は行われなくなっていった。
「いや、異常にかなうわけないじゃん…」
「なのに…なんで?」
すると、その言葉が聞こえたらしく無為が嬉しそうに答えた。
「簡単なことさ。」
そして、ザザッ、と無為の周りに危険クラスの者たちが並んだ。
「僕たちの方が強いって、僕が確信してるからさ。」
皆呆気に取られていたが、しばらくして、気付いた。
無為の周りの危険たちの中に、笑神泣がいたのだ。
「笑神…!?」
すると僕たちの声が聞こえたのか、無為は笑って答えた。
「笑神くんはね、こっち側なんだよ。気付いてなかったんだねぇっ!はははっ!」
嘘だろ…
笑神が、危険の奴らと手を組んでいた!?
だが、納得する節もあった。
彼女だけが、僕たちが無為をボロクソに言ってるとき、フォローするようなことを言っていた。
でも、強いよねぇ♪
うーん、そうだろうか♪
裏切られた悔しさと悲しさで歯を食いしばっていると、皆は唖然としていた。
「笑神が…裏切者…??」
「なんてこった…」
「そ、そんなぁ~っ…」
信じられない、と目を見開いている。
すると、美鈴が泣に叫んだ。
「嘘だよね、泣ちゃん!!なんかのどっきりだよね!?」
涙を流しながら、泣に呼び掛ける。
すると、泣はスゥッと目を細くした。
「ははっ、こんなにはっきり証明してんのにまだ信じられないの?私は裏切ったんだよ♪というか、最初っからこっち側♪」
その言葉を聞いた美鈴は、絶望に膝をおり、号泣した。
「そんなっ…泣ちゃん…やだよぉ…」
そんな美鈴の姿を、危険達、そして、いつもは無表情だった泣まで、笑いながらみていた。
「さ、もう"感動的な告白"はすんだでしょ?決戦、受けるかどうか、はやく答えてよ。」
皆、無言で目配せをした。
そして、僕は叫んだ。
「ああ、わかった…受けてたってやるよ、その決戦!!」
無為はニタッと笑った。
「そう、じゃ、決戦は来週の月曜日に。楽しみにしてるよーん!」
そういって、危険達は体育館から去っていった。
いかがでしょうか?物語が動き始めました!次回もお楽しみに!




