忌々しい地下牢獄にて ウルシ
「・・・・・こんばんは。」
「っ!!! 姉さん??!」
「コン! 部屋にいたんじゃ・・・」
地下牢にいた自分達三人は、びっくりした衝撃で冷や汗が一気に流れた。
兵士長さんも慌てているけど、ヴァル殿下は牢の中を見せない為に、姉さんを入り口付近で足止めさせる。
「コン、これ以上は駄目だ。」
「どうして?」
「『どうして』って・・・」
さすがのヴァル殿下も、姐さんを止めるのは至難なのか、いつもより言葉に詰まっている様子。多分、何とか誤魔化したくても、姉さんに誤魔化しが効かないのを悟っているのかもしれない。
そうなってしまうと、ヴァル殿下だけで姐さんを止めるのはほぼ不可能。自分は迷わず助太刀する。
「姉さん、ヴァル殿下は、姉さんに牢の中を見てほしくないだけなんだよ。」
「いいよ、私バッチリ見ちゃったんだから。」
「それは・・・そうだけど・・・」
「分かった分かった、じゃあ君に情報をあげるから、引き上げてくれないか?」
いよいよ自分では止めきれなくなり、兵士長さんも加わって説得してくれた。そして姉さんは、兵士長の説得にようやく合意してくれた。
自分とヴァル殿下は、互いの顔を見合わせてため息をつく。でも、不思議とヴァル殿下の顔に笑みが見えた。
そしてそのまま、自分達四人は、地下から出る。もう日は完全に隠れ、黄金色の半月が顔をのぞかせていた。
自分達が城へ向かうと、そこには若干息を切らしている兄さんの姿が。どうやら勝手にベッドから抜けでた姉さんを心配していたそう。
自分はさりげなく、兄さんに姉さんの目的を耳打つと、「やっぱりな」と言いながら、姉さんのほっぺをムニーっと伸ばす。




