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最弱国の魔素無し第四王子戦記(無限の魔素と知略で最強部隊を率いて新王国樹立へ)  作者: たぬころまんじゅう
第五章

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橋の上の激戦

「軍師殿、俺が前に出て突破する」


 いつの間にか、エルザの後ろにギュンターが立っていた。鎧を纏った戦士の目は、静かな決意に満ちている。エルザは振り返り、目を丸くする。


「ギュンターさん・・・・・・!お願いできますか?」


 ギュンターは頷き、剣の柄を握りしめる。エルザの不安を払拭するように、彼は力強く頷いた。エルザは一瞬ためらったが、すぐに決断する。


「お願いします。みんなの命がかかってます・・・・・・」


 ギュンターは即座に動き、ファニキア軍の最前線へと駆け寄った。押し込まれ、疲弊した槍兵たちの間に割って入り、橋の東端に立つ。その瞬間、ギュンターの身体からオーラが立ち昇る。空気が震え、橋がミシミシと揺れる。周囲の兵士たちが息を飲んだ。敵の重装盾兵と槍兵が、警戒して構えを取るが、遅かった。


「おおおおおおおおっ!」


 ギュンターの剣が一閃。剣先から放たれた衝撃波が、橋の上を横殴りに薙ぎ払う。重装盾兵の鉄の盾がひしゃげ、槍の穂先が粉砕される。衝撃波の余波で、数名の兵士が吹き飛ばされ、橋からランス川の冷たい水面へ転落していく。悲鳴が上がり、水しぶきが夜空に舞った。


 ギュンターは止まらず、連続して今度は斬撃波を放つ。青白いオーラの波が敵陣を斬り裂き、盾ごと鎧ごと切断する。重装歩兵の列が崩れ、ファニキアの槍兵たちはその隙を突いて前進。橋の東たもとから、中央まで一気に押し込む。ギュンターの個人の武力は凄まじく、たったひとりが軍勢のように敵を蹂躙した。ファニキア兵たちは鼓舞され、雄叫びを上げながら追従する。


 橋の西側、ナザル軍の本陣近くで、ナザルは戦況を睨んでいた。斥候の報告と自らの目で、橋の状況を把握する。低く唸る声が漏れた。


「どうやら敵にオーラ持ちがいるようですね。仕方ありません、私が出ます。各部隊長は、私の指示通りに」


 周囲の部隊長たちが頷き、ナザルは剣を抜いて前線へ向かう。教皇軍の兵士たちは、上官の姿に士気を回復させる。



 ギュンターが重装盾兵を次々と排除しながら、西側の橋たもとまで押し込んだ時、ナザルが現れた。白いマントを翻し、冷静な視線でギュンターを捉える。ギュンターはただならぬ気配を感じ、剣を構えた。ふたりの間に、殺気が充満する。


「あなたがそちらの切り札というわけですか」


 ナザルの声は静かだが、重い。ギュンターは低く応じる。


「そういうあんたは?」


「さて・・・。私も似たようなものです」


 一瞬の間をおいて、ふたりの剣が交錯した。橋の上で、剣が火花を散らす。ナザルの剣は洗練され、予測不能の軌道を描く。ギュンターの剣は力強く、無駄のない動きで応戦する。刃がぶつかり、金属の絶叫が響く。ナザルはフェイントを入れつつ斬撃波を放ち、ギュンターの肩を掠める。血が噴き出し、ギュンターは痛みに顔を歪めながら衝撃波で反撃。ナザルは咄嗟に威力を軽減するものの胸当てがひしゃげ、肉が裂け骨が軋む。


 ふたりは互いに傷を負いながら、激しく戦う。斬撃波で橋の石畳が砕け、ふたりのオーラで周囲の空気が歪む。技巧と技巧のぶつかり合いは、橋全体を震わせ、兵士たちを嫌でも巻き込んでいく。ギュンターのオーラが爆発的に高まり、ナザルの剣がそれを受け流す。互角の激戦は、息もつかせぬ緊張感に満ちていた。


 対岸にてエルザは厳しい表情で、ギュンターをと互角に剣を合わせる騎士を見つめていた。


「まさか、ギュンターさんが止められるなんて・・・・・・。このままだと・・・・・・」


 エルザは脳をフル回転させるが、咄嗟に良い打開策も湧かない。その時、影のように近づく者がいた。パトスである。角の生えた老練の戦士は、いつもの穏やかな笑みを浮かべる。


「エルザ殿」


 エルザは振り返り、目を輝かせる。


「パトスさん!」


 パトスは静かに提案する。


「ギュンター殿は苦戦してるようですね。私が行って橋頭堡を作りましょうか?」


 エルザは驚く。


「パトスさんひとりでですか!?いくらなんでも無茶ですよ!」


 パトスはほっほっと笑い、顎を撫でる。


「なに、こういうのは入り込んだもの勝ちです。ギュンター殿と互角に戦うほどの騎士であれば、私の存在を無視できなくなるはずです。彼が障壁となってるなら、彼自身から離れざるを得ない状況を作り出せば良いのです」


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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