第三章 悟られないように・・・
お義母さんの作ってくれた薬は、若干苦かったけど、ありえないくらい効果が早く現れて、結構んびっくりしている。
前世では、薬の効き目って、そんなに早く出るものではない。数日飲み続けて、やっと効果が出るのが普通だった。
でも、お義母さんの作ってくれた薬は、私の胃に到達した段階で、既に効力を発揮していた。
さっきまでピリピリしていた胃の中が、スーッと涼しくなっていくような感覚。
そして、吐き気を催す程の『味』も『感覚』も、瞬時に抜けていく。そして、ボロボロになった胃の中が、どんどん綺麗になっていくのを感じる。
直接みているわけではないけど、目覚めた直後とは明らかに違う。もはや、『魔法』と同じくらいの効き目。
まさか薬を飲むだけでここまで早く楽になれるとは思っていなかったから、頭の中が『?マーク』でいっぱいになる。
「すごいだろ、彼女の作る薬は私もよく飲んでいる。・・・まぁ、私がよく飲んでいるのは『二日酔い』
になった後だが・・・」
「陛下はもう少しお酒の加減を考えてください。」
二人の和やかな会話を聞いていたら、頭の中をずーっと彷徨っていた私の精神が、ようやく戻って来た感覚がして、安心できた。
さっきまで、私はまだ夢の中にいるのか、それとも今が現実なのか、よく分からない空間に放り出された感覚だった。
・・・ただ、吐き気は落ち着いても、私の心は、まだ整理できていない。あの光景を受け止める事でさえ、できない始末。
受け止めたくても受け止めたくない自分と、受け止めなけれないけない使命感に苛まれる自分で、心の中が渋滞していた。
こうしてベッドで座っているだけでも、罪深い・・・と思ってしまう程に・・・
ただ、この世界で生きるアン達には まだ分からなかった
コンとあの亡骸に 繋がりがあった事も
亡骸自体が この世界の住民ではない事も・・・




