朝日が昇り始めた 城門前にて ギン
あの時、『奴』を倒した時に使った持ち技、〈蜂鳥〉
今までは、ただナイフを投げるだけだったけど、それでは効果が薄いんじゃないかと、最近思うようになったのだ。
自分も〈ノリト〉を謳ってみようか・・・とも考えたが、王都に来る時に掲げた、『〈ノリト〉に頼らずとも強くなる』という目標から逸れてしまう。
「持ち技があるだけでも相当実力があると思うよ」と、前に兵士長が言ってくれたが、それでは満足しない俺。
だから、〈蜂鳥〉に『毒液』を仕込んでみようか・・・とも考えたり、そもそも『ナイフ』ではない物を投げようか・・・とも考え。
考え続けた結果・・・このザマである。結局その日だけでは考えがまとまらず、色々と案は出たものの、結局持ち越しになってしまった。
案は出るのに決められない・・・って、俺もつくづく優柔不断だな・・・
まぁいいか、これからじっくり考えればいい。その中で一番、自分に合った方法を探ればいい。ただ、そうゆう事を考え始めてしまうと、どうしても周りが見えなくなってしまうのだ。まさに、作業に没頭するウルシの如く。
そう思うと、ウルシってやっぱり凄いな。俺だったらこんなに頭使う日々が続いたら、数日で身も心もボロボロになりそう。
なのにウルシは、あれこれ考えながら作業に没頭できるんだから。『凄い』を通り越して『怖い』
ウルシは、そろそろ貴族や王族から受けた仕事の依頼が片付きそうだ・・・」と、この前話していた。
去年丸一年は、貴族や王族からの注文だけで埋め尽くされてしまったらしく、今年は、『自分の作りたい物』を作るそう。
一応・・・依頼に合った報酬は受け取っているそうだけど、ウルシはそれを一切使う様子を見せない。
・・・というか、お金以外にも貰っていたような気が・・・
それを頑なに隠しているのは、姉であるコンや俺のせいなのか、それとも何か『裏』があるのか。




