第四章 考える程病んでしまう
ガチャ!
「コン!! どうした!!」
ドアを開けて部屋に飛び入ってきた兄に、カードの事を伝えると、兄は顔を真っ赤にさせながら、カードを破いてしまう。
私の体はまた震えてしまい、目の焦点も定まらなくなってしまった。
「コン、大丈夫だ。お兄ちゃん達が守ってやるから・・・」
「うん・・・」
部屋の角で小さくなる私を見た兄は、そのまま私を抱きしめた。そして背中を撫でながら、私が落ち着くまで、ずっと側にいてくれた。
兄の体は、すごく暖かい。なのに何故か私の体は、妙に冷たく感じた。
前世でホラー映画を興味本位で見ていた時とはわけが違う、それくらいの恐怖体験だ。兄の場合、恐怖と通り越して憤りを抱いている様子。
確かに今の私も、恐怖の次にある感情は、怒りだ。何処に向ければいいのか分からない、漠然とした怒り。
ただ、今はもう怒る気力もない。ただ兄の背中にしがみつくしかできない、まだ体力が全然戻っていない。
お義母さんから貰ったのは、『吐き気止め』の薬で、気力を回復させる薬ではない。・・・というか、そんな虫の良い話があるわけない。
前世でも、エナジードリンクは確かに効力があったけど、飲みすぎると体に害がある・・・みたいな話はよく聞いていた。
とりあえず、数日間はベッドの上にいた方が良さそうだな。変に歩いたり走ったりすると、いつ気力切れになるか分からない。
こんなに気力が根こそぎ減ったのは、だいぶ久しぶりな気がする。里に住んでいた頃、初めて山に登った時を思い出す。




