特異点
過去英雄開始時点:始道歴809年
↓
外伝開始時点:始道歴409年
エドガーの白魔術を見せない為に俺はウィンターズさんを外へ連れてきた。
ウィンターズ「俺の店なのにぃ…」
入口の階段横で項垂れるウィンターズを横目に、俺は上を向き空を見ていた。
俺は空を見る度に身体が浮くような感覚がする。
何億と重ねてきた回数の中で、俺は次第に仲間を最後の戦場まで導くことはできるようになった。
だが…必ず魔造神アルテマとの戦いで誰かが死んでしまう。
アルテマとの戦場はどこまでも続く虚空の青空だった。
その時の光景が脳に深く刺さり、その時の感覚もまた同じく深く刻まれているから。
ダーリン「…ん?」
空を見ていると一瞬、飛んでいる何かが居た気がした。
ウィンターズ「どうかしたんすか?ダーリンさん」
ダーリン「いや、気のせい…」
空は夕焼けに染まり始め、そろそろ暗くなる頃、様々ある数多くの雲や鳥、他におかしな点はない……
ダーリン「いや…待て…」
ダーリン「3人か?」
おかしな点はあった。
空に浮かぶ三つの人影、そしてそれは王都の東街中央、つまりこの街の中央にあった。
ウィンターズはダーリンの言葉を聞き空を見る。
ウィンターズ「あ、ホントだ。なんですかねあれ」
3人の人影は互いに等間隔を空けながら空を地として歩いていた。
ダーリンは嫌な予感がしていた。
今の始道歴は409年、既に魔人戦争は始まり約100年経っている。
ダーリン「……ウィンターズさん、少し場所を変え…」
その時、神に似た悪寒が走った。
??「聞こえるか?慈悲なき愚者共よ」
突然脳内に直接刺さるような言葉が流れる。
それは俺だけではないらしく、ウィンターズさんは頭を抑えていた。
??「我が名はモルガン」
??「我が隣に鎮座する事を許した者の名はグロワルとファシオン」
??「我らはこれより、貴様ら愚者共へ宣戦布告をしよう」
??「我らは貴様ら愚者共とは違い慈悲深い、この言葉が聞こえなくなったその瞬間から、亥の刻までに逃げるチャンスをやろう」
??「幼子、女、好きなだけ逃げるがいい…ただし亥の刻になる瞬間、以降すべての刻は逢魔が時と知れ」
??「これは貴様らが望み招いた結末よ、命乞いは一切の効力を持たん」
その言葉を最後に、空に浮かんでいた三つの人影は消えた。
そしてその瞬間、街は大パニックに陥った。
発狂する者、狂乱する者、急いで逃げようとする者、神に祈りを捧げる者、阿鼻叫喚と化していた。
ウィンターズ「だ…ダーリンさん…今のって…」
ダーリン「…っモルガン…?」
俺は動揺していた。
モルガン、それは俺の知らない名前だったからだ。
このような大事を起こす力を持っている者の名前は大半暗記している、だが俺の頭にある辞書にモルガンという者の名前はなかった。
ダーリン「…とりあえず!一旦戻るぞ!」
そうウィンターズさんの手を引っ張るが…
ウィンターズ「………」
ウィンターズさんは動く気配がない。
ダーリン「おい!早くしないと死ぬぞ!」
そう話しかけても、まるで声が聞こえていないかのように反応がない。
ウィンターズはうずくまり、ただ震えていた。
ウィンターズ「だ…ダーリンさん…」
ウィンターズ「どう…しろっていうんですか?…」
顔を上げ、ウィンターズはダーリンの方を向く。
その顔は絶望に包まれ、虚ろにただ死を覚悟している顔だった。
ウィンターズ「モルガンは…」
ウィンターズ「最厄の魔女ですよ…?」
最厄の魔女、俺の頭にそんな魔女の記憶は無い。
ダーリン「…とにかく行くぞ、何回くたばってもお前を守ってやるから」
ウィンターズ「…無理ですよ…もう…皆…おしまいです…」
ダーリン「っ、なんでそんな急に弱気になる!亥の刻は…確か夜9時から11時だろ?今から5時間ある!!」
だが、いくら言ってもウィンターズは動く気配がない。
俺はここで違和感を感じた。
何故ここまで急に弱気になるのか、何故ここまで絶望するのか、単に俺の記憶にない存在が俺の予想を遥かに超える存在ならまだしも、あまりに人の心理としてはおかしい。
再度辺りを見渡す。
未だ阿鼻叫喚な街で、大半は逃げようとしていない、諦めている。
俺はこの光景に見覚えがあった。
『見たまえ!!これが絶望だよ諸君!!』
『人はこうも容易く心が壊れる!』
『ほら、見てご覧?君が助けようとした者の末路はこうも呆気ない…』
精神汚染、かつて俺達が戦った魔女の世界樹と酷似していた。
その者の名はヘカテ、絶望という概念を操る魔女の一人、絶望とは何かを己が身をもって知り尽くした女。
その者の世界樹によって引き起こされた絶望を知らされ続けた者達の光景と、今の光景が酷似していた。
バンッ!
階段の下から扉が勢いよく開かれる音がし、2人分の走る足音が聞こえた。
エドガー「フェニシアさんの治療は終わりました…が、いったいこれはなにが?」
キスティスは辺りを見渡した瞬間、白魔術師としての経験からすぐに理解した。
キスティス「……これ…精神汚染ですか?」
キスティス「この規模は…魔女の世界樹」
キスティス「つまり…バッカス」
エドガー「では…アニマ」
ダーリン「やっぱ…ヘカテか」
キスティス「え?」
エドガー「はい?」
ダーリン「はぁ?」
ダーリン「アニマとかバッカスじゃないだろ?」
エドガー「……」
キスティス「いえ、私…この世界樹はデュオニュソス・バッカスだと思うのですが…」
ダーリン「はぁ?多分この世界樹は絶望だろ?」
キスティス「えぇですからバッカスなのではと…」
ダーリン「絶望の世界樹はヘカテだぞ?バッカスの世界樹は酒だったじゃねぇか」
キスティス「はい?バッカスの世界樹は絶望で…」
「ヘカテは絶望と似ていてややこしいですが錯乱の世界樹ですよ?」
ダーリン「ンンンンンン?」
キスティス「ンンンン?」
3人の記憶が食い違っている時、黙っていたエドガーが口を開いた。
エドガー「…おそらく、皆さんの記憶は合っています」
エドガー「皆さんが覚えているヘカテ、バッカス、そして私が覚えているアニマ…どれも絶望の世界樹を持つ魔女」
エドガー「なら何故記憶が食い違うのかといえば、それは私達は各々別の並行世界の自分ということです」
―――
――――
―――――
――現在地:ブロッケン山
――現在時刻:16:38
幻大陸の東にあるハルツ山地、そこの最高峰ブロッケン山…そこでは今、魔女達による茶会が開かれていた。
森の中、王都とは違い既に雪が降っている。
ただ静かに木造の円卓と四つの席があり、それぞれその席は埋まっていた。
モルガン「…それにしても、まさか貴様が我の復讐に手を貸すとは些か疑問だ」
モルガン「魔族の中で人間の可能性を謳っていた貴様が、何故王都を破壊し人間の国一つを潰そうとしている我らに手を貸す?」
??「ん?別に俺は人間の可能性を謳ってたんじゃないよぉ?モルリン」
??「ただ俺はぁ人間は戦いにこそ意味を見出すって言ってたダ・ケ・サ☆ハハハッ!!」
モルガン「その不愉快な呼び方を直ちに止めろ、でなければ貴様も冥界へ送るぞ」
??「んもぉ〜冷たいなぁ〜?でもそんなモルリンも可愛い〜」
ファシオン「なぁんでこんないい加減なやつの誘い乗ったのさ?モルガン」
グロワル「そ、そうですね…それに私達だけでも十分だったと思うんですが…」
モルガン「…竜騎士も居る、それにハルマーシュ王国にはお抱えのSランク冒険者が一人…油断は己の死を招く」
モルガンはゆっくりと初冬の森の中で冷たい紅茶を啜る。
モルガン「…やはり冷たいというのは素晴らしいものだ」
??「あれだっけぇ〜w?人間共に火炙りにされてから熱いものが身体を受け付けな…」
その瞬間、モルガンの首筋の皮膚が鋭い針へと変貌し、一瞬で??の脳天を貫いた。
グロワル「あ〜あ、まぁ自業自得だね〜」
ファシオン「テーブルに血が…」
脳天を貫かれた??動かず、椅子から落ちる。
その時、一匹のリスが円卓に登る。
リス「あ〜あ、折角の人間の体殺しちゃってぇ〜w?そんなカッカし…」
次にモルガンは指先を鋭い針へと変貌させ、一瞬でリスを突き刺し投げ捨てた。
次に一羽の鳥が円卓に降りる。
鳥「分かった分かった」
鳥「そんなに怒らなくてもいいじゃ〜ん」
鳥「肉体探すのも面倒なんだよぉ〜」
モルガン「ならば黙っていろ嵐曹」
鳥「ニゴルヘスタって名前で呼んでくれてもいいのにぃ〜w?照れ屋さ…」
その瞬間、鳥の皮が逆になり筋肉や神経が出された状態で死亡した。
モルガン「…グロワル、お前が手を出さずとも私がやれたものを」
グロワル「い、いや…何度もモルガンちゃんにやらせるのは…申し訳ないから」
グロワルの鼻から、一滴の鼻血が垂れ始めた。
ファシオン「あーあ、変なとこで特異点使うから」
ファシオンはハンカチでグロワルの鼻血を拭った。
グロワル「あ、ありがとうファシオンちゃん」
その時、森に響くようにして声が聞こえた。
ニゴルヘスタ「あーあw、まっいいけどね?!ww」
ニゴルヘスタ「とりあえず俺はもう王都に行くから、君達もあとでおいでよぉ」
モルガン「貴様が言わずともそうする」
ニゴルヘスタ「フフ…やるなら本気でやろうかぁ!!そのほうが楽しいだろ!フアハハハハハハッ!!」
そう言うとニゴルヘスタの声は次第に遠のいていった。
モルガン「…騒音が消え去ったか」
ファシオン「さてと、私達も準備しちゃおっか」
グロワル「う、うん…」
モルガン「…忘れるな、ファシオン、グロワル」
モルガン「奴らに慈悲はいらない、話した通りにやれ」
モルガン「奴らが我ら魔女に慈悲がないように、我らもまた奴らに慈悲は必要ない」
ファシオン「…私のこの目も、モルガンの苦痛も、グロワルの家族も」
モルガン「ただ力が使える、それだけの理由で、幼かった私達と私達の家族を火刑に処した挙句、悶え苦しむ中我らを見て笑っていた笑顔…」
モルガン「今度は、こちらが笑う番だ」
―――
――――
―――――
現在地:王都ハルマーシュ/東街大通り
現在時刻:17:18
あれから、エドガー、キスティス、ダーリンの三人はウィンターズを担ぎながら東門へ急いでいた。
時間が経ち、世界樹の力が薄れているのかは分からないが、人々が荷物を持ち、馬車に乗ったり、走って東門へ向かっている。
エドガー「皆さんは知っていると思いますが、私は第三世界樹の輪廻転生…本来ならば輪廻転生の神としてキュートの夫でした」
エドガー「ですが、私の世界線では神は皆死んで居ます」
ダーリン「は?!」
キスティス「地造神、魔造神、愛の神、進化の神、精死の神が皆?!」
エドガー「…はい、つまり私の元いた世界は崩壊し、今や存在しません」
ダーリン「輪廻転生ってそんな記憶保持したまま異世界に転生できるぐらい強いのか?!」
そう驚いているダーリンと一緒に並走してるエドガーは、その言葉を聞き少し暗い表情をした。
エドガー「…いえ、元々は記憶を保持したまま異世界へ転生できる…というわけではありませんでした」
三人は話しながら東門を目指し大通りを走っていた。
だがそれは正気に戻りだした他の人々も同じ、大通りは渋滞になっていた。
一般人A「おい邪魔だどけよ!!」
一般人B「お願いですこの子だけでも通してください!!」
様々な怒号や悲鳴が聞こえる中、一人が頭に残る大きな声を張り上げた。
??「皆!!落ち着け!」
建物の屋根の上に立ち、人混みを見下ろすように立っているその女性は、二又の禍々しい槍を持ち、紫色の長髪をなびかせていた。
??「皆が助かりたい気持ちは理解している!だがこの一刻を争う状況で混乱していては助かる命も助からない!!」
??「私の名はゲヘナ・オルレッチ」
ゲヘナ「ハルマーシュ王国お抱えのSランク冒険者にして、王国専属の鍛冶屋」
ゲヘナ「私がこれよりこの場をまとめ迅速に避難希望者を東門へ逃がす!」
ゲヘナ「ただそのためにはこれ以上馬車で通させるわけには行かない!大通りの場所が大きく取られてしまうからだ!」
ゲヘナ「馬車に乗っているものはこの先馬車で通らないでもらいたい!」
その言葉を聞き人々は静寂に包まれる。
一般人C「げ、ゲヘナさん!それでもこの人数皆助かるというのは時間的に無理なんじゃ…」
ゲヘナ「助かる、私の計算上ではね、ただ助かる為に大きく関わるのは君達の行動力と冷静さだよ」
ゲヘナ「ただ私も一人の人間だ、判断を間違うことはある、もしこの判断で皆が助からないと言うならば私に遠慮なく言うといい」
ゲヘナ「私の言葉に納得してくれたのなら道を開けてくれ!最優先は未来ある子供や若者だ!」
ゲヘナは大きく叫ぶ、すると人々はゆっくりとゲヘナを信じ道を開け、子供達や若者を先に行かせる。
エドガー「…ゲヘナさんはどの世界でも変わりませんね」
ダーリン「あの人はどこの世界でも、ハルマーシュ王国お抱えの人望厚い鍛冶屋だな…」
キスティス「そうですね」
三人が子供達が先に行くまでそう話していると…
ウィンターズ「……ん?あれ、俺寝てたっすか?」
おそらく泣き疲れて寝ていたウィンターズが起きた。
キスティス「あ、おはようございますウィンターズさん」
ウィンターズはキスティスにおんぶされており…
ウィンターズ「ん…?」
ウィンターズ「んっ?!」
ウィンターズ「ちょっもう大丈夫っすから!大丈夫なんで降ろしてください!!」
キスティス「あ、ちょっ暴れないでください」
ウィンターズはおんぶされていることに気づき慌てて降りようとして暴れる。
だがキスティスの力のほうが圧倒的に強く、降りようにも降りれない。
ウィンターズ「力強っ?!うっそでしょ!?」
キスティス「ウィンターズさん、下手に暴れられると少し面倒なので静かにしててください」
ダーリン「それに、下手に歩かれて迷子になられたら困るしな」
ウィンターズ「俺20歳超えてるんですけどね!」
そんな風に話していると…
ゲヘナ「よし、子供達は皆先へ行ったようだね」
ゲヘナ「それならば次は…」
そう言いかけた時、地面に大きな影が突然現れた。
皆が一斉に顔を上げた。
何かの鋭く地面を突き刺すような足が降りてきているのがわかった。
エドガー「っ…!」
それは我々に来ているのではない、先に行った子供達の真上に来ていた。
キスティス「子供達が!」
キスティスも、エドガーも、ダーリンも、ゲヘナも、その状況に誰も間に合わない。
そして…
ドォォンッ!!
巨大な風圧で人が吹き飛ばされる。
土煙が舞い、どうなったかは分からない。
エドガー「っ…!」
風圧を耐えるのは容易い、だが問題なのは子供達がどうなったか。
土煙が晴れ始める。
人々は悲鳴に包まれ、子供の名前を呼ぶ者が大半だった。
―――
――――
―――――
??「っ…ぐっ…!!」
一人の大柄な男がその巨大な何かの足を止めていた。
??「…誰が…」
??「ガキを…」
??「親の目の前で…」
??「殺させるかァァァ!!」
男はその巨大な足を上へ押し上げる、少しの間浮いた足はまた落ちてくるが…
??「ネフェルタリアスッ!!」
男は自身の片刃の大剣を持ちそう叫んだ。
大剣は柄だけを残し、刀身は大きな欠片となり砕け散る
だが次の瞬間……
一瞬にして散らばった欠片は意思を持つように男の手元へ集まり、別の形へと再構築されていく。
ギィィィィンッ
現れたのは、片刃の大剣とは全く異なる両刃の無骨な大剣。
男はその大剣を振り抜いた。
巨大な足は縦に両断される。
切断された足は、ゆっくりと粒子になり消えていった。
ただ一段落とはならなかった。
巨大な足の主…
それは何もない空間から現れ、自身の脚を再生成していた。
下半身は巨大な鳥類的な構造。
対して上半身は人の形に近い。
肉のない白い骨だけの身体。
背中には大きな羽毛に包まれた天使のような翼が生えている。
頭部には皮膚があり、人間に似ているが髪は無く、皮膚は雪のように白い。
瞳は無く、口も無い
そして明らかにそれは魔物というにも異常な存在だった。
―――
――――
―――――
??「全員下がれ!死んでもいい奴だけ前に出ろ!!」
その声を聞き助けられた子供達や若者は一斉にゲヘナ達の元へ走り出した。
東門への大通りは一気に混乱に満ちた。
エドガー「…慈悲のある方々と聞き、すこし期待していましたが…」
ダーリン「まぁ、魔女共の気持ちも分からんでもないがよ…こりゃやりすぎだろ…」
キスティス「……仕方ありませんね、色々と話の途中でしたが…最小限の被害を目指しましょう」
キスティス「ウィンターズさん、よく聞いてください」
ゆっくりとキスティスは背中からウィンターズを下ろす。
ウィンターズ「は、はいっ!」
キスティス「ここから走って中央に行ってください、もし魔物や他のなにかに襲われそうでも、桜ノ旅館へ全力で向かってください」
ウィンターズ「桜ノ旅館?!なんでそこなんすかっ?!」
キスティス「そこが安全だからです」
ダーリンは桜ノ旅館と聞き、キスティスの意図を察したのだろう。
ダーリン「…確かに、あそこは安全だわな」
エドガー「申し訳ありませんが、私達は貴方をそこまで今連れていけない…お一人でもいけますね?」
ウィンターズは徐々にその全身を表す神聖ながらも異形の怪物を見て…
ウィンターズ「っ…皆さん、どうかご無事で戻ってきてくださいっす!!」
ウィンターズは真っすぐに後ろを向き、走り出した。
大通りに居た人間は巨大な怪物から逃げるように後ろへ走り去っていく。
コトン
屋根の上からゲヘナが槍を構え降りて来た。
ゲヘナ「君達……」
ゲヘナはゆっくりと三人を見る。
ゲヘナ「…なるほど、心強いものだ」
ダーリン「ゲヘナさん、あの男の人は知り合いか?」
ゲヘナ「いや、私は知らない人だね」
すこし和ますように軽く答えるゲヘナ。
エドガー「…あれもまた特異点ですか」
キスティス「…随分と、違いますね」
ダーリン「大きく変わってるな」
思い出す、最初の頃は何度も何度も起こる大事件を忘れ仲間が死んで行ったこと。
その度に自分だけは生き残り、手が壊れるまで壁を殴り続けたこと。
だが今は違う
ダーリン「まぁ、こんだけ居るならなんとかしようぜ」
三人はそれぞれ武器を構えた。
ダーリンは相棒の大斧と恋人の直刀を
キスティスは恋人の短剣を
エドガーは…
エドガー「…そういえば私カルディナさんに武器を壊されてましたね…」
ダーリン「あ、確かに」
キスティス「…何してるんですかカルディナさん…」
ダーリン「…大斧と直刀どっち使うよ?」
エドガー「では直刀で」
ダーリンはエドガーから布都御魂を渡された。
エドガー「では改めて…」
エドガーは仲間の直刀を…
エドガー「行きましょうか、皆さん」
「「「了解ッ!」」」
【キャラクター】
ゲヘナ・オルレッチ
ハルマーシュ王国直属のSランク冒険者であり鍛冶屋、街の人々からの信頼は厚く、人望がとてもある。
人付き合いも良く、街の人気者、ただ見た目が20代から一切変わっておらず、魔族と勘違いされ一時期は面倒なことが起きたが、国王が自らゲヘナは「特殊な奇病」と宣言し、老けないことは誰も気にしなくなった。
アフランタ・エドガー(別世界線のシェン・リョグン)
仙人と呼ばれ、500年間不老の身体を使い武術、拳術を極め、自身のエーテルを身体に纏い鎧として活用する技術の「一心」や「二心」を開発し他にも様々な応用技を開発した。
ダーリン・アスモデウス(別世界線のカルディナ)
元々黒魔術師であったが、仲間が居ない状況が続き、一人で十分な強さになることを目指して鍛えに鍛え、遺品である戦士の斧と布都御魂を完璧に扱えるようにした。
あと本来存在しないはずの黒魔術などを使えば色々とヤバいので安易に使えなかった事もある。
キスティス・プセドニム(別世界線のフェニシア)
元々白魔術師であったが、仲間をリフレクが出せなかった事で死なせてしまいトラウマによって白魔術が苦手に、それから炎を無効化する能力で残ったゴネルバの2本の短剣を持ち、何度も何度も皆を助ける為に行動していた。
【用語解説】
・竜騎士
オデバル合衆国、ハルマーシュ王国、東洋大国、魔国の四つの国にそれぞれ必ず2人存在する最高位騎士。
文字通り竜とのコンビネーションで戦うが、竜騎士単体でもSランク上位、またSランクよりも強い特殊許可の強さがある。
(ちなみにキスティス、エドガー、ダーリンは全然特殊許可の中でも最強レベルです。8億回は伊達じゃないね)
・Sランク冒険者=この世界において二桁の数しか居ないギルド公認の実力者、国が積極的に囲い込み手に入れたいと思わせる程の実力を有しており、才能・努力、共に兼ね備えていなければなれない存在。
(ただSランク"級"の実力を持つ存在は結構いる)
・特異点=プロメテウス教やオデバル合衆国での世界樹の名称。
(またエドガーが特異点と使う場合、今まで経験してきた世界とは違う部分を指す場合もある)
・魔女=人間や魔族の中で世界樹という神の力の一部を持つ存在、基本的に能力を持っていることが発覚した場合子供だろうがなんだろうが火刑に処される。
また魔女を助けた、匿った者も同じく火刑に処される。
・世界樹=今の世界の人間の脳が30%しか使えていない場合、それが60%使えるようになった場合に発現する神からのギフト
・魔人戦争=人間が魔族や魔物、魔女を獣以下の扱いしすぎたせいで起こった魔族、魔物、魔女vs人間の大戦争。
【裏話】
異形の怪物の強さは冒険者ギルドが定めた被害の大きさのランクや強さのランク的にSランクの強さです。
Aが結構幅広くて、上位勢が普通の騎士の隊長格ぐらいです。
【最後に一言】
いやぁ、一体異形の怪物の足を両断したの誰なんすかね




