忌々しい地下牢獄にて ウルシ
コンがこっそり向かっているとはつゆ知らず
ウルシとヴァルは どうにか自分達だけでも事実を究明しようとするが
案の定 難航していた
「・・・止むを得ない、処分するしかない。」
「・・・またですか、ヴァル殿下。」
「私だって歯がゆい、だがこの亡骸の身元が分からないままにしておくのも、衛生的によくない。
・・・それに、またあの事件のように、動き出すとも限らないが・・・」
ヴァル殿下と兵士長さんは、必死になって亡骸の身元を特定しようとしていた。ただ、そんな事は本当にできるのか、自分はちょっと不安だった。
そして案の定、身元は分からないまま、箱と共に燃やされる事となった。唯一分かったのは、『王都の人間ではない』という事のみ。
王都だけではなく、この国中には、幾つもの部落があり、点々と人が住んでいる。
その人々を全員確認するだけでも困難なのに、そのたった一人を洗い出すのも、完全に無理な話。
ただ、王都の人間ではない事が分かっただけでも、十分な収穫だったのかもしれない。謎は増える一方だけど・・・
自分も気になって調査に同行した・・・というか、兵士長さんから頼まれた。
どうやらあの地下牢爆発があってから、こうゆう調査を兵士達が避けるようになってしまったんだとか。気持ちはわかるけど。
だから、自分が自ら進んで調査に同行しても、兵士長さんやヴァル殿下は、あまり反対しなかった。
もちろん、関わった分のお礼はそれなりに尽くした。
とにかく荷物を運んだり資料を運んだ理の繰り返しで、途中から息切ればかりだった。
兵士長さんによると、どうやらヴァル殿下は『かいぼう』にも富んでいるらしく、自分は見せてもらえなかったけど、『亡骸の中』まで調査したんだとか。
自分もその現場に居合わせたかった気持ちもあるが、兵士長さんの話を聞いて、全てを察した。ただ、そこまでしても得られた情報はごくごく僅か。ヴァル殿下も、ため息を隠せない様子。
自分もちょっと残念だ、少しでも亡骸の正体が分かれば、姉さんが安心して療養に専念できるかと思っていたんだけど・・・




