第三章 悟られないように・・・
かつてのクラスメイトとの再会は
最悪の形で実現してしまった
その上 彼女は会いたくもなかったのだ
それほど思い出もなく むしろ辛い過去しかない
転生前の人間なんて・・・
「・・・・・うぅ・・・うー・・・」
「姉さん!!!」 「コン!!! 俺、兵士長呼んでくるぞ!!!」
「コン・・・よかった・・・」 「あぁ、無理しないで!」
重い瞼をゆっくりと開くと、そこには見知った人達が私を囲んで、安心した様子で笑ってくれた。・・・ただ、私の状況はまだ良くない。
「・・・うぇぇ・・・」
「はいっ!! これに!!」
すかさずバケツを持ち出してくれたヴァル。アンは、お義父さんやお義母さんを呼びに行き、兄はバカラさんを呼びに行った。
ウルシ君は、涙を流しながら「よかった・・・よかった・・・」と呟いている。
皆の表情を見ると、本当にもしわけない気持ちでいっぱいになるが、今はそれどこれではない。あれからどれだけの時間が経ったのかは分からないけど、まだ私の脳裏には、箱の中の悲惨な光景が焼き付いて離れないのだ。
その光景だけでも頭がおかしくなりそうなのに、入っていた人が、まさかのクラスメイト。
私は、もう何処から考えればいいのか分からず、あの光景を何度も何度も頭の中でリピートされる現象に、完全に参ってしまう。
そんな私がよほど珍しいのか、ウルシ君達はさっきから大袈裟な程心配してくれる。
それこそ、心臓の鼓動がほんの僅かしかない病人を応援する家族・・・みたいな。実際、今の私の心臓は、早すぎるくらい鼓動を続けている。
心臓だけではない、手首から感じ取れる脈拍も、指先でその動きが感じられる程、ドクドクと高速で動いている。
その上、気絶している間でも、私はずっと汗をかき続けていたらしく、髪がベッショリ濡れていた。まるでシャワーを浴びた直後の様に。
ただ、今からお風呂に入る気にもなれない。熱っぽいわけではないけど、体の余る体力だけでは、起き上がるだけで精一杯な状況。
何故か気絶する直前まで結構口から出ていた筈なのに、まだまだ止めどなく溢れてくる。このままでは、吐血してしまいそうな程に。




