56話 万物王
レベル956ってこいつもしかして……。
「いっくぞぉ!」
ミリオンはそう言ってセドリックに殴りかかった。
まずいな、あいつが本当に万物王だとしたら、ミリオンもアロウも勝てない。
俺が出ないとだぞ。
「強い力を感じますね」
「おりゃあー」
『バシッ』
「え!?」
「良いパンチですね」
ミリオンのパンチを受け止めてセドリックはニコッと笑った。
「うぉぉお!いいぞ!」
「やっちゃえセドリック~」
ミリオンの勢いあるパンチをセドリックが片腕で止め、会場は盛り上がる。
ミリオンのレベルはあれから成長して通常時でも480くらいある、普通ならそんな奴のパンチを受ければ相手は吹っ飛ぶ。
それをあの細腕一本で止めるとは。
もう疑いようがないな、こいうは万物王ミストレイだ。
レーバテインは絶対欲しいしミリオンが負けそうにったら、無理やり介入しよう。
「やるなぁセドリック!ならこれはどうだ!」
『ズォォオ』
そう言ってミリオンは巨大化を発動した。
ちょ、何やってるんだあいつは、リングを、村を、破壊するつもりか!
今すぐ止めないと。
「ちょっ、ミリオンやめーー」
「凄いですねミリオン、あなた巨人だったのですね、でも大人しくしましょうね、ギフトスキル発動、神羅創造」
『ブワッ』
万物王はそう言ってリングの床に触れると、そこから木のツルが伸びてきてあっという間にミリオンを拘束した。
「な、なんだこれー、動けないぞ!」
ミリオンを一瞬にして捕らえてしまうとは、さすがだな万物王。
これは俺が乱入するしかないか……でも何か良い口実とかないとさすがに無理があるよなぁ。
「これで終わりです、さぁ敗北を認めなさいミリオン」
「た、助けてぇオルクス様ぁ」
ミリオンは情けない声で助けを求めた。
よ、よしこれだこれしかない!
にしても武闘大会なのに助けを乞うのってどうなんだろ……まぁいいや。
「おい、やめろ!」
「なんだなんだ」
「乱入だぞー」
「いえーいやっちゃえー」
俺がそう言ってリングへ入ると、なぜか歓声が湧き上がった。
いやなんでだよ、そこはもっと批判してくれよ。
「えっと……君は一体?」
「お、俺はオルクス、こいつの主人だ」
セドリックは戸惑っている。
そ、それはそうだよな、俺も逆の立場だったらそうなる、でもなもうこうするしかない。
レーバテインの為なんだ!
「えっと主人なのはわかったけど、一体何をするつもりなのかな?」
「お前を倒す!そして俺が優勝する!」
「……え、参加者なの?」
「いや乱入者だ!」
「……ん、どういうこと」
セドリックがさらに困惑した。
よし今だ!この隙に攻撃しよう。
まずいなやってる事が完全に悪役……いやレーバテインの為なんだ!
「アビリティ発動ー雷砲!」
そうして俺は万物王に戦いを挑む。




