朝日が昇り始めた 城門前にて ギン
「そういえば、最近暖かくなったから、『彼女』の草むしりも再開する頃合いだよね。」
「『彼女』・・・・・あぁー、コンですか。そうですね、ずっと待っていた様子ですし、今日にも始めち
ゃってるんじゃないかな・・・・
王都に来ても、土いじりが好きなのは相変わらずで、俺はちょっと安心しましたよ。」
「そうだね、私もそう思うよ。彼女らしい・・・というか。」
・・・こんな話、コンが聞いていたら、ちょっと落ち込むかもしれない。
本人は本気で『時期王女』としての特訓をしているのに、今の俺達の発言は、そんな彼女の努力を嘲笑っている・・・と勘違いされても、仕方ないのかも。
ただ、俺達はコンを馬鹿にしているつもりではない。むしろ、色々な意味で褒めてあげたい。
コンは王都に馴染みながらも、『自分らしさ』を決して忘れず、誰になんと言われようが、自分自身を貫いていた。
それは、どんなに体や技を鍛えた、凄腕の兵士でも成しえない、彼女自身の力による成果だ。さすがは俺の妹だな。
・・・まぁ、コンはそんな事ですぐに心が折れるわけない。むしろ相手を折に行く程の勢いがある。
そんな彼女は、気づけばすっかり王都の住民になっていた。
本人は「まだまだ頑張る」と前に言っていたが、これ以上頑張ると彼女自身が壊れてしまいそうだ。
だからその辺りは、俺が時々様子を見に行ってあげないと・・・
「兵士長、兵士長。」
「ん? 何だ、オリシス。」
遠くから、一人の兵士が歩み寄って来る。
その様子に慌てる素振りはなく、俺は一瞬心の中で、「揉め事ではなさそう、助かった・・・」なんて思ってしまった。
兵士長はオリシスさんの元へ行き、俺は警備を続行する。
兵士長と一緒に警備ができると思って、昨晩から楽しみにしていたんだが・・・まぁ仕方ない。
ほのぼのとした 朝のゆったりした時間
しかし それはいとも簡単に 崩れてしまうのであった・・・




