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田舎での人の縁は侮れない

スマホゲームのデータロストが痛い。

fgoのNpチャージ組が消えたので効率が上がらない…。

孔明、スカサハ…カムバック!

前に少し述べたが、俺が危ない配達などで働いているのは(給料は取り上げられる)俺以外にも子どもがいて、働いていたからだ(なお、その子らはお小遣い感覚でやっていた模様)。

なお、過去形なのは俺と同い年の子どもが捕まったのである。

そのため、この危ない御使いは俺が他の子の分もやっているのである。

所詮、中学生である。そして、こんなところと関わりのあるやつなんて碌な奴ではないと思っていたが…

いや思ってました。



まさか…まさか…



捕まった奴の一人が頭の文字が「や」から始まるやばい組織の組長の孫の一人だったとは、思わなかった…。

人の縁は侮れない…。前世でも田舎では、会う人の大抵は、知り合いか知り合いの知り合いだった。

まぁ、ここ田舎じゃないけど…。


ジャパニーズマフィアや暴力団とか色んな言い方があるだろうが、この世界ではなんと呼ばれているのだろうか。

捕まった組長の孫はどうやら敵対するところの組に御使いに行ったらしく、そこで罠にハマって警察に捕まったようだ。

同情できそうだが、どうやら色々と余罪があったらしく現在は少年院にいるみたいだ。

顔も知らないやつだけど、とりあえずざまぁ!


「いやぁ、お孫さんは残念だったですね」


現在、俺はその孫の組で接待を受けている。

始まりは、配達の途中に組にいた人が大金を持って逃げているのを偶然にも発見したこと。

それを世間話程度に話したら、組の金を持って逃げていることが判明した。

そして、場所もある程度把握していて移動速度の速い俺がそいつを捕まえてその御礼だそうだ。

綺麗なお屋敷に豪華なご飯。最近は刑務所のようなご飯か異物混入したものかがほとんどだったので嬉しいのだ。気分は俺は浦島太郎でここは竜宮城。


「おら!若いもん、なんか踊れ!」


まぁ、踊っているのは鯛やヒラメではなく入れ墨のガタイのいい男たち。


「おい、兄ちゃん!これ、吸わないか?」


玉手箱の代わりは危ない白い粉。


そして、俺が今、対面しながら飯を食っているのは乙姫ではなく、

ここの組長で70代半ばぐらいの爺さんである。

しかし、明らかにやばそうなオーラをまとっている。

思っていることが、顔に出ないように必死である。


「そう、怯えなさんな。まぁ、とりあえず飲めや」


「いや、未成年なんで…」


「安心しろ、水だ」


「はぁ、いただきます…」


最初は、いいこともあるものだと思っていたが、偶然に下っ端の組員の話を盗み聞きした結果、

これは、俺をこの席に誘う罠であることが判明した。

話の内容から現状を理解したが時すでに遅し。

もう、断頭台に立つ死刑囚の気分だ。


マジで、逃げてぇ…。

手に持っている水が震える。

この爺さん、優しそうな言葉をかけているいるけど目が座っているんだよなぁ。


怪しいが飲まないわけにはいかない。


ごくごくっ…


冷たい水が喉を潤していく。張り詰めた緊張が流れていくような錯覚をもたらしてくれる。

これで、落ち着いて対応することができる。

気分は探偵に謎を解かれた犯人の気分だ。


「飲んだな」


組長はニヤリと笑った後、


「この水には、ちょっと変わった毒が入っている。

さぁ、解毒剤が欲しかったら、お前さんの知っていることすべて話せ」


ぶぅぅぅぅ!!!


怪しいと思っていたが、まさか毒とは!?

流石に推理物で犯人に毒飲ませて真相を吐かせるなんてねぇぞ!

いや、よく考えたら見た目が子どもの探偵が使ってるのを見たわ…。


その後、俺はすべてゲロりました…。

毒について嘘だったようです。

じゃあ、その解毒剤みたいなやつは?

まぁ、あそこをかばう理由なんてないし…。


「安心しな、悪いようにはしないさ。お前さんも被害者だ。

孫のことは気にしてないぞ。出来の悪いやつには興味ないしな。

お前さんには後で、うちの有能な弁護士を紹介してやるよ。

ただ、おまえさんのところが最近、うちのシマを荒らして困ってるんだよ。

…ちょっと色々と教えないといけないんだよ。もっと知ってることはないか?」


さらに、ゲロりました。

あの時、毒は嘘とは言っていたが、俺が飲んだって自白剤じゃなかったのかだろうか…。

まぁ、敵の敵は味方っていうし、現状は利害が一致している。

それなりに信用できるが、このままここにいたら発狂しそうなので、竜宮城(仮)からそそくさと退散した。


組長との付き合いでもう時間は深夜だ。


「はぁ、飯はたくさん食ったが、食った気がしないなぁ」


豪華な飯だったが消化に悪かった。

グチグチ独り言を話しながら、川沿いを沿って歩いていると


「ん?」


街路灯の下、一人の着物姿の男性が立っていた。


「今夜は、あいにく天気が悪くて、月が見えないねぇ」


その男は、痩せているようにみえるがどこか筋肉質にも見える。

細マッチョといえばよいのだろうか。

ただ、目は鋭く口は尖がっている顔は狐のような男だ。

そして、何より腰に刀を付けており、手が刀に掛かっている。


「すまないねぇ。君がさっきまでところとのね、うちのところは仲が悪いの。

君、お昼に逃げてたやつをすんなり捕まえてたでしょ?

有能な新人は早く潰すに限るんだよねぇ」


男は抜刀の構えになる。

さて、問題。敵の敵は味方です。では、敵の敵の敵はなんでしょう?


「殺してもいいけど、依頼は命を取れとまで言われてないし、

君が頑張れば、腕一本ぐらいで勘弁してあげるよ」


答え、敵。


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