城の病室にて ウルシ
「はいっ! 処置できたわよ!」
「ひぃぃ・・・ありがとうございましゅ・・・」
こんな情けない姿、姉さんには見せられないな。・・・というか、話を聞いたら姉さん、大爆笑しそう。
自分としても、こんな情けない理由で怪我をしたなんて、声にできないくらい恥ずかしい。
仕事中に怪我をした事は少ないのに、どうしてこうゆう場面で・・・と、何度も何度も反省している自分。
自分より、兄さんの方がよっぽど冷静だった。その場に駆けつけた兄さんは、倒れている姉さんを城まで運んで、その最中に他の兵士達が箱を移動させる。
城の門前で、あんな物を長い時間置いておくわけにもいかないから。今はもう、箱があった形跡は少しもない。
あの箱の第一発見者は、もう分かっている。どうやら門前の警備を交代する為、門前に向かっていた兵士。
だが、そこで一つの『謎』が生まれる。
交代している間、門前に人がいなかったのはほんの一瞬。
だとしたら、あの箱を置いたのは一体何者で、どのような手法を用いたのか・・・という話になる。
第一発見者である兵士の話を聞いた兵士長は、その証言を半信半疑で聞いていたそうだけど、他の兵士からの目撃情報もあり、第一発見者の兵士が嘘をついているわけでもないんだとか。
・・・ただ、この一件は姉さんに決して話さない。そうゆう約束があった上で、自分にも情報をくれたから。
姉さんのショックが誰よりも大きいのは、誰の目から見ても明確だ。
確かに朝からあんな状況を目の当たりにして、気が狂わなかった姉さんの方が凄いと思う。
もし姉さんではなく、自分がそんな状況に立たされたら、数日間は意識がなくなってもおかしくない。本当・・・姉さんは『不運』としか言えない。
・・・ただそんな事、姉さんに直接言えるわけもないけど・・・
初めて唇を切ったウルシは
その痛みと しばらく続く不便に
思わずため息をついてしまう
だが 姉であるコンが目を覚ましたのを 誰よりも喜んでいたのは ウルシであった




