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城の病室にて ウルシ

ウルシは 慌てた拍子に

転んで唇を切ってしまう 

それをいち早く察知したのは 女王陛下であった

「イタタタタタ!!! 痛いですって女王しゃまぁぁ!!」


「動かないで!! 

 そもそも慌てて石段に足を挟んだ貴方は、もっと落ち着く事を学びなさい!!」


あぁぁぁ・・・後ろの方で、アン殿下とヴァル殿下が心配してくれているけど、今の自分にとって、その目線は相当心にグサッと刺さる。

確かに女王陛下の言う通り、何もない石畳で転んでしまった自分も自分だけど、女王陛下が用意してくれた塗り薬は、結構傷口に染みる。

後々になって鏡を覗いてみたら、結構大きな傷になっていてびっくりした。

転んだ直後は、倒れた姉さんを助ける為、門へ全力疾走していたから。後から兄さんに聞いたら、どうやら唇から血が溢れていたんだとか。

唇を切るなんて初めてだったから、だいぶ焦ったけれど、アン殿下は今でもよく切っているから、女王陛下は薬の予備を持っていた。

ただ、唇の傷がこんなにジワジワと痛むなんて、想像もしてなかった。とにかく、何をするにも唇の痛みが邪魔をする。

ご飯を食べる時も、水を飲む時も、眠る時も。もう早く治ってほしい気持ちの方が勝り、今はとりあえず耐えるしかない。

・・・それに、姉さんの方がよっぽど重症なんだ。今は兄さんが様子を見てくれているけど、まだ結構危うい状況。

自分はその現場を直接見る事はできなかった・・・というか、兄さんに止められた。

でも兄さんの顔を見て、兄さんの判断が正しい事が瞬時に理解できた。あの兄さんですら、涙を流す程嗚咽していたんだから。

・・・いや、最も重症なのは、周りにいたメイドや召使いの方だ。姉さんは割と気が強い方だから、一晩眠っただけですぐに目を覚ましてくれた。

だが、あの現場にたまたま居合わせた人々の中には、逃げるように辞めた人がいるとかいないとか・・・

でも、何があったのかは『口頭』で伝えてもらった。箱の中に、亡骸がグチャグチャの状態で入っていた・・・と。

ちなみに箱は、また兵舎の地下牢獄に。入っていた亡骸については、誰なのかを調査している真っ最中。

『あの事件』が起きてからも、兵舎の地下牢獄は使われている。

元々耐震性も耐火性も優れている設計が施されていたから、爆発が起きても、まだ使える・・・との事だそう。

ただ、あの場を進んで警備する兵士は、多分いないんじゃないかな。

ちなみに、城にも地下牢獄があるが、そこは貴族や王族等、身分の高い人物専用の場所。

兵舎の地下牢獄は、モンスターの亡骸等の、『得体の知れない存在』専用の場所。

そして、罪を犯した人間が入るべき牢獄は、城下町の『何処か』にあるんだとか。

まだ城下町に数回しか足を踏み入れた事のない自分だから、まだ見つけた事はないけれど、兵士でもなかなか見つけられない場所にあるとか・・・

ちなみに兄さんは、弊社の地下牢獄を警備した事はあっても、城下町にある地下牢獄を警備した事はないんだとか。

・・・ただ、自分は進んで見に行こうとはしない。『あの事件』以降、地下が若干トラウマになってしまったから・・・

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